ゴルフスイング
PAR RUSH 01
“コースは傾斜との戦い”アドレス時の足元の意識!その1~上達シリーズ第27回
皆さんは、平坦な林間コースには傾斜はないと思っていますか?
それは間違いです。平坦に見えるコースであってもゴルフ場のコースは決して平坦ではないのです。
それでは、アドレスで構えた時に、足元のゴルフシューズの足裏に意識を持っていますか?
プロは、足裏でさまざまなことを感じて、それに対応をすることができていると思っています。
私たちも、足裏からの情報によって、それがショットにさまざまな影響を及ぼすことを考えてこそ、スコアアップにつながることになると思います。
今回は、アドレス時の足元の状況とショットについて2回に分けて考えてみます。今回はその1です。
微妙な傾斜を感じることができるのが、足裏なのですが!
コースをラウンドすると、さまざまな傾斜に遭遇します。
明らかに傾斜があるとわかる場合は、その傾斜に対応したスイングを考えることができます。
しかし、視覚的に惑わされる場合や、微妙な傾斜にボールがあるライの場合には、クラブの長さに合わせて、アドレスでシューズが踏み込む場所とボールの位置関係をきちんと判断することが必要となります。
プロはアドレスで構えただけで、どのような位置関係にあり、その状況でショットした場合にはどのような球筋が出るのかを判断できていると思います。
しかし、アマチュアは足裏で感じることは難しいので、後方から飛球線方向を見て、さらにホール全体を考えて、どのような傾斜のライなのかを把握する必要があります!
※有名な設計家・井上誠一設計の「日光カンツリー倶楽部」は、この傾斜を錯覚させる傑作コースだと思います。
大谷(だいや)川の河川敷に位置するこのコースは、川は見えず林間コースの趣です!
そして、各ホールは川の流れに平行して下流に向かったり、上流に向かったりしているのですが、それが判別できない錯覚を起こさせる造りになっています。
上流に向かっていて明らかに上り傾斜なのに、平坦なホールと錯覚させる造りなのです。
普通に距離だけでショットすると「えっ」というぐらいショートします。
傾斜で注意しなければならないこととは?
傾斜地のスイングで注意しなければならないことは、打つ前に体とクラブのソールの間隔がどのようになるかをしっかりイメージすることでしょう!
特に、前上がりや前下がりの傾斜の場合は、この意識がないとフェースをボールに上手くコンタクトできません。
これがミスショットにつながるのです!
そして、傾斜の種類は別として、体を目一杯使ったフルショットは厳禁です!
距離を欲張らず、スリークォーター程度のショットを心がけるべきです。
なぜなら、傾斜のショットでの注意すべき最大のポイントは、軸を動かさないショットと言えるからです!
軸が動いたら、クラブフェースをボールに上手くコンタクトすることはできません。
傾斜と飛距離の関係を考える1〈左足上がりの場合〉
傾斜は、飛距離にどのような影響を与えるのでしょうか?
一般的に、左足上がりの場合はショートするから大きめのクラブで、左足下がりの場合はオーバーするので小さめのクラブを持つように言われています。
これを、より実戦的に考えてみましょう!
左足上がりのライは丘陵コースなどでは、打ち上げになるので大きめのクラブを持つことになります。
これは分かりやすく、少し慣れたゴルファーなら誰でも理解できます。
しかし、林間コースで基本は平らなのに、フェアウェイに少しアンジュレーションがあり、ボールのライを見ると左足上がりの場合、インパクトではクラブのロフトは寝て、思った距離が出ません。
このような場合、往々にしてグリーンの手前にあるバンカーに吸い込まれ、スピンが効いて目玉ということになるでしょう。
ミスショットではないのに! と悔むことになります。
このようにホール全体が打ち上げではない場合でも、ボールのライがアンジュレーションなどで傾斜にある場合は、傾斜を意識したクラブ選択やショットが必要になるのです!
傾斜と飛距離の関係を考える2〈左足下がりの場合〉
一方、左足下がりの場合には、基本的に打ち下ろしになることから、ロフトが立って距離が出てしまうので、番手を落とすことになるでしょう。
これが傾斜への対応の普通の考え方です。
しかし、左足上がりで説明をした通り、平らだと思える林間コースでも、ボールのライが左足下がりにあれば、やはり距離に影響します。
従って、平らだと甘く見ずに、その状況を正確に把握して判断をしましょう。
また、左足下がりからのショットは難度が高いので、欲張らず良いところに置くくらいの余裕を持ちましょう!
次回は傾斜が与える方向性について、考えてみます!