初心者
玉利 ようこ
【第59話】ユーティリティーかインチキか!〜100切れない日記~
コースで最新ユーティリティーを試打をしてみました……え、えぇ!!?(困惑)
この度、ネットで試打クラブを借りるサービスを体験してみました。私が選んだのは、最新のユーティリティー4本セット。
早速ゴルフコースで使ってみると、びっくり! ドン引きするほどまっすぐ遠くに飛んで行きました。自分のクラブとの違いに震えます。
いつもの一振りでこれだけボールが飛ぶとなると……これまでは狙えなかった2オンが狙えるようになる。
自分のコース戦略が根本的に変わるのではないか、ついに100が切れるのではないか……と呆然としていた私に、後ろから夫がこう声をかけてきました。
「なんだよそのインチキ棒は?」と。
……い、インチキ棒!?
いや、た、確かに。最新の技術が集約されているであろうこの高級ユーティリティーは、私の下手さを凌駕し、まっすぐ美しく飛ばしてくれる頼れる魔法の棒。
魔法=マジック=インチキ……? いや、しかし、それにしても「インチキ棒」とは人聞きが悪いぞ。
夫の言葉に少々心を乱した私ですが、それでも、その最新高級ユーティリティーは、何度も私のボールを気持ちよく飛ばし続けてくれました。
ついには夫も気になり過ぎて「ちょっと、そのインチキ棒1回打たせて」と自分で振ってみるほど(夫のボールもよく飛びました)。
もともと、「他のクラブを振ってみたい」という気軽な気持ちで借りたのに、コース後半には「うん、買うならこの2本のうちどっちかだな」と真剣に悩み出し、先日はついに、量販店でそのクラブの値段をじっと見つめている自分に気づきました。
値段は高い。でも、それ以上の価値があると今の私は確信しています。このお金を出せば100切りができるかもしれない!? しかし、ここで自分の妙に真面目な性格が顔を出します。
「自分のゴルフの下手さをお金で解決してしまっていいのだろうか……」と。
体幹を鍛えたり、パターの練習をする努力をせずに、数万円でインチキ棒を手に入れてしまっていいのだろうか?
もし、このインチキ棒で100を切ったら、なんでも努力をせずにお金で解決することが一生のクセになってしまうのではないか。それは怖い。でも欲しい。インチキ棒欲しい。
いや、待て。
インチキ棒なんて変な名前で読んではいけない!! ひどいあだ名だ!
もし今度あなたがゴルフショップに行った時、ユーティリティーをにらみ付けてうんうん唸っている女性がいたら、それはきっと私かもしれません……。