ゴルフクラブ
ロマン派ゴルフ作家の篠原
新・貧打爆裂レポート『TS1 ドライバー』
今回の新・貧打爆裂レポートは、2019年7月5日発売のタイトリスト『TS1 ドライバー』です。
いつものようにコースに持ち込んで打ち込んできました。『TS2』と『TS3』の追加バージョンは、超軽量化して飛距離アップできているのか? 動画も含めてレポートします。
270グラムでぶっ飛ばすのがTS1
今回試打した『TS1 ドライバー』は、タイトリストが2019年7月5日に発売した『TS2』『TS3』の追加機種です。
270グラム前後の総重量で(シャフトのフレックスによって少し違う)、ヘッドスピードを上げるというのがメインのテクノロジーです。
日本で最も売れている『XXIO X(ゼクシオ テン)』の総重量もほぼ同じ270グラムです。
その例だけではなく、総重量を軽くすることで、ヘッドスピードを上げるというテクノロジーそのものは、決して新しくはありません。
ただ、タイトリストは『VG3』という日本市場用のブランドのドライバーで、総重量を軽くして、ヘッドのクラウンの重量を減らすことで、ヘッドスピードをアップさせて飛距離アップさせるドライバーを発表して、多くのゴルファーを歓喜させた実績があります。
期待は高まります。
『TS2』と『TS3』で、フェースの反発で初速を上げるハウツーがあることをタイトリストは証明しています。
『TS1 ドライバー』でもそのハウツーは使われるはずですから、ますます飛びそうです。
試打したスペックは、ロフトが10.5度。シャフトは「Diamana 50」のSフレックスです。
期待満々でコースに持ち込みました。
強い弾道で飛ぶのは当たり前で直進性能の高さがすごい
動画を見てください。
『TS1 ドライバー』は、トップレベルに飛びます。
高弾道の棒球です。ドーンと飛んで、落ちるのがゆっくり見える感じです。
打音は、しっかりとした音量ですが、あまり高音ではありません。好みの問題ですが、柔らかく感じる効果はあります。個人的には、余計な力が入らない感じで好きです。
『TS1 ドライバー』は、初速が速い感じはあまりしないのですけど、ボールの所まで行くと飛んでいるのです。
ヘッドスピード40メートル/秒の僕でも、最も飛んだホールで230ヤードまで行きました。
平均でも220ヤード弱という感じでした。
『TS1 ドライバー』は、ボールをとらえるという意味ではやさしいドライバーです。やや軽いドローで放たれたハイボールの飛距離は魅力があります。
ただ、ちょっと面白いのは、弾道に敏感なドライバーでもあることです。
ドローも敏感に反応して打てますが、フェードも打てます。つまり、オートマチックな感じではなく、打ち手の技術が出るという傾向は感じました。
『TS1 ドライバー』はフォルムも研究されていて、右に打ち出したくなる感じになっています。
右に打ち出して、ドローで戻ってくる弾道が打ちやすく、一番飛距離も出ました。そういう弾道を打ちたいゴルファーにオススメです。
また、かつてはパワーも、テクニックもあったけれど、今は非力になってきたという自覚があるオールドゴルファーにもオススメです。
『TS1 ドライバー』は、軽さを感じさせないしっかりとした感覚があります。頼りなくはなく、しっかりと振っていかないと機能が出ないように感じました。
総重量が軽いと振りづらいドライバーも過去には存在しましたが、『TS1 ドライバー』は本当に気持ち良くスイングすることができるのです。
これはかなりのプラスポイントだと思いました。
『TS1 ドライバー』は、本格的なゴルフができるゴルファーを満足させる要素が詰め込まれたドライバーです。
ソールを見ても、何ら目立つものがないのは、そのコンセプトの証です。最先端でありながら、熟成していることも感じさせる不思議なドライバーです。
「一般的なゴルファーが使う用具は使いたくないのだ」という気分のゴルファーには、ぜひ使ってほしいと思います。