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なぜそんなに飛ばしたいの?ゴルファーにまとわりつく飛距離の呪縛
世の中にはさまざまな球技がありますが、ゴルフが一番ボールを遠くに飛ばせるスポーツではないでしょうか?
ドライバーでナイスショットをして250ヤードでも飛んだら、なんと気持ちいいことでしょう。
実際には、アマチュアは220~230ヤード飛べば飛ぶほうだと思います。
でも飛んだからと言ってスコアが良くなるわけでもないのが現実です。
名言その1「ボールを止めるゲーム」
多くのプロが言っている言葉があります。
「ゴルフはボールを飛ばすゲームではなく、ボールを止めるゲーム」
ゴルフは、カップにいかに少ない打数でボールを入れるかというゲームです。
そのためには狙った所にボールを運ぶ必要があります。
つまり、むやみに遠くにボールを飛ばしても、目標となるカップにボールを入れることにはつながらないのです。
名言その2「飛ばす程 上手いと思う……」
私の好きなプロゴルファーの一人が奥田靖己プロです。
現在はシニアツアーで活躍されています。
私は奥田プロの考え方、ゴルフに対する姿勢が大好きです。
その奥田プロが色紙にサインをする時に書く言葉があります。
「飛ばす程 上手いと思う 下手な君」
上手いこと言いますよね!
本当にそう思います。
飛び系アイアンの正体
近年、いわゆる「飛び系アイアン」なるクラブが売れ筋の中にたくさん入っています。
広告にも“7番アイアンで180ヤード”等のコピーが書かれています。
でもそのメーカーの7番アイアンのロフトを調べると26度だったりするわけで……。
つまり、7番アイアンと言っておきながらロフトを滅茶苦茶立てているのです。
もちろん重心深度や重心高、シャフト長等を最適に調整しているとは思います。
しかしですよ、結局は今までの5番アイアンに7番と刻印を打っているだけなのです。
ちなみに私のアイアンの5番のロフトは25度です。
20年前の5番アイアンのロフトは27度が標準でした。
もうこうなると、5番とか7番といった番手表示の意味がないと思います。
ショートホールでの無意味な勝負
165ヤードのショートホールがあったとします。
オナー(いちばん最初に打つ人)が7番アイアンでナイスオンをしたら、自分も7番アイアンで打とうとします。
このようなことに思い当たる人は少なくないんじゃないでしょうか?
165ヤードなので、ユーティリティの26度で打とうと思っても、つい持ち替えたりする人もいるんではないでしょうか?
何を勝負しているのでしょうか?
打数を争っているのに、各番手での飛距離を争ってしまい、ゴルフの本質を見失っている人がたくさんいます。
ゴルフの本質
ゴルフの本質は、いかに少ない打数で18ホールを回るかということです。
スコアカードに、「ドライバーで270ヤード飛んだ」とか「165ヤードのショートホールを8番アイアンでワンオンした」等と記入することもありません。
飛距離がどうであれ、ストローク数が95の人より85の人のほうがスコアがいいのです。
当たり前です。
私が最近気を付けていることは、ロングホール(パー5)の2打目に3番ウッド(3W)を使わないことです。
3Wは地面から打つクラブのうち、一番ナイスショットの確率が悪いと思っています。
ロングホールの2打目は飛ばさなくていいのです。
ロングホールの2打目は7番アイアンでいいのです。
飛ばそうとして力んでボールが曲がり、スコアを崩すことが最悪なのです。
そろそろ、飛ばせばスコアが良くなるという都市伝説を捨てたほうがいいのではないでしょうか。