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ロマン派ゴルフ作家の篠原

新・貧打爆裂レポート『KING F9』ドライバー

今回の貧打爆裂レポートは、2019年3月2日に発売されたコブラ『KING F9』ドライバーです。

いつものようにコースに持ち込んで、ラウンドしました。米ツアーで優勝に貢献したドライバーの実力は?

動画も含めてレポートします。

目一杯機能を詰め込んでわかりやすいF9!

コブラ『KING F9』ドライバーで最初に目に入るのは、ソールの美しいイエローが入ったデザインです。

イエローの差し色というデザインは珍しいので目立ちます。

よく見てみれば、動かすことが可能なウェイトがフェースサイドと後方サイドに2か所付いています。

ロフト10.5度のモデルは、後方サイドに重いほうのウェイトがデフォルトで入っていて、ロフト9.5度のモデルはウェイトが逆で、重いほうがフェースサイドに入っています。

続いて目立つのがフェースです。ミーリングしたような細かい溝が刻まれています。

『KING F9』ドライバーのフェースは、「CNCミーリングフェース」という特殊なものです。削り出しでフェースを製造する技術なのです。

表面の削り出しだけではなく、裏側は見ることができませんが、反発エリアを斜めに配置しているのがわかる形状になっています。

これによって、テーラーメイドの「ツイストフェース」のような、ミスヒットしてもボールが狙い通りに飛びやすくなるという機能を発揮するそうです。

上から見ると、クラウンには空気抵抗を減らすデザインが施されています。

ヘッドのフォルムは大きく見せる工夫がありますが、クセがなく本格的な雰囲気を醸し出しています。

最初に試打したのは、ロフト10.5度、シャフトは純正の「Speeder Evolution for Cobra」のSフレックスです。

スタートホールから目立ちました。ヘッドではなく、弾道がきれいだったからです。

ティー周辺で見ているゴルファーが多かったので「すごいボールだね」と声がかかりました。

ストレートボールで、結果として高弾道だったのです。結果として、というのは、初速が速い打ち出しで、ボールがスーッと伸び上がって飛んで行ったからです。

見ていた人たちが驚いたのは、現在では伸び上がる弾道のドライバーショットを打つゴルファーはいないからだと思います。

打音はやや大きめで、高音です。残響も少しあります。好き嫌いはあると思いますが、飛びそうだと印象付ける打音です。

打ち応えは、打音とは逆にグッとフェースに乗る感触があります。フェースのどこに当たったかがわかるギリギリの柔らかさがあります。

フェアウェイ中央に止まったボールは、215ヤード。ほとんど転がりませんでしたが、ヘッドスピード40メートル/秒(m/s)の僕としては、飛距離は合格点です。

次のホールもストレートボールで、少し懐かしい弾道でした。

数ホールでハッキリとわかったのは、とにかく、狙い通りの所にしか飛ばないということです。

『KING F9』ドライバーは、直進性能が極めて高いのです。

KING F9 は新しいけどオーソドックスなやさしいドライバー!

動画を見てください。

コブラ『KING F9』ドライバーは、当初はロフト10.5度のみをテストする予定でしたが、あまりに良かったので、急遽、9.5度のロフトのモデルもお借りしてテストしました。

これはよくあることなのですが、ロフトが違うとヘッドもかなり違うケースがあります。

『KING F9』ドライバーは極端ではありませんが、9.5度のほうがヘッドが少し締まっています。

ウェイトがフェース寄りを重くしていることもあり、打ってみると9.5度のロフトは低スピンな棒球系の弾道です(ウェイトは位置を変えることが可能)。

10.5度が棒球を感じさせないスピンが効いた弾道だったのとは別物です。

僕の場合、飛距離は平均して5ヤード程度ですが、9.5度のほうが飛びました。実戦で使うのなら、方向性の良さで10.5度を選択すると思います。

スピンが多いことはトレンドとは反しますが、スピンが多いのに飛距離はそこそこ出ているのだから、それ以外の最新の機能が発揮されていると感じました。

『KING F9』ドライバーはいろいろと目立っていますので、最新の機能を詰め込んだキワモノのドライバーだと思うゴルファーも少なくないと思います。

でも、それは誤解です。

『KING F9』ドライバーは最新の機能を満載していますが、根本的には想像を超えるほどオーソドックスなのです。

ミスに強く、直進性能に優れているドライバーは市場に何本もあります。

いわゆる、やさしく飛ばせるドライバーの一つ定義でもあるからですが、真っすぐに行くドライバーは狙った所に出球が飛んでこそ、その機能が活かされるのです。

『KING F9』ドライバーがオーソドックスだと感じたのは、構えやすさと出球が一致する部分です。本当にお見事でした。

『KING F9』ドライバーは、ツアーで優勝に貢献したドライバーとして評価されています。

ツアープロが使えるドライバーは難しいと敬遠するゴルファーも多いと思いますが、そんなことはありません。

ツアープロを満足させるチューニングも施されていますが、それだけではないのです。

極論を言えば、初級者でも使えるやさしさがありますし、オーソドックスな要素があるドライバーでゴルフを覚えるのには大賛成ですのでオススメです。

『KING F9』ドライバーを最も使ってほしいのは中級者でスコアアップを模索しているゴルファーです。

飛距離を多少犠牲にしても、コントロール良く、狙い通りにボールを運んでいくというゴルフの深層を教えてくれるドライバーになる可能性があるからです。

『KING F9』ドライバーは、誤解せずに、とにかく打ってみることで性能を実感できます。

現在のドライバーに満足できていないすべてのゴルファーにオススメします。