ゴルフクラブ
Nick Jagger
フェアウェイウッド、ユーティリティ、アイアンの使い分け、できてますか?
セカンドショットやサードショットで必ず使うのがフェアウェイウッド、ユーティリティ、アイアンですが、これらのクラブをしっかり使い分けているアベレージゴルファーは少ないでしょう。
飛距離を大きく稼ぎたいという時はフェアウェイウッド、打ちにくい時はアイアンを使う、これくらいのスミワケがせいぜいだと思われます。
ロフトや飛距離がほぼ同じでも、キャラクターの違うクラブが用意されているのは、その必要があるからです。
それぞれの特性を知り、適材適所で起用すれば、グリーンまでの打数を短縮できるのです。
コントロール重視であれば、アイアンを使う
まずはアイアンですが、近年ではクラブセッティングが変わり、かつてロングアイアンと呼ばれた3番、あるいは4番アイアンという番手をキャディバッグに入れているアマチュアゴルファーは極めて少なくなりました。
なのでここでは5~7番アイアンを想定して話を進めることにします。
まず、アイアンがフェアウェイウッドやユーティリティと違うのは、ダウンブローでボールをとらえるのが基本であるということです。
ボールの手前からソールを滑らせて打つのではなく、やや上めからクラブヘッドを入れてクリーンに打ち抜き、スピンをかけるのが本来の打ち方です。
このため、3つのクラブの中では明らかに距離感が出しやすく、方向性も優れています。
サードショットに決めた距離を残したり、池やバンカーといったハザードを避けたりするなど、ミスが許されない状況であれば、アイアンを使うのがベストです。
コントロール重視でコースマネジメントする場合に向いているクラブと言えます。
ただ、クラブの長さと重さの関係で、番手が上がるほど扱いが難しくなるので、アイアンを持った時には、距離を稼ぐことは考えないほうがいいでしょう。
ショートウッドは長いパー3に向いている
飛距離という点を考えたら、その威力を一番発揮するのがフェアウェイウッドです。
その広いソールを滑らせるイメージで、ボールに対してクラブヘッドを鈍角気味に入れます。
インパクトを点ではなく、ゾーンにすることによって、その機能を最大限に発揮できるというわけです。
一番飛距離を稼げる3番ウッド(スプーン)を打ちこなすのは、アベレージクラスのゴルファーには難しいですが、7番以下のいわゆるショートウッドであれば、アマチュアゴルファーの大きな武器となります。
フェアウェイや浅いラフなどという比較的良いライである状況から打つのが前提になりますが、ボールが上がりやすく、飛距離も稼ぐことができます。
ボールが上がりやすい分だけ、ランは少なくなりますから、計算以上にボールが転がってしまう危険を考えれば、かえって安全なクラブと言えるでしょう。
広いパー5のセカンドショットなど、ワイドオープンなシチュエーションのほかにも、ショートウッドに関しては、長いパー3のホールでのティーショットにも使いやすいクラブです。
直進性が高い、強い弾道が出るユーティリティ
アイアンとフェアウェイウッドの中間に位置しているのが、「ハイブリッド」とも呼ばれるユーティリティクラブです。
よくレッスン書では、アイアンショットのイメージで打ちなさい、とかフェアウェイウッドのイメージで打ちなさいとか言われていますが、どちらのイメージでも打てるクラブですので、ダウンブローでもレベルブローでも、自分の打ちやすい打ち方で構わないのではないでしょうか。
ユーティリティは番手やシャフトの長さにもよりますが、全般的にはショートウッドよりもボールは上がらないものの、直進性が高く、強い弾道のボールが打てるクラブです。
例えば、風がアゲインストという状況下で、ショートウッドかユーティリティというクラブ選びに悩んだ時には、迷わずユーティリティを選んだほうがいいでしょう。
また、このクラブはミート率が高いというのも特徴で、コントロール性能はフェアウェイウッドよりも優れています。
距離のあるセカンドショットでグリーンを狙ったり、池やバンカーといったハザードをかわして、ボールの落とし場所に決めたエリアに運んだりする場合に便利なクラブです。
ラフの対応能力も高いクラブで、芝の密集度によって変わりますが、ボールが半分くらい埋まっている程度のライであれば、十分打ちこなせるクラブです。
また、ユーティリティはクラブヘッドも小ぶりなモデルがほとんどですので、クラブの抜けがいいというのも特徴です。
ただし、強いボールが出る分だけ、グリーン上では止まりづらいということも覚えておきましょう。
タイガー・ウッズや石川遼などは、トーナメントコースによってフェアウェイウッドとアイアンを使い分けています。
また、片山晋呉や最近の多くの女子プロのように、どんなコースであっても常にショートウッドを多用するタイプもいます。
だからといって、アマチュアゴルファーはプロのように頻繁にクラブを替えられません。
クラブの特性とプレースタイル、さらにはライへの対応力を参考にして、3種類のクラブを使い分けましょう。