Gride

ゴルフクラブ

ロマン派ゴルフ作家の篠原

新・貧打爆裂レポート『KING F9 ハイブリッド』

今回の貧打爆裂レポートは、2019年3月にコブラが発売した『KING F9 ハイブリッド』です。

いつものようにコースに持ち込んで、ラウンドしました。ツアーモデルのユーティリティの実力は? 動画も含めてレポートします。

米国では評価が高いコブラの最新のハイブリッドを知ろう!

『KING F9 ハイブリッド』は、コブラが2019年3月に発売したハイブリッドです。

ハイブリッドは欧米での名称で、日本市場ではユーティリティのことです。

アイアン型か、ウッド型かで「ハイブリッド」と「ユーティリティ」を分類すると説明する文献もありますが、それは間違いで、基本的には同じものです。

『KING F9 ハイブリッド』で目立つ特徴は、ソールに配置された「バフラーレール」です。

下駄のような形状のレールが目標方向と平行に2本並んでいます。

20世紀末にも一時流行したソールで、抜けが良くなるという効果と、重心を下げる効果があります。

新しいテクノロジーではないところが面白そうです。

日本市場ではあまり評価されていませんが、コブラのハイブリッドは、アメリカ市場ではボールが上がりやすく、飛距離も出るクラブということで評価を得てきました。

『KING F9 ハイブリッド』は、ツアーモデルの流れで設計されたクラブです。

難しくなったと考える人もいます。確かに、構えたときにストレートに見えますし、ボールをとらえやすく見える要素が少ないので、それは正しい部分もあります。

試打した『KING F9 ハイブリッド』は、ロフト19度の3番とロフト21度の4番です。

シャフトは標準の「Speeder Evolution for Cobra」で、3番はSフレックス、4番はSRフレックスでした。

Sフレックスは、一見、柔らかく、あまり経験がないしなり方をします。SRは、しなりが強くて、柔らか過ぎるかもしれないと心配しましたが、どちらも振ってみると不安が消えるほどしっかりしていました。

飛ぶことは最大の機能といえる

動画を見てください。

『KING F9 ハイブリッド』は、飛びます。

ユーティリティは、飛距離を優先している攻撃的なモデルとやさしいロングアイアンとしてボールの上がりやすさを優先しているモデルに分かれます。

『KING F9 ハイブリッド』は前者です。

特に3番は飛距離が出ます。ミスヒットにも強く、ボールの高さも申し分ありません。

打音はやや小さめで、中音の音質ですが、小気味の良い単音です。玄人好みのチューニングです。

打ち応えもアイアンを打っているようなソリッド感があります。この感覚は、ほかのメーカーではあまりないので、珍しいです。個人的にはかなり気に入りました。

ヘッドスピード40メートル/秒の僕でも3番で最高で205ヤード、平均でも185ヤードを打つことができました。

これはユーティリティとして、驚異的な飛距離性能といえます。

『KING F9 ハイブリッド』は、冒頭に書いたようにツアーモデルの流れをくむクラブですから、安易にやさしいと考えるのは危険です。

ボールの高さは出ますが、過剰ではありません。ドローは打ちやすい傾向がありますが、フェードは少し抜け気味のボールを警戒する必要があります。

つまり、『KING F9 ハイブリッド』は敏感に弾道を操れる面白さがあるのです。

もちろん、オートマチックに同じボールを打ち続けるのには、使い手の技術が不可欠ですが、それも魅力だと思いました。

『KING F9 ハイブリッド』は、ユーティリティは引っかけが出て、飛ばないから諦めてしまったというゴルファーにオススメです。

また、コントロール性能が高いのに、飛距離もしっかりと出るユーティリティが欲しかったというゴルファーにもオススメします。

『KING F9 ハイブリッド』は、余計な装飾はせず、必要な部分だけ搭載したクラブです。

その結果、ゴルファーの腕前次第で他のクラブでは想像できないほどの満足を得られる可能性があります。

一度は挑戦してみる価値があると強く推薦します。