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Nick Jagger

あなたは大丈夫?ゴルフ場でのサドンデス(突然死)3大要因

「サドンデス」といっても、プレーオフのことではありません。ゴルフ場での突然死のことです。

今年のような異常な暑さで亡くなる人もいれば、寒い真冬のコースで亡くなられる人もいます。

国内のゴルフコースでは、毎年平均で約200人近くの人が亡くなっているということ知っていますか?

その他にも、プレー中に気分が悪くなって帰宅後に倒れて亡くなった人や、死に至らなくても、プレー中に具合が悪くなりプレーを中断、救急車で病院に直行した人などを含めると、さらに、かなりの数にのぼることが推測されます。

ゴルフコースで死亡した数だけを見ても、ほかのスポーツでの突然死に比べ、段違いの多さです。

例えば、スキーやスノボでは年平均15人前後だそうです。

スキーやスノボに比べ、運動量も少なく、安全度も高いはずのゴルフのほうが、はるかに死者は多いのです。

3大要因その1 心筋梗塞

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現代人、特に働き盛りの中高年のビジネスマンは、働き過ぎによる過労や運動不足、ストレスなどが重なっているうえ、過食や美食、飲み過ぎになりがちです。

その結果、太り過ぎや高血圧など、成人病の危険因子を持っている人が、非常に多いのです。

ここで、ゴルフ場の突然死の原因になることが多い、冠動脈効果が引き起こす心筋梗塞、心不全、脳卒中について、説明しておきます。

心筋梗塞は、心臓を動かす筋肉(心筋)に血液を送る血管が詰まり、その部分だけ極端に細くなるため、そこから先に血液が流れなくなります。このため、心筋が回復不可能なほど壊れてしまうのです。

40歳以上の男性に起きることが多く、一度発病してしまうと、30パーセントの人が数日間のうちに死亡すると言われています。

また、発病したその日の内に亡くなる人が、死亡者のうち40パーセントとも言われる恐ろしい病気なのです。

心筋梗塞を起こした人の約3分の1は、前触れ症状が何もなく、突然発病しています。

また、3分の1ほどは、以前から狭心症(心臓に酸素を送っている冠動脈が動脈硬化などによって狭くなり、心臓の血の巡りが悪くなる病気。これがさらに進んで血がまったく巡らなくなると心筋梗塞になる)と診断されており、それが悪化した人です。

この場合は、心筋梗塞を発病する数週間ほど前に狭心症の症状があります。

狭心症の症状は、突然の胸痛が主なもので、しばらく安静にすれば回復しますが、症状がひどい時には顔色が真っ青になり、痛みが2、3回続いて起こったりするそうです。

この症状を無視して治療を受けずにいると、心筋梗塞に移行するわけです。

残りの3分の1ほどは、発作の時に初めて狭心症になり、そのまま心筋梗塞に時間をおかずに進行してしまったわけです。

要するに、狭心症の発作が心筋梗塞の前触れになるわけです。

発作を起こした人の中には、胸ではなく、胃の痛みや、ただ気分が悪いと訴えていた例も多く見られるそうです。

3大要因その2 急性心不全

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ゴルフ場の突然死の直接の原因は、急性の心不全です。

心不全では、心臓の収縮力が弱まるために体の各臓器や組織に必要な血液を送ることができなくなり、また、肺などの静脈で血液が滞り、うっ血状態に陥ります。

このため、呼吸困難が起こり、命を失う危険性があります。

ゴルフ場で心不全を起こし、突然死をした人は、原因の多くは急性心筋梗塞のようです。

心筋梗塞によって心筋が動かなくなり、心臓の収縮力が弱まるわけです。

要するに、心不全での死亡も、そのほとんどが心筋梗塞が元凶になっていると言えるのです。

例を紹介します。

Aさん(65歳)は、3番ホールのセカンドショットを打った瞬間、胸を押さえ込みながら倒れました。

同伴者が駆け寄ると、ゼエゼエと荒い息を吐き、かなり苦しそうにしています。

急いでクラブハウスに連絡し、救急車を呼びましたが、そのままフェアウェイでAさんは息を引き取りました。

心筋梗塞からきた急性心不全でした。

心不全も、呼吸困難が起きると、心筋梗塞と同じように、かなり苦しむそうです。

このため心不全と心筋梗塞の発作は、心臓病では苦痛の双璧とまで言われています。心筋梗塞の発作は、激しい胸痛が特徴です。

前胸部の中心を縦に走る胸骨の裏側が痛むことが多いようですが、みぞおち辺りが強く圧迫されるように感じたり、胸痛に加え、首や脇の辺り、背中などに痛みが響くこともあるようです。

また、冷や汗や呼吸困難、吐き気などを伴うこともあります。

狭心症の発作が10~15分程度なのに比べ、心筋梗塞では激しい痛みが30分以上、通常は1~2時間も続きます。

Bさん(42歳)は、14番ホールで気分が悪いと、腹部を押さえながら訴えました。仲間の勧めもあって、コース脇のベンチで休憩を取ることにしました。

しばらくすると、気分は良くなったのですが、念のため、そのままプレーを中止して近くの病院に行くことにしました。

診察を受けたところ、狭心症の発作だとわかりました。

もし、プレーを続けていたり、治療が遅れていれば、命が危うかったとそうです。

3大要因その3 脳卒中

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心疾患に続き、日本人の死因の第3位の病気です。

脳血管障害ともいい、脳出血や脳梗塞、くも膜下出血のことを指します。

脳出血は脳の血管が破れ、脳の中に出血する疾病で、意識障害や神経の麻痺などの重い症状が出ます。

意識障害が24時間以上続くと、危険な状態になります。

脳出血は高血圧の人ほどかかりやすいと言われています。

脳梗塞は、脳の血管が詰まり、血液がそこから先に流れなくなるために、脳の組織が破壊されてしまう疾病です。

詰まった血管の場所によって症状の程度は異なりますが、脳底動脈系の血管が詰まると、急激な意識低下や呼吸麻痺などが起こり、死に至ることがあります。

くも膜下出血は、くも膜と軟膜の間に出血する病気です。

急に激しい頭痛が起こり、約半数の人が意識を失います。

すぐに治療を受けなければ、血管の強い痙攣、収縮が起きて、意識障害や手足の麻痺を起こし、ひどいときには死亡することもあります。

これらの中で、ゴルフ場での突然死が多いのは脳梗塞です。

Cさん(65歳)は11月の肌寒い日に仲間とプレーを楽しんでいましたが、スコアが寒さのためかふるわず、焦っていました。

3番ホールのグリーン上、このパットを決めれば、仲間に追いつくと、息を殺しながらパッティングに集中しました。

ところが、ボールをヒットした瞬間、そのまま倒れ込んでしまい、息を引き取ったそうです。

脳梗塞でした。

要するに、ゴルフ場での突然死は、心臓や脳といった生命を維持するのに大切な器官へ血液を送る大切な動脈が詰まる、虚血性疾病と言われる疾病がほとんどなのです。

こういった疾病は、コレステロールなどによって埋まる動脈硬化が原因になります。

こうしたサドンデスを招く動脈硬化は、成人病になりやすい要素を持っている人、つまり中高年になるほど起こしやすくなります。

他人事のようにも思えますが、日本のゴルフ場では、毎年約200人前後のゴルファーが亡くなっているのです。

日頃から健康管理に気を配り、万が一ゴルフ場で体調が悪くなった場合は無理をせず、すぐに救急車を呼ぶなどの適切な対応を取れるように心がけておきましょう。