ゴルフクラブ
ファルコンまつばら
7番アイアンは打てるけれど、5番アイアンが打てない理由
読者の多くの方が7番アイアンや8番アイアンは問題なく打てるけれど、5番アイアンが右に行ったり、ピッチングウェッジ(PW)が引っかかるといったことがあるとおMOIます。
今回は物理的な視点からその理由を探っていきましょう(^^
スイングでも構造のせいでもありません。
多くの皆さんがロングアイアンが打てないことであったり、ショートアイアンで引っかけることをご自身のスイングのせいにします。
中にはゴルフショップや工房でさえもスイングのせいにするところもあるようです。
でも、少し考えてみればお分かりになるとおMOIますが、7番アイアンや8番アイアンはキチンと打てていて、飛距離も相応の距離が出ているのであれば、ロングアイアンが打てなかったりショートアイアンで引っかけるのはスイングのせいではありません。
また、よくWebなどでは「ロングアイアンは構造上右に行きやすい」とか「ショートアイアンは構造上引っかける」と言いますが、実はそれも間違いです。
同じシャフト、同じシリーズのヘッド、同じグリップでアイアンセットはできています。
ロフトや長さの違いはあっても基本的な構造としては一緒なのですから、“構造上”右に行ったり左に行ったりすることは有り得ませんからご注意ください。
得意番手と同じように・・・
皆さんは
「得意番手と同じように振ればどの番手も同じような球筋になるはず。得意番手と同じような球筋にならないのは同じように振れていないから」
と考えて日々練習したりラウンドしたりしているとおMOIます。
これってごく普通のことのように思えるのですが、実は物理的に不可能なんです。
物理的に不可能なことをいくら頑張ってもできるはずもありませんよね?
スイング時にはクラブMOIが働く
ロングアイアンであれ、ショートアイアンであれ、スイングするときにはクラブMOI(クラブ慣性モーメント)という力学的な抵抗がかかります。
この抵抗が一定であれば問題はないのですが、残念ながらほとんどのクラブのクラブMOIは一定ではありません。
抵抗が一定ではないということは、極論するとトラックのタイヤと自転車のタイヤを回したり止めたりするようなものです。
自転車のタイヤを回すのと同じチカラでトラックのタイヤを回そうとしたら、ゆっくりとしか回りませんし、回すことすらできないかも。
もちろんゴルフクラブの場合、トラックと自転車ほどの違いはありませんが、同じクラブセットでも実際に計測をするとかなりの差があることが分かります。
このことから「同じように振れば同じような球筋になる」ということは物理的に不可能なこととなります。
意識してか無意識か・・・
難しそうな見出しですが、ファルコン自身も法学部法律学科出身の根っからの文系人間ですからご安心を(^^;;
グラフは、岩崎誠プロのパターを除く13本のクラブMOIをグラフにしたものです。
グラフも出てきましたが、数字や計算式での説明はしませんので(^^
プロのクラブと言えども、グラフのようにクラブMOIは一定ではなく、長いクラブになるに連れてクラブMOIが高くなります。
プロや上級者のようにどのクラブで打っても距離や高さの違いだけで球筋はあまり変わらないと言うゴルファーもいます。
そうした人でも物理の法則には逆らえません。
すなわち、意識しているか意識していないかに関わらず違うクラブMOIに合わせて振り方を変えて打たなければいけないんです。
グラフのように5番アイアンではクラブMOIが高く、9番アイアンではクラブMOIは低い。
言い換えると、5番アイアンではスイングする時にかかってくる抵抗が強く=トラックのタイヤ、9番アイアンでは抵抗が弱い=自転車のタイヤということになります。
トラックと自転車
このように物理的に大きな抵抗=トラックのタイヤも、物理的に小さな抵抗=自転車のタイヤも混在しているのがスイングバランスで作られたクラブセットです。
クラブMOI=抵抗が違うのですから、番手ごとに練習をしてその抵抗を身体に覚え込ませてやる必要がありますし、身体が覚え切らない場合は振り遅れたり振りすぎたりすることになります。
この抵抗=クラブMOIを得意番手と同じにすることができたら・・・。
ロングアイアンもショートアイアンも同じ振り方=力感で振ることが出来ることになり、結果振り遅れも振り過ぎもなくなります。
そうなると球の当たり方も同じようになりますから、どの番手も得意番手と同じ振り方で同じような球筋になるんです。
スイングの力感自体が一つで済むようになりますからゴルフは劇的にシンプルになります。
そしてそのことを物理的に可能にする唯一の手段がクラブMOIマッチングだと言うことになります(^^