ゴルフクラブ
ロマン派ゴルフ作家の篠原
新・貧打爆裂レポート『キング スーパースポーツ-35 パター』
今回の貧打爆裂レポートは、2020年12月4日に発売されたコブラ『キング スーパースポーツ-35 パター』です。
いつものようにコースに持ち込んで、ラウンドしました。コブラが久しぶりに発売するパターの秘密に迫ります!
動画も含めての試打レポートです。
『キング スーパースポーツ-35 パター』の芯は恐ろしいほど広い!
『キング スーパースポーツ-35 パター』は、コブラが2020年12月4日に発売したパターです。
コブラ史上初の3Dプリントゴルフクラブになります。
ネックや外枠は削り出しで作り、フェースは「SIKフェーステクノロジー」を採用しています。
3Dプリンターで作られたのは、ボディの内側の複雑な格子構造のパーツです。これにより、重量配分を最適化して、最大の慣性モーメントを実現しています。
『キング スーパースポーツ パター』は、安定した転がりを実現するために作られました。
【試打クラブスペック】
ヘッド 316ステンレス
フェース アルミニウム
シャフト KBS FST スチール
ロフト 1度~4度の4段階構造
ライ角 70度
長さ 34インチ
価格(税別) 5万円
『キング スーパースポーツ-35 パター』のテクノロジーをもう少し詳細に説明します。
まず、手に取ってわかることなのですが、かなり重いパターです。
その最大の理由は、シャフトが125グラムあり、グリップも99グラムあることです。
手に取ると重いのですが、構えてストロークすると、扱いやすいのです。いわゆる手元が重くなっているカウンターバランスになっています。
格子状になった部分は、最初は樹脂だと思っていましたが、よく見てみると、金属です。
パーツごとに精密に作ったものを、熱して焼結させているそうです。そういう製法は、なかなかないので、面白いです。
フェースは、上下に、4つの面があります。一番下が1度、二段目が2度、三段目が3度、4段目が4度とロフト角が違うのです。
1度ずつなので、知らないとわかりませんが、コレも面白いです。
さて、『キング スーパースポーツ-35 パター』は、中身の説明を通り越しても、わかりやすいのです。
シャフトを持って、フェースにボールをコンコンとぶつけながら、変な振動がない澄んだ感触になるフェースの芯を探ると……フェースの中央の半分ぐらいは、すべて芯なのです。
こんなパターは見たことがありません。何度も何度も、確認してしまいました。
ピン型で、フェースがやや長めな単純に見えるパターですが、『キング スーパースポーツ-35 パター』は特別な感じがする不思議なパターです。
『キング スーパースポーツ-35 パター』はバカ正直なパターである!
動画を見てください。
『キング スーパースポーツ-35 パター』は、パッと見た目が微妙です。ガレージで素人が作ったように単純に見えるからです。
しかし、よく観察すると、細部にわたってゴルファーのことを考えてある本当に感心できるパターです。
個人的に一番興味があったのは、フェースの4段階のロフトです。これは良いです。他のパターでも採用してほしいと思いました。
『キング スーパースポーツ-35 パター』は、無骨なパターです。
アドレスビューでは、凹凸をできるだけ見せないようになっていて、ブレードに集中しやすいです。
打ってみても、未体験の芯の広さは健在で、不思議な感覚に少し戸惑います。澄んでいるパターでは敏感なことの多い芯に当たった感覚が、このパターは澄んだ芯感があるのに、悪い意味ではなく良い意味で鈍感なのです。
『キング スーパースポーツ-35 パター』の打音はおとなしめです。澄んだ芯感とはちょっと違う打音ですが、この辺りは好きか嫌いかという範疇です。
『キング スーパースポーツ-35 パター』は、狙い通りに構えてストロークすると、バカ正直な転がりになります。
わかりやすく書くと、ストロークの強弱と距離感がリンクしやすいのです。
打音が静かで、タッチが合わせやすいパターが欲しいゴルファーに『キング スーパースポーツ-35 パター』はオススメです。
芯が広いパターが欲しいというゴルファーにも『キング スーパースポーツ-35 パター』はオススメです。
しっかりと加速したストロークでパットを打てるゴルファーに、この手のパターは合うことが多いことも書いておきます。
『キング スーパースポーツ-35 パター』は、面白いパターです。
やや高額なパターですが、それに相応しい武器になる可能性が高いクラブです。
とにかく広い芯は、一度は経験するべきです。それだけでも、『キング スーパースポーツ-35 パター』の面白さはわかると思います。