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トラトラ
アゲンストとは?風を読むとゴルフがおもしろくなる!
ゴルフを始めてプレーをしている中で、「アゲンスト」という言葉を聞いたことはありますか?
プロゴルファーやベテランのゴルファーたちは、ただ、自分の位置からピンまでの距離を読むだけでなく、そのとき吹いている風を読み、ボールがどれくらいの影響を受けるのか考えながら、打つクラブを選んでいます。
しっかり打てたのに、思ったより飛んでなかった! という経験をしたことはあると思います。それはもしかしたら、アゲンストに邪魔されたのかもしれません。
風を読むと、また一段とゴルフがおもしろくなりますよ!
アゲンストとは?
まず、「アゲンスト」とはどういう意味の言葉なのでしょうか?
アゲンストとは、向かい風のことです。進行方向からボールを押し返すような風のことです。口語で、「アゲている」という風に使うこともあります。
向かい風なので、プレーに支障が出ます。風の強さにもよりますが、飛距離は無風時に比べれば思うように伸びてくれません。
それを見越した番手選びをしてショットのコントロールを行うことが、スコアのカギを握っています。
風が吹くとプレーしにくいのは言うまでもありません。特に飛距離が出にくいとなると、なかなか思うように進まずイライラしてしまうこともあるかもしれません。
逆に、追い風のことを、「フォロー」と言います。こちらも口語で、「フォロってる」などと言われることもあります。
フォローの場合は、ボールが風に乗るとその分飛距離が出る可能性がありますので、番手を落とす選択が必要になってきます。
ちなみにアゲンストは英語では「against wind」ではなく「headwind」といい、フォローは「tail wind」「down wind」と言います。
風を味方につけることでスコアアップができる!
ゴルフは自然の中でプレーをするものですので、風が付き物です。
一年に何度かプレーしたとして、風がなく一日中無風であった、という日は、本当に少ないと思います。
風は、その日のその時間により、体感ではあまり感じない微風であったり、帽子が吹き飛ばされそうなくらいの強風であったり、様々です。
また、一日中ずっと同じ風が同じ強さで吹いているわけもなく、ホール間の移動、はたまたファーストショットからセカンドショットまでの間の短時間に、風の向きも強さも変わってしまいます。
アゲンストの場合、その強さによって、クラブの番手を上げる必要が出てくるでしょう。逆にフォローの場合は、番手を下げないと、グリーンをオーバーしてしまうかもしれません。
吹いている風を無視して、「この距離だからこの番手」としていては、スコアは崩れるばかりです。風を読み、その風を味方につけることで、スコアアップができていきますよ。
風の読み方を身に着けよう
そのためには、まず風の読み方を身に着けなければなりません。しかし、風を読もうとしたところで、風が目に見えることはありません。
風を読もうと思ったとき、まず、周りの木々に目をやってください。枝がなびいている方向を観察して、風がどちらに吹いているのか確認してください。
「体感で分かる」という人もいると思いますが、そういう人は、あくまでも自分が受けている風の強さや向きが分かるだけです。
ボールが高く上がったときの、上空の風の状態は、体感では分かりません。
木々がどちらになびいているかを、まずは確認しましょう。
次に、ピンを狙う状況になったら、ピンフラッグを観察します。フラッグがどちらに動いているかで、グリーン上の風がどのくらいの強さか、どの方向かが分かります。
珠の落ち際は、ボールスピードがなくなっています。そのため、風の影響を強く受けてしまうため、ピンフラッグをしっかりと見て、クラブ選択を行うことが大切です。
他にも、芝を少しつまみ取り、散らすという方法があります。
ゴルフの試合をテレビ中継で見ていると、プロゴルファーがしている仕草を見たことがある人もいるかもしれません。
芝を少し取り、手を放すと、芝が風に吹かれて飛んでいきますので、風がどちらから吹いているか、どれくらい強いのかを確認することができます。
風に負けない打ち方は?
アゲンストの中では、ボールを高く打ち上げたり、バックスピンが多くかかったボールは風の影響を受けやすい傾向があります。
飛距離が思った以上に伸びず、苦戦を強いられてしまいます。
アゲンスト時に飛距離が落ちにくいボールは、低めの、バックスピン量の少ないボールです。
フォローとは違い、風によりバックスピン量が増え、ボールが垂直に近い状態で落ちるので、グリーンに落ちればフォローのときのように転がってしまうことは少なく止まりやすくなります。
ドライバーでは、ティーアップを低くして、低いボールを打つ、ということも一つの手ですが、自分の持ち球によって、バックスピン量がかえって増えてしまう可能性があります。
アゲンストのときでも、あえてティーアップを高めに設定し、ボールを真横から払い打つイメージで打ってみてください。
「レベルブロー」といって、ほうきで床を掃くイメージで振るスイングです。このような形で打つことで、バックスピンを抑えることができます。
また、自分に向かって吹いてくる風に対抗しようと、無理に力を入れたスイングをして、ボールを打ちに行ってしまう人もいます。
そのようなスイングは、ダフリやトップなどのミスを誘発するだけでなく、スイングスピードが上がると同時に、こちらもバックスピン量が増えてしまうことがあります。
あえてゆっくりと振り、スイングスピードを抑えることで、結果的に飛距離のロスを最小限に抑えることができます。アゲンストですから、多少のロスは仕方ない、と気楽な気持ちで振ることが大切です。
それよりも、違った打ち方で打って、バックスピン量が増えたことで、さらに飛距離をロスしてしまうほうが、もったいないですよね。
また、アゲンストの中で有効なショットは、「ドローボール」です。ドローボールは、先ほどから記載している、バックスピン量が少ないボールなのです。
ドローボールが持ち球の人は、ドローボールで攻めていくことも戦略の一つです。
自分の持ち球はフェードボールだ、という人は、ドローボールを打ってみることも手ではありますが、いきなり持ち球と違うボールを打つことは難しいでしょう。
そんなときは、フェースのトウ側でボールをとらえるスイングをしてみましょう。
スピン量が少なくなり、風の影響を受けにくくなるでしょう。
この打ち方を練習していけば“パワーフェード”と呼ばれる、スピン量の少ない、アゲンストに強いフェードボールが身に着きます。
風を読んで対策するとゴルフがもっと楽しくなる!
ラウンドのときは、できれば風が吹かないほうが良いでしょう。
けれど、自然の中で行うゴルフに、風は当たり前。せっかくなら、その風を味方につけて、コースを楽しく攻略していきましょう。
風を読むということは、大変な作業です。
特に進行方向からボールを押し返す風である「アゲンスト」は、逆方向の追い風である「フォロー」と比べて、プレーに支障が出てくる可能性があります。
しかし、その風を読み、風に負けない打ち方でコースの攻略をしていったとき、さらにゴルフが楽しくなっていくでしょう。
風に対しては「ドローボール」が有効ですが、フェードボールが持ち球の人は、「パワーフェード」も武器になるので習得したいところです。
風が吹いたときに自分がどう攻めていくかを考えながら、スコアアップを目指していってくださいね。