ゴルフクラブ
ロマン派ゴルフ作家の篠原
新・貧打爆裂レポート『スリクソン ZX4 アイアン』
今回の貧打爆裂レポートは、2021年3月20日に発売されたダンロップ『スリクソン ZX4 アイアン』です。
いつものようにコースに持ち込んで、ラウンドしました。スリクソンの新しいアイアンの秘密に迫ります! 動画も含めての試打レポートです。
スリクソンであることをこだわった中空アイアンが『ZX4』だ!
『スリクソン ZX4 アイアン』は、ダンロップが2021年3月20日に発売したクラブです。
“高初速、高弾道で脅威の飛び。「MAINFRAME」とシャープなフォルムに寛容性をもったぶっ飛びスリクソン ZX4 アイアン誕生。”が『スリクソン ZX4 アイアン』のコピーです。
【試打クラブスペック】
ヘッド素材 SUS431+タングステンニッケルウェイト(#4~#7のみ)
フェース素材 HT1770M
シャフト N.S.PRO 950GH neo(S)
ロフト #5/23度、#6/25.5度、#7/28.5度、#8/33度、#9/38度、PW/43度
価格(税込) 6本組(#5~PW) 14万5200円
『スリクソン ZX4 アイアン』は、『スリクソン ZX5 アイアン』と『スリクソン ZX7 アイアン』のラインアップに追加されるクラブです。
『スリクソン ZX4 アイアン』の最大の特徴は、「MAINFRAME」です。
フェース周辺に配置した「スピードグルーブ」と打点分布に合わせた「最適フェース肉厚分布設計」が、フェースをたわませて、初速をアップさせます。
中空構造により反発性能をアップさせて、フェース全面の反発エリアを拡大させました。
そして、ソールを広めに設計し、トウ側に高比重タングステンニッケルウェイトを搭載して、低く深い重心を実現しました。
『スリクソン ZX5 アイアン』や『スリクソン ZX7 アイアン』と組み合わせての使用も考慮して、『スリクソン ZX4 アイアン』は、スリクソンらしいフォルムにこだわりました。
トップラインからリーディングエッジへのつながりをシャープにして、構えやすい形状に仕上げました。
「番手別溝設計」で最適なスピンを生み出し、「新・TOUR V.T. SOLE」があらゆるライでの抜けの良さを実現します。
『スリクソン ZX4 アイアン』は、スリクソンの中空アイアンです。
個人的に、中空構造のマッスルバックみたいなアイアンは、近い将来、アイアンの1つの分野になると確信しています。そういう意味でも、『スリクソン ZX4 アイアン』は、期待をさせるアイアンです。
『スリクソン ZX4』は、距離感を打ち分ける面白さを楽しめるアイアン!
動画を見てください。
『スリクソン ZX4 アイアン』で、最初に感じたのは、ヘッドが小さく見えることでした。
実際には、ヘッド長もしっかりとあるのですが、シャープな曲線とラインが締まって見せるのです。
アドレスした段階で、構えやすく、欲しくなるアイアンです。
打ってみると、打音は不思議な感じがしました。
音量はちょうど良いのですけれど、フェースのどこに当たるかで、音質が細かく変わるのです。
スイープに(掃くように)打つと、高音で残響が少ない打音。打ち込むと湿って残響がある音質になります。これが動画でもわかりやすく撮れていますので、確認してください。
飛距離は、ロフト通りです。コピーでは「ぶっ飛び」という言葉が使われていますが、飛び系のアイアンであって、ぶっ飛び系のアイアンの飛距離ではありません。
クラシカルなアイアンのロフトに比べると1番手から1.5番手アップで、ショートアイアンほど大人しくなります。
『スリクソン ZX4 アイアン』は、高低の打ち分けができます。それに伴って、微妙な飛距離の打ち分けもできるのです。これは強烈なプラスポイントです。
やさしさと逆に感じるゴルファーも多いと思いますが、敏感に距離感に反応するアイアンは、市場では貴重です。使いこなす腕があれば、マッスルバックのように距離を打ち分けられます。
それでいて、中空構造のヘッドのやさしさも持っています。
普通に打てば、中弾道のボールが出ます。
スピン性能はツアーアイアンとしては合格ラインです。強烈なスピンはかかりませんが、しっかりとスピンは効きます。
中空構造のテクノロジーに助けられながら弾道を操りたいゴルファーに『スリクソン ZX4 アイアン』はオススメです。パワーがあり過ぎて、ボールが吹き上がってしまうゴルファーにもオススメします。
ただし、中空アイアンだからとなめてかかると後悔するアイアンでもあります。
芯を外しても飛距離のロスは最小限で済みますが、スピンなどのボールの性能は活かし切れなくなるのです。ちゃんと打てなければ、スコアアップにつながらないのです。
『スリクソン ZX4 アイアン』には、フェースのどこに当てれば、狙った通りの結果が出るかを考えながらプレーする楽しみがあります。
実は、個人的に一番感心したのは、ソールでした。厚過ぎるソールは、しっかりと打てるゴルファーにとっては、邪魔になったりするケースもあるのです。
『スリクソン ZX4 アイアン』のソールは、かなり厚みがあるので、邪魔になる可能性を考えてしまいました。
しかし、芝生の上で打ってみれば、ソールの機能は広めであることではなく、細かい部分で通な機能をするのです。とにかく、きれいに抜けるのです。
スイープに打つことを前提に設計されていますが、打ち込んだり、悪いライからでも打つことが可能です。
コースで使用していて、ソールが気分良く機能するのが快感でした。
『スリクソン ZX4 アイアン』は、僕が提唱している中空マッスルアイアンとしては中途半端だと感じるゴルファーもいると思います。もっとやさしく打てるようになっていたり、もっと飛距離性能に特化しているアイアンもあるからです。
善し悪しではなく、スリクソンらしいということなのです。スリクソンが優先するテーマで作られたのが『スリクソン ZX4 アイアン』です。
アイアンの飛距離性能には、飛ばすだけではなく、狙い通りに飛距離を打ち分ける部分があります。
『スリクソン ZX4 アイアン』は、その部分を強化したアイアンです。
アイアンの距離感に悩むというのは、かなりのハイレベルなゴルフです。そういうゴルファーに打ってほしいアイアンです。