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初心者

じゅんやあく

ゴルフ用語だらけの桃太郎(解説つき)

初心者が戸惑うゴルフ用語を桃太郎で解説します!

(一)

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昔々、ゴルコン(※1)で知り合って結婚したおじいさんとおばあさんがいました。

ある日おじいさんは山へ芝刈り(※2)に、おばあさんも山へ芝刈りに、要するにふたりで芝刈りに行きました。

2サム保証(※3)で予約したセルフ(※4)のパブリックコース(※5)でした。

当日はハーフ(※6)のオープンコンペ(※7)「山の幸大会」が開催されていたので、その場で参加を決め、申し込みました。

その日のおばあさんは絶好調で、ドライバーはマン振り(※8)でフェアウェイをヒット(※9)し、アイアンはことごとく筋って(※10)ピンハイ(※11)につき、バンカー(※12)に入れれば砂イチ(※13)、グリーンを外してもノーズロ(※14)と、生涯最高のゴルフを展開し、「今日は何かいい景品がもらえるかしら」と期待しながらスコアを提出しました。

お昼には鉄人シェフ(※15)のシチューハンバーグを食べ、後半のハーフをつつがなくプレイし帰ろうとしたところ、コンペの景品として大きな桃をもらいました。

「あらまあ立派な桃だこと。いったい何人分かしら」

と喜び、おじいさんと一緒に持って帰りました。

家に帰って「さてこの桃をどうしようか」とふたりで眺めていると、桃は「パッカーン」と割れ、中から「フォアー! フォアー!(※16)」と大声で前方に注意喚起をする男の子が生まれてきました。

子供のいなかったふたりはたいそう喜び、桃太郎と名付けました。

※1……ゴルフの合コンのこと
※2……ゴルフのことを揶揄した表現
※3……通常3人から4人で1組としてプレイをするゴルフを、2人組で、知らない人と一緒の組にしないという約束で予約できるシステム。カップルや夫婦、これから仲良くなろうとたくらんでいる男女とは限らない2人組、できるだけ人に見られたくない愛人関係のふたりなどがよく利用する
※4……キャディさんがつかないでプレイをすること。セルフプレイ。(反対語)キャディ付きプレイ
※5……誰でもプレイできるコースのこと。(反対語)メンバーコース
※6……9ホールをプレイすること。通常ゴルフは18ホールを1ラウンドとする
※7……誰でも参加できるコンペ(競技会)。コンペは「コンペティション」の略
※8……思いっきり振ること。方向性が悪くなることが多い
※9……フェアウェイ(芝が短く刈られた、次のショットが打ちやすいエリア)にボールが行くこと
※10……ピンに向かってボールが飛んでいくことを「筋る」という
※11……ピンに届く距離までしっかり打たれたボールを「ピンハイにつく」という
※12……砂が敷き詰められたエリアで、狙った距離や方向を打つのが難しい
※13……バンカーから出た次の1打(通常はパット)でカップインすること
※14……グリーンの外から直接カップインすること。「ズロ」は「ズロース(パンツのこと)」の略で、それを履いていなかったので直接入っちゃったという意味。下品な言葉なので、外では使わないように
※15……かつて「料理の鉄人」という人気番組に出ていたシェフが、某ゴルフ場グループの昼食メニューを監修している
※16……ボールが意図しない方向に飛んでいった際、飛んでいった方向にいる人へ注意を喚起するため叫ぶ言葉。「前方」という意味の「fore」が由来なので、「遠い」という意味の「ファー!(far)」ではない

(二)

ゴルフ好きの両親に育てられた桃太郎は、15歳にしてスクラッチプレイヤー(※17)となり、日本国内では無敵の存在となりました。

そこで、強者たちが集い、金銀財宝の豪華賞品が用意されているという“鬼ヶ島カップ(於:鬼ヶ島カントリー倶楽部)”というコンペに出場することを決意しました。

おばあさんは、そんな桃太郎に、エネルギー変換効率が高く(※18)、ラウンド中手軽に食べやすくエネルギー補給に役立つきび団子と、上がり3ホールでの集中力のキープ(※19)に役立つ「スーパーヴァームパウダー」を持たせて送り出しました。

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鬼ヶ島カップは4人チームによるスクランブル戦(※20)でした。

そこで桃太郎は、道中、きび団子をえさにして、イヌ、サル、キジを仲間に加えました。

一行はいよいよ鬼ヶ島CC(※21)に到着し、出場選手登録を済ませました。

鬼ヶ島カップには、強力なライバルが出場していました。

赤鬼、青鬼、バンカーの鬼(※22)、6インチプレース(※23)の鬼で構成された、鬼チームです。

鬼チームは、6インチプレースの濫用、産卵(※24)、過少申告(※25)、誤所からのプレイ(※26)、出ベソ(※27)、手の5番(※28)など、悪行の限りを尽くして、好スコアを積み重ねていきました。

桃太郎チームはピンチに追い込まれましたが、おばあさんにもらった「スーパーヴァームパウダー」のおかげで、上がり3ホールでスコアを崩さず、見事鬼チームを逆転、優勝しました。

こうして、桃太郎たちはどこのゴルフ場のものだかよくわからない刺繍の入ったキャディバッグ(※29)や、シャフトの硬さの合っていないフェアウェイウッド(※30)、見たことのないブランドのロゴが入った野球帽(※31)、その土地の卵1パック(※32)など、豪華賞品をたっぷりもらって村に帰ってきました。

キャディバッグは普段使わないクラブの保管用になり、シャフトの硬さの合っていないフェアウェイウッドはおじいさんのスペックに偶然ぴったり合い(※33)、見たことのないブランドの帽子は、おじいさんたちが次回参加するコンペの賞品に流用され、卵はみんなでおいしく食べ、無事すべての賞品が有効活用されました。

めでたしめでたし。

※17……ハンディキャップ0のプレイヤーのこと。すごくうまい
※18……ラウンドするときには、スタミナ切れを起こさないようにエネルギー変換効率のよい食べ物を携行するといい。おにぎりやバナナ、ゼリー飲料などがよく利用される
※19……アマチュアは後半の3ホールで集中力が切れて大叩き(スコアの数字が大きくなること)してしまうことが多いとゴルフ雑誌によく書いてある
※20……4人全員が1打目を打ち、その中から最も結果のよかったボールを選んでまたそこから全員で2打目を打ち……ということを繰り返してプレイするフォーマットの競技。全員のベストショットの積み重ねになるので、ものすごくいいスコアが出やすい
※21……ゴルフのメディアでは、カントリークラブ(倶楽部)を“CC”、ゴルフクラブ(倶楽部)を“GC”と略すことが多い
※22……何かが得意な人を“○○の鬼”と呼ぶ。ex.キックの鬼
※23……ボールが元あった場所から6インチ(約15センチ)以内で置き直していいというローカルルール。アマチュアのコンペなどでよく採用されているルールだが、6インチといいながら1メートルぐらい平気で動かして自分がより打ちやすい場所にボールを置き直してしまう人もいる
※24……林などにボールを打ち込んでボールが見つからなかったとき、ロストボール(紛失球)のペナルティを受けることを嫌い、ズボンの裾などからこっそりボールを下に落としてボールが見つかったかのように振舞うこと
※25……実際のスコアより少なく申告すること
※26……間違った場所からプレイすること
※27……ティーインググラウンド(ティーグラウンド)にあるふたつのティーマークを結んだ線を越えた前方のティーショットを打っていい場所の区画外にティーアップをして第1打を打つこと
※28……クラブでショットをすることが難しい状況などで、手でボールを投げること
※29、30、31、32……コンペの景品として実際によく提供されているもの(この文章を書いている筆者が実際にもらったことのあるもの)
※33……フェアウェイウッドのスペックが合っていない人は意外と多い

いかがでしたか?

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知らないゴルフ用語はあったでしょうか。

ゴルフには多くの専門用語が使われています。

正しい意味を覚えて、楽しくゴルフライフを送っていきましょう!