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ゴルフクラブ

ロマン派ゴルフ作家の篠原

新・貧打爆裂レポート『APEX アイアン』

今回の貧打爆裂レポートは、2019年2月8日にキャロウェイから発売された『APEX アイアン』です。

いつものようにコースに持ち込んで、ラウンドしました。

頂点という意味の『APEX』というアイアンは本当に最先端なのか? 動画も含めてレポートします。

伝統に酔って最新に痺れるのが『APEX アイアン』!

『APEX アイアン』は、キャロウェイの『APEX』ブランドで二つあるアイアンの一般向けのほうのアイアンです。

もう一つは、『APEX PRO アイアン』で、ツアープレーヤーを始め、上級者をターゲットにした最上位モデルです。

こういう形で二つのアイアンがあるのには理由があります。

プロや上級者向けのものが先行して開発されるも、本格的過ぎて、一般向けには受け入れられないのでやさしいバージョンを作るというケースが多いのですが、ごく稀に、搭載したい新しい機能を入れるためにテストした一般的なモデルが先にあって、プロや上級者向けはブラッシュアップして追加バージョン的に制作されたということもあります。

推測ですが、『APEX アイアン』は後者だと思うのです。

キャロウェイは、見た目というか、仕上げが上手いメーカーです。現在のクラブのシェイプや細かい仕上げは、系譜をたどればキャロウェイに行き着くということがいくつもあります。

『APEX アイアン』を最初に見たときに、ちょっと衝撃を受けました。実に美しいアイアンだったからです。

そして、何よりも、マッスルバックアイアンのようなヘッドの小ささが衝撃的でした。

小さな世界だからこそ存在する凝縮された機能美があったのです。

『APEX アイアン』は、ウッド系でキャロウェイのお家芸であるカップフェース構造を取り入れています。

バックフェースを見るとセミキャビティみたいですが、実際は中空構造なのです。

ミスヒットに強くするためだけではなく、フェースの反発を最適化することが、このテクノロジーの最大の特徴になっています。

吸収剤を入れたり、ネック部分の素材を軟鉄鍛造にして、打感に徹底的にこだわったそうです。

『APEX アイアン』は、構えるシーンでは伝統をゴルファーに伝えて心を刺激します。実際に打つと、最新のテクノロジーでゴルファーをリアルに助けるというわけです。

『APEX アイアン』は打つ前に満腹になってしまうほど、盛りだくさんで、ワクワクと期待させるアイアンです。

自分が上達したと思わせる『APEX アイアン』はすべてが本格的だ!

動画を見てください。

コースで2.5ラウンドも使ってしまいました。『APEX アイアン』は想像を遥かに上回った素晴らしいアイアンです。

まず、打感ですが、カチッとした単音で、適度な高音です。音質に関しては好き嫌いの範疇ですが、個人的には好感触でした。

打ち応えは柔らかいのですが、しっかりもしています。芯に当たったときの抜ける感じも、けっこう敏感に感じます。

打音と打ち応えが一致しないので、最初は戸惑うゴルファーが多いかもしれません。

7番アイアンのロフトは30.5度で、特別に立っているわけではないのです。

『APEX アイアン』の一番の特徴となりますが、明らかに飛びます。30.5度の7番アイアンで試打したものの中で、今までで最も飛距離が出ました。

初速感はありますけど、それ以上に、打ち出しの高さがあります。ボールは高弾道なのに、飛距離も出るのです。

ワクワクしながら、コースで打ちました。

ヘッドが小さいので、抜けも最高です。また、打ち込んでもしっかりとソールが跳ねます。

ラフや少しライが悪いときなどに、安心して打てるレベルの抜けの良さです。

ショートアイアンのスピン性能はお見事です。

弾道や飛距離からボールが転がるイメージがあるのですが、スピンはしっかりかかります。

『APEX アイアン』は、ボールのコントロールでは、ちょっと個性的な面がありました。

少しボールをとらえる動きがありますが、ややドローや、ややフェードは、狙い通りというより結果オーライ的な感じなります。カップフェースの影響なのか、ボールを曲げることに対して鈍感なのです。

それでいて、大きなドローやフェードには急に反応が良くなります。

コントロール性能として、この部分は面白いですし、機能だととらえても良いと思いましたが、注意したいのは、引っかけて出た球が、さらにドローしてしまうというボールが出ることがあるということです。

コントロール性能が良いアイアンでは、往々にしてこの手のミスショットが弱点になることがありますので『APEX アイアン』だけの話ではありません。

『APEX アイアン』は、どちらかというとドロー打ちのゴルファーにオススメです。また、小さいヘッドが好きなゴルファーにもオススメです。

マッスルバックのアイアンを使っていて、飛距離不足に悩んでいるゴルファーには最大にオススメします。

伝統的なロフトのアイアンと比較すると、高さも含めた弾道はそのままに、飛距離だけ1番手半ぐらい飛びます(ミドルアイアンの場合)。

『APEX アイアン』は、本格的なアイアンを欲するゴルファーを満足させて、最先端のテクノロジーで足りない部分を補ってくれます。

若いゴルファーもこういうアイアンでゴルフの基礎を鍛えれば良いと思いますが、本音を書くと、オールドゴルファーだけの秘密として『APEX アイアン』の良さを味わうべきだと考えてしまいました。

『APEX アイアン』は、一見しただけではわからない魅力が詰まったアイアンです。ぜひ、打ってみてほしいアイアンなのです。