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http://golfweek.com/2017/08/11/dustin-johnson-clutch-gets-hug-as-players-run-to-beat-darkness-at-pga-championship/

ライフスタイル

こせきよういち

明日早起きはしたくない。だから、走るんだ!~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#34

先週の全米プロは話題が豊富でした。

練習ラウンドのショートパンツ姿や300ヤード超のビッグドライブ連発も話題になりました。

が、ネット上を最も賑わせたのは、第2ラウンドの最終盤、日没サスペンデッドを前にその日のうちにラウンドを終えようとする選手たちの、大急ぎでのプレーでした。

この写真は、日没サスペンデッドを避けるため、グループのなかでいち早く最終18番ホールのティショットを放ったダスティン・ジョンソンのあとを追うジェイソン・デイ(左)とヘンリック・ステンソン(右)です。

ジョンソンの献身的なスピードプレーのおかげで、彼らはその日のうちに第2ラウンドを終えることができました。

さもなければ、翌朝は早朝の競技再開で、日の出前にコースに戻って来るところでした。

金曜の夜をゆっくり過ごすことできたのは、すべてジョンソンのおかげだったのです。

今回は日没サスペンデッドを避けようとした選手たちのドタバタ劇を紹介します。

すぐ前を歩く前組に打ち込まないようティショットを引っかけたパンプリング

全米プロゴルフ選手権の第2ラウンド(現地金曜日)は途中、雷雨接近等による競技中断がありました。

そのため遅い時間にスタートした26選手が競技途中で日没サスペンデッド。翌朝早くにコースに戻り、競技を再開する憂き目に遇いました。

ところで、日没サスペンデッドの場合、競技委員の合図(多くは手持ちのエアホーン)があった時点でプレー中のホールはホールアウトすることができます。

つまり、最終ホールのティショットを打ってさえいれば、その組はラウンドを終えることができるのです。

そこで最終ホール直前の選手たちは、それを目指してドタバタ劇を演じるわけです。

今回、メディアに大きく取り上げられたのはスコット・パンプリングでした(動画は下記リンク先をご覧ください)。

彼は8番ホールをホールアウトするや、最終の9番ティに立ち、ティショットを終えたばかりの前の組(ルイ・ウーストハイゼン、ダニー・ウィレット、J・B・ホームズ)がある程度先に進んだところで(写真の右サイドの一団)、急ぎティショットを放ちました。

ところが、その一打は無惨な引っかけ。その画像がこうして世界中に配信されることになりました。

でも、これは前を歩く一団に打ち込まないよう、フェアウェイ左サイドを狙った配慮の結果です。

そして、この一打のお陰で、彼の組はその日のうちに競技を終えることができたのでした。

2011年プレーヤーズ選手権ではポールターが前組のミケルソンによけてもらって

2011年のプレーヤーズ選手権3日目でも同様のドタバタ劇が見られました。

D・ジョンソンとの2サムでラウンドするイアン・ポールターは日没サスペンデッドが迫るなか、アイランドグリーンで有名な17番パー3に到着。

ティショットがグリーンに乗るや、ジョンソンも自分のキャディも置き去りに、パターを手にグリーンまで猛ダッシュ。

自らピンを抜き、2パットのパーでホールアウト。続くジョンソンのプレーなど委細かまわず、その勢いで18番ティへ。

そして、打順を無視(ジョンソンが17番でバーディをマーク)し、急ぎティアップすると、直前にティショットを終えたフィル・ミケルソンとマーティン・レアードの了解を得て、彼らにはティの脇によけてもらい、無事最終ホールのティショットを放ったのでした。

ただし、ポールターのこの行為には「マナー違反」と批難する声が多数あがりました。

しかし、それに対してポールターは「(こうでもしなければ翌朝早起きしなければならない)こっちの身にもなってくれ」と反論。

そして、「目覚ましが5時15分に鳴るところが、10時で良くなった」とまったく意に介しませんでした。

2014年全米プロではマキロイが前組のミケルソンとファウラーに譲ってもらって

最後にちょっと“いい話”を。

2014年の全米プロゴルフ選手権の最終日も悪天候により競技が途中中断。

そのため、最終組で、優勝争いをわずかにリードしていたロリー・マキロイに日没サスペンデッドの危機が迫りました。

マキロイは17番ホールでバーディをマーク。ひとつ前の組でプレーするミケルソンとリッキー・ファウラーとの差を2打に広げました。

しかし、そこでサスペンデッドとなる事態は絶対に避けたいところです。次の日のゴルフの調子に保証はありませんから。

ところが、最終18番は2オン可能なパー5であることに加え、夕闇が迫っていたため渋滞。

マキロイがティに上がると、そこにはまだミケルソンとファウラーの姿がありました。

このままでは……。

すると、ティショットを終えたファウラーがマキロイにこう提案したのです。

「僕が合図をしたら、打ってもいいよ」

ファウラーは自分たちが第2打を打つ前に、合図を送り、急ぎマキロイにティショットを打たせたのでした。

この試合、ミケルソンに1打差で制したマキロイは優勝スピーチで何度かミケルソンとファウラーに対する感謝の言葉を述べました。

「あれは彼らの品位と人格による行動。2人の素晴らしいスポーツマンシップに感謝したくて、優勝スピーチで何度も言葉にしたんだ」とマキロイ。

日没サスペンデッドがもたらす波紋。決して悪いことばかりではないようです。