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Gridge編集部
わたしのゴルフ履歴書〜Vol.8〜オープンエイト髙松雄康社長
ゴルフを愛する経営者を直撃し、そのビジネスやゴルフライフをインタビューする不定期連載企画「わたしのゴルフ履歴書」。
第8回を迎える今回。前回答えてくださった青木社長から紹介バトンを渡されたのは、株式会社オープンエイトの髙松雄康社長です。
偶然にも8がらみ! オープンエイトさんは『ゼロから無限の可能性を切り開く』という想いを込めた社名だそうです。
一体どんなビジネスとゴルフの話が聞けるのでしょうか?
バトンをつないでくださったのは青木社長↓
目次
髙松雄康(タカマツユウコウ)さんはこんな人
株式会社オープンエイトは、独自のAI技術、データベース、配信技術による“OPEN 8 CORE TECHNOLOGY”をベースに、マーケティング事業・メディア事業・SaaS(※)事業を展開しているテクノロジーカンパニーです。
※SaaS(サース、Software as a Service):必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにしたソフトウェア(主にアプリケーションソフトウェア)もしくはその提供形態のこと(Wikipediaより)
身近なサービスとしては、「LeTRONC(ルトロン)」という“おでかけ動画マガジン”をウェブサイトとアプリで提供しています。
洗練されたオフィス、とても勢いのある会社のようです!
これからの動画はテレビのように視聴される
――本日はよろしくお願いします。まずは御社の事業について聞かせてください。
僕は96年に博報堂に入って大手自動車メーカーの営業を担当していました。2005年に転職して、「@cosme(アットコスメ)」を運営するアイスタイルに入り、上場を含めて約12年勤めました。
そして3年半前にオープンエイトを起業しました。
もともとはアイスタイルで、これからのマーケティング事業がどこに向かっていくのかプロジェクトとして研究していくなかで、間違いなく動画だなと思っていたところからスピンアウトして始まったような形です。
例えば「@cosme」や「食べログ」などインターネットでユーザーが多いサイトは、基本的に目的意識が強い人たちが検索して使うサービスが多かったんですよね。
どの化粧水を買おうかとか、今日はどのお店にしようかとか、そういう目的がないと見ないじゃないですか。
でも動画の世界っていうのはそういうのとまったく逆で、「目的がない人たち」へアプローチするものなんです。
これまでテレビが担ってきたその役割を動画が担っていく時代が来るだろうと、約3年半前にいち早くマーケティング活動をスタートしました。
全国各地に行ったような気分にさせる
現在の僕たちの事業はマーケティング・メディア・SaaSの3つです。それをテクノロジーで支えているという形です。
もともとは動画広告をメインにしたプラットフォーム事業で、テレビCMをやっている企業さんがうちのプラットフォームに広告を出稿しています。
ただ、それだと企業からの預かりもの(素材)を流すビジネスで、自分たちで作ることはないですよね。
本当に消費者やユーザーさんにアプローチするにはそれだけでは弱い。中身にこだわってコンテンツから作っていくことが大事だよねというので始めたのがメディアビジネスです。
2016年5月から「LeTRONC(ルトロン)」というサービスを開始しました。現在トータル800万人くらいに活用していただいている「おでかけ動画マガジン」です。
僕たちは情報番組と呼んでいるんですけど、主に20代・30代の女性を中心に、全国のレストランやお出かけスポット、ホテルなどを動画で紹介しているものです。
うちのコンテンツは日本ではまだ競合がおらず、国内最大です。
ハイクオリティな映像で、全国各地へ行ったような気持ちにさせる、そんな動画をこれまで9000本くらい作っていて、ストックされているんですよね(※2018年12月時点)。
ゴルフ動画も初心者向けのものを制作していますよ!
テクノロジーカンパニーとして
動画ビジネスで、お金をかけていいものを作っていくという戦略もあるんですけれども、やっぱりいかに効率的にクオリティーの高いものを生み出していくかって、僕たちベンチャーにはテクノロジーの部分がやはり重要だなと思っていて。
テクノロジーとAIを導入して、ストックされた9000本の動画を元データに、自動編集してパーソナライズされていくシステムを開発して去年発表させていただききました。
これからあらゆるものは動画などリッチコンテンツ化していくと思うんですよ。
動画を作ったり流したりしたいと思う人を増やすことが次のビジネスチャンスになるなと。
そこに先駆けて、AIで動画自動編集できるツールを外販できるようにしようということで始めたのがSaaSのビジネスです。
テキスト素材と静止画や動画を入れると、AIが自動で動画編集をサポートしてくれる「VIDEO BRAIN(ビデオブレイン)」というツールを開発して発表したのが昨年9月ですが、各方面で好評をいただいています。
ゴルフの話をしましょう
――それでは、ゴルフを始められたきっかけから教えていただけますか。
広告代理店にいて、先輩にやれって言われたんですけど、最初は全然面白いと思わなかった。コースデビュー戦はたぶん170くらいでしたよ。
でも負けたのが悔しくて。100を切るのに1年以上かかりましたけどね。
その当時はまだ若くてお金もないんで、栃木の山奥とか、河川敷とか、ナイターで夜な夜なラウンドとかしていました。
一度も習ったことがなかったんですよ。スクールとか行ったことなくて。
それで実は今、初めて習っているところなんです。先月から片山晋呉プロの妹の片山眞里さんという方にプライベートレッスンをお願いしていて。
初めてがラウンドレッスンだったんですけど、いきなり握り方を変えられて。「え、これで回るの!? 無理でしょ!」みたいなところから始めました(笑)。
今は練習場に行ったらずっと片手打ちをしています。左右100球ずつ打って、それから両手で振ると全然違って、打感がとても良くなってきました。
どうしても右手が強くて、どっかで調整して打っちゃってたんです。ドライバーは普通に270ヤードくらい飛ぶんですけど、引っかけていたんですよねぇ。
レッスンを受け始めてから、今はだいぶフラットに振れるようになってきて、それと併せて体幹のトレーニングも始めていい感じです。
レッスンやトレーニングやクラブフィッティングでゴルフ熱が高まっています
※写真はゴルフを楽しむ髙松社長
――全部変えられているんですね。ずっと我流でやってこられて、どうしてこのタイミングでレッスンに通おうと思われたんですか?
これ以上自力では伸びないと思ったんですよね。
スコアでいうと、一番良かったときに84くらいまで行ったタイミングでアキレス腱を切ってしまったんですよ。
それで80台がまったく出なくなって、90の前半から後半を行ったり来たりしていて。
つまらなくなってきちゃった時に、知人の紹介で倶楽部開場前の東京クラシックに出会って。
大雨の日に視察ラウンドをさせてもらったんですけど、それでもいいコースだと思いました。会員を600人限定で募集していたので、縁もあって入会してしまいました。
あそこのコース、めっちゃいいんですよ。どれだけコースに通っても飽きないコースを知りました。
ドライバーからウェッジまでPXGを愛用
当時はあんまりマテリアルに興味なかったんですよ。でもだんだん知識がついてきて。
ウェアとかはあまり買い換えないんですけど、クラブは何セットか持っちゃっていますね……今はPXGを使っています。
その前はエポン、その前はしばらくずっとタイトリスト。その前はヤマハでした。
最初にPXGを振った時は、あんまり打感しっくりきていなかったんですけど、確かに飛距離は出てるんですよね。5番アイアンで200ヤード弱くらいなので。
ーーちょっと待ってください、5番アイアンで200ヤードも飛ぶんですか?(笑)
そうですね、195〜200くらい飛びますね。でもPXGだからですよ。
前のクラブでは185ヤードくらいでしたから、やっぱり一番手伸びましたね。
ただ、今ピッチングウェッジが135ヤードくらい出ちゃうので、間が抜けちゃって困っていて。その下は52度なんですけど。
だから結構PXGを持っている人はみんな下に困っていますね(笑)。
パターの出会いがゴルフを変えた
でも一番良かったのはパターとの出会いかも。べノック(BENOCK)ってパターって知っていますか?
――出てくるクラブがすごいマニアックですね! 量販店では売っていないブランドですよ。
僕はすごくパターが苦手で、スコアが伸びないのは絶対パターのせいだって思っていたんです。
それでフィッティングに行ったら「打ち方が悪いというよりはパターが合っていない」という話になって。
パターをべノックにしてから、本当に変わってしまって。これがめちゃめちゃ入るんですよ!
「あ、ゴルフが変わるな」って思ったんです。それからアイアンだ、ドライバーだって変えていくようになって。
べノックを持っていたら、おっしゃる通り「すごいマニアックなの使っているね」とか言われる機会も多くて、そういうことを言ってもらえるのもうれしくなるし。
それでゴルフ仲間の使っているクラブも気になり出して、影響しあっています。
仲のいいゴルフ仲間がみんな上手くなっていくのを見て「誰に習っているの?」って聞いて、そのコーチを紹介してもらったのが先月という感じです。
――じゃあこれからもっと面白くなっていくかもしれないですね。
そうですね。今が一番面白いですね。あぁこうやって打つんだ、とか、こうやってクラブを上げるんだとか。今まで独自過ぎましたね。
スポーツが盛り上がるにはスター選手の存在が大きい
――社長が考えるゴルフ業界を盛り上げる秘策があったら聞かせてください。
秘策ではないんですが、一番はスター選手の活躍だと思います。
卓球もテニスも、今こんなに盛り上がってるのは日本が強いから。スポーツを根付かせるには子供時代から親しんでもらうしか、裾野を広げる方法はないと思っています。
要は「子供達のやりたいスポーツになるかどうか」だと思うんですよね、秘策って。
そうすると、子供達が超憧れのスーパースターみたいな選手や、かっこいいと思える選手が出てこないと難しいなと思っていて。
やっぱりタイガー・ウッズが出てきた時ってすごくゴルフ人口が増えたと思うんです。
だってゴルフをやってない人でもタイガーを知ってる。バスケのマイケル・ジョーダンもそういう存在だったと思うんですけど。
それくらい子供達の憧れのスポーツにしない限りは、どんな策を打ってもしょうがないのかなって思いますね。
インタビュー後記
ゴルフに対する情熱を間近で聞くことができ、とても楽しいインタビューでした。
パターからゴルフが変わったという髙松社長。
しかし、業界全体としてはクラブやアパレルなどが進化したり種類が豊富になったりしても、一人のスター選手の活躍には敵わないという、もと広告マンらしい現実的な見解も印象的でした。
これからのIT企業のあり方やメディアの未来の話を伺い、とても勉強になりました!
(小並感)
プロフィール
【ゴルフ歴】23年
【ベストスコア】84
【クラブセッティング】※2018年12月現在
1W〜ウェッジ:PXG
PT:べノック
【愛用ブランド】マークアンドロナ
髙松雄康(たかまつゆうこう)プロフィール
1996年博報堂入社。主に大手自動車メーカーのキャンペーン全般を担当。2005年より、日本最大級の化粧品クチコミサイト@cosme を運営するアイスタイルで取締役兼COO(最高執行責任者)、CMO(最高マーケティング執行責任者)などを歴任。また、関連事業を運営するコスメコム、コスメネクスト、アイスタイルグローバル(シンガポール)のCEOとして国内外の化粧品関連事業を統括し2012年に東京証券取引所1部に上場。
2015年4月オープンエイト創業。
https://open8.com/company/member/