Gride

gettyimages/83112469
getty

ライフスタイル

Nick Jagger

あなたは真のゴルファーですか?それともゴルフをする人ですか?

あなたはどんなタイプのゴルファーですか?

日々の猛練習でスキルアップし、ストイックなゴルフライフを送っているというゴルファーでしょうか?

プロやクラチャンを目標にしているならば、そのような人も全国各地にいるでしょう。

しかし、大半のアマチュアゴルファーは友人や家族とラウンドし、ゴルフを楽しんでいることでしょう。

そんなエンジョイ派だって、スコアアップを望まない人は誰一人いません。

だけど、スコアだけにガツガツして、自分を見失い、ゴルフの本質を忘れてしまっているゴルファーも世の中にはたくさんいるのです。

時には、その姿は利益だけを求める悪徳商人のごとく、正にゲスの極みですが、本人はまったくその醜態に気づいていないという人を見たことはありませんか?

スコアという悪魔に“分別”という人だけが持つ徳までも売り渡して、マナーを守らなかったり、スコアをごまかせば、反対に軽蔑を買ってしまうのがゴルフなのです。

2つのタイプのゴルファーとは

getty

その知識とユーモアに溢れた文章で今もゴルファーの間でファンが多いゴルフエッセイストの故・夏坂健氏が、著書の中でこんなことを言っています。

“ゴルファーには2種類のタイプの人がいます。スコアだけが大事な人とスコア以外にもなにかを求めようとする人です。

私は直感的に知性派と非知性派、上品と下品、ゴルフが似合う人と似合わない人、一緒にプレーしたい人と絶対にプレーしたくない人、バカの棒振りと賢者の散策、成金趣味と精神貴族……”

様々な言い方で両者にピシャリと線引きしています。

さらに

“いかに非難されようとも、事実から目を背けるわけにはいきません。下劣な人間はゴルフにおいても下劣です。車から空き缶を投げ、道に唾を吐くような非常識な人間が、ゴルフコースに限って常識的に振舞うとは考えにくい話です。”

と続けます。

どうです? あなたを含めて周りの人たちを見渡してください。

クラブハウス内で酔っ払って大声で騒ぐ人、自分で切り取ったディボットをそのままにしたり、バンカーをきれいに馴らさなかったり、グリーンをスパイクで傷つけたままだとか……。

氏は

“もしスコアが気になるというなら、思い切ってスコアカードなど持たずにプレーしてみることです。それによって、飛躍的にもマナーは向上するはずです。それまで見えなかった風景や同伴者のプレー振り、四季の移ろいまで悠々眺められることに驚かされると思います。”

とも。

ごもっともでございます。厳しくもありがたいお言葉ですね。

伝説のゴルファー、ハリー・バードン

getty

ハリー・バードンとは全英オープンで6勝を挙げているレジェンドです。

皆さんが普段握っているオーバーラッピンググリップを考案したゴルファーです。

アメリカPGAツアーの年間平均ストロークのナンバー1に与えられる「バードン・トロフィー」にその名をとどめています。

バードンは

“「ゴルフほど万人向けのゲームはありません。誰だって好きにならずにいられない魅力に満ち溢れています。しかし、だからと言って誰もが立派なゴルファーになれる保証はありません。次の5つの約束事を必ず守ってほしい。”

と言っています。

5つの真のゴルファーの条件とは

getty

1「たとえ口が裂けても、人のプレーに干渉してはいけない。沈黙せよ」

大体において、ゴルファーはレベルに関係なくお節介の人種と言えるでしょう。

誰かがミスをすれば、「ヘッドアップだ」、「力が入り過ぎだ」などなど。

ゴルフは徹底した個人技のゲームであって、もし相手に敬意を払うならば、その人のやり方に口を出してはいけない競技なのです。

さらに悪質なのはグリーン上で「打ってない」とか「強過ぎる」などの批判です。

そんなことは本人が一番わかっていることだし、言った当人はいつもピッタリの距離を打てるのだろうかと思いませんか。

2「自分に厳しく、他人に優しくせよ」

例えばグリーン上で、自分のボールをマークするために人のラインを踏むのは論外ですが、「失礼」と言いながら、またいでいくゴルファーをよく見かけませんか?

正しいマナーでは、いかなる場合でも他人のボールの後ろを回らなくてはいけないのです。たとえどんなに遠回りになろうともです。

球聖ボビー・ジョーンズは温厚なジェントルマンですが、そんな彼でさえ「パッティングラインとは、ゴルフにおける聖域であり、それが踏まれたとき、私は泥靴で顔を踏まれたような不快な気分になる」と言っています。

当然ながら、他人のショットを打つ時には静かにするのも、極力視野から遠ざかって邪魔しないのも、相手に対する配慮が巡り巡って自分に戻る法則から生まれたものでしょう。

3「ルールは2つ知っていれば十分」

バードンが言う2つのルールとは、まず「あるがままにプレーせよ」ということです。

ティーショットからカップインまで、とりあえずボールに触れずにプレーしたら、いかなる場合でもルール違反はないはずです。

ところが、コース外にボールが出てしまったり、池に入ってしまったら、「あるがまま」でプレーできなくなるのがゴルフです。

そんなとき「自分に有利になるように振舞わない」というのが2つ目のルールです。

少しでもグリーンに近いようにドロップしたり、6インチ以上動かしたりするのも見苦しい行為と思われてもしょうがないでしょう。

それで結果が大して良くなるものではないことは、ゴルファーなら誰もが知っていることでしょう。

4「必ず誰かに見られている」

例えば林の中でボールは木の根っこ。悪魔が囁きます。「誰も見ていないから」と足でチョン。

そんな誘惑に負けてはいけません。同伴者が見ていなくても、天もあなたの良心も見ています。

「アンプレヤブルだったから動かしたよ」と申告するのが普通のゴルファーです。いつも誰かに見られていると思えば、ズルなんてできませんよね。

5「能書きたれてる暇があったら、1球でも多く練習しろ」

ここまでくると、もう説明不要ですよね。

最後に少し耳の痛い、故・中部銀次郎氏が生前に言っていたお言葉を紹介しましょう。

“「最近はゴルフをする人が増えましたが、ゴルファーは減りましたねぇ…」”