ライフスタイル
Nick Jagger
残りの距離はどこまでの距離を意識?考え方で変わるマネジメント
どんなゴルフコースであっても、グリーンまでの距離を示すヤーデージ表示があります。
100ヤード、150ヤードなどの看板であったり、植木だったり、あるいはフェアウェイのところどころにあるスプリンクラーヘッドにグリーンまでの距離が記されています。
このヤーデージ表示、グリーンのセンターまでの距離を示しているコースとグリーンエッジまでの距離を示しているコースがありますが、どちらのコースがゴルファーのためになるでしょうか?
手前から攻めるというのが、ゴルフの基本
正解はフロントエッジです。
少なくとも、世界中のプロゴルファーは、グリーンを狙う時は、必ずフロントエッジまでの距離を基準にして、そこからカップまでの距離を、さらにバックエッジまでの距離を考えて、クラブチョイスをしています。
そうすることによって、彼らは初めて球筋のイメージや距離感が出るのです。
たとえば、フロントエッジまでが150ヤード、エッジから10ヤードのところにカップが切ってあったとします。
グリーンの奥行きは30ヤードです。
この場合、プロゴルファーは、「150ヤード+10ヤード」という計算をします。そして、自分の飛距離(キャリー)と風やライ、そして球筋を総合して、たとえば、「8番アイアンでカット気味に打って、フロントエッジから5ヤードのところ(ボールから155ヤードの地点)にキャリーさせて止める」というような作戦を取ります。
間違ってもグリーンをオーバーさせるようなクラブだけは持ちません。
しかし、グリーンのセンターまでの表示に慣れているアマチュアゴルファーだと、「センターまで165ヤードで、ピンはマイナス5ヤードだな。ということはピンまで160ヤードだから6番アイアンでいいか」ということになります。
そして、ナイスショットであっても、ピンハイにキャリーさせて、結果としてグリーンオーバーさせてしまうのです。
グリーンの奥にはトラブルが待ち受けている
要するに、プロゴルファーは、グリーンをオーバーさせることをもっとも恐れているということです。
「ゴルフは手前から攻める」というのがセオリーだと言われるように、グリーンの奥というのは、たいてい厄介なライになっていること多いのです。
仮にグリーンの奥に止まったとしても、受けグリーンが多いので、今度は下りの難しいパッティングになってしまいます。
あなたも次のラウンドでは、フロントエッジまでの距離をチェックして、「ギリギリにキャリーするクラブ」をチョイスしてみてください。
仮にショートしても、アプローチショットはグリーンの奥や左右からよりもずっとやさしい寄せになるはずです。
それだけで2~3ストロークは違ってくるはずです。
キャリーの飛距離を把握しておく
フロントエッジまでの距離を意識する時の大前提になってくるのが、クラブごとの飛距離知っておくということです。
この場合の「飛距離」というのは、言うまでもなく「キャリーでの飛距離」なのですが、アマチュアゴルファーの大半は、「キャリーでの飛距離」をかなり過大評価しているのではないでしょうか。
ウェッジやショートアイアンならば、グリーンでボールがよく止まりますから、キャリーの飛距離を多めにみることは少ないですが、これがミドルアイアン、フェアウェイウッド、ドライバーになりますと、10~20ヤードは多めに見ている人がほとんどと言っていいでしょう。
たとえば、ドライバーショットの飛距離が220ヤードという平均的な男性アマチュアゴルファーの場合、キャリーの飛距離は200~210ヤードくらいだと思っている人が多いかと思いますが、実際は185~195ヤードくらいだと思ったほうがいいでしょう。
ボールが高いゴルファーでトータルの飛距離×0.9、低い人で×0.85というのが、ドライバーショットにおけるキャリーの方程式なのです。
フェアウェイウッドのショットについても、スプーン(3番ウッド)の飛距離が210ヤードというゴルファーで、キャリーは185ヤードくらい、クリーク(5番ウッド)で190ヤードならば、キャリーは165ヤードといったところでしょう。
だから、普段練習場でボールを打っている時には、ボールの落下地点をよくチェックして、クラブごとのキャリーを把握しておきましょう。
そうすれば、無理とわかっている池越えにチャレンジして池ポチャしたり、バンカーに入れたりするようなこともないでしょう。
ドライバーショットを林に打ち込んで、ボールを探している時、自分が探している場所から20~30ヤード手前で、同伴者に「ここにあるよ」などと言われることもなくなるはずです。
自分の飛距離に対して、サバを読み過ぎているのは、ゴルファーの習性なのかもしれませんが……。