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ゴルフクラブの手入れの方法は?パーツごとのポイントを紹介

クラブの手入れはゴルフの基本です。しかし、長年ゴルフをしていても、「ラウンドが終わった後にゴルフ場の人がゴルフクラブを拭いてくれるから、自分ではしていない」といった声や、「毎回はせず、1年に1回打ち納めが終わってから軽くするくらい」といった声も聞かれます。

練習やラウンド後にゴルフクラブの手入れをすることが、ゴルフクラブを長持ちさせるのです。

専門の手入れ用品を揃えて取り組む人も見えますが、身近で市販されている道具を使った簡単な手入れ方法から、ゴルフクラブそれぞれのパーツの手入れ方法までをご紹介します。

ゴルフクラブの手入れとは? 必要なものなの?

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ゴルフを始めたばかりの初心者の方の中には、ゴルフクラブを一度も自分で手入れしたことがない、という人もいることでしょう。

ゴルフクラブがきれいに保たれていると、それを使用しているゴルファーの腕前がわかる、とも言われています。

自分のゴルフクラブを一度見てください。傷やボール跡などが、残ったままになっていませんか?

「ラウンド後は毎回ゴルフ場の人が拭いてくれてるのになんで?」と疑問に感じたかもしれません。

しかし、それはあくまでゴルフクラブをキャディバッグに戻すときに簡単に乾いた布で拭いてくれるだけであって、フェース面のボール跡を消したり、溝の汚れを丁寧に取り除いたり、グリップの汚れをきれいに拭き取ってくれたりするものではありません。

そういった手入れは、ゴルファー自身がするものです。

最大14本入っているゴルフクラブを一本一本取り出して手入れをすることは、時間も手間もかかることです。正直、「めんどくさい」と思う人もいると思います。

しかし、ゴルフクラブの手入れを念入りにすることで、得られるメリットがたくさんあります。

上達するためには、自分自身でするゴルフクラブの手入れは、常に必要だと考えてもいいでしょう。

ゴルフクラブを手入れすることで得られるメリットは?

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ゴルフクラブの手入れをすることで、一体どんなメリットがあるのでしょう?

ゴルフクラブを手入れすることで得られる最大のメリットは、「クラブの性能が安定する」といった点です。

例えばウェッジのフェース面には、深い溝が何本も刻まれています。この溝がボールのインパクトのときに上手くボールに食い込むことでスピンがかかり、グリーンにボールが直接乗ったときでも、そのまま転がり落ちることなく、ピン近くにボールを停止させることが可能になります。

この溝の間に、土や砂が付着したままでは、どうなるでしょう?

スピンは上手くかからず、グリーンに乗ったはずのボールが止まらずにオーバーしてしまう可能性が考えられます。

また、グリップが劣化して、滑りやすくなっていたとしたら、手に余計な力が入ってしまい、ミスショットの原因になってしまうかもしれません。ゴルフクラブを常に良い状態に保つためには、手入れをすることが重要です。

そして、きれいなゴルフクラブを使うことは、ゴルファー自身の気分を高めてくれることにもつながります。

学生時代、勉強をする大学ノートを新しいものに替えたときに、いつもより丁寧な字で記入するように気を配った経験はありませんか? きれいなゴルフクラブを使うことは、そのときの気持ちに通じることもあります。

たとえゴルフクラブ自体が古いものだったとしても、手入れをしてきれいに保つことで、常に良い気持ちでプレーをすることができます。

さらに、最近では、ゴルフクラブを買い換えるとき、新しいものを購入し、古いものは自宅の倉庫に眠らせてしまうか、不用品として処分してしまうという人はなかなかいないように思います。

中古のゴルフクラブを扱う多くのゴルフショップは、自動車を購入するときの「下取り」と同じ考えで、現在使っているゴルフクラブを次のゴルフクラブの購入代金に充当することができます。これにより、ゴルフクラブを購入するときの実質の負担金が軽くなるメリットがあります。

同じゴルフクラブでも、手垢の付いたボロボロのゴルフクラブと、新品同様に保たれたきれいなゴルフクラブでは、ゴルフショップの買取査定でも、後者のほうが査定額が高くなりやすいです。ゴルフクラブを丁寧に手入れすることは、金銭面でも役立つのです。

ゴルフクラブの手入れはいつ行うの?

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ゴルフクラブの手入れをしている人は、どのくらいの頻度で行っていますか?

理想的な手入れの頻度は、毎回の練習、ラウンド後にすることだと言われています。

ゴルフクラブの手入れをしっかりと行うことで、サビなどの劣化を防ぐだけでなく、フェース面に土などがついたままだとスピンが安定しません。

スチールシャフトの場合、ゴルフクラブを指で触ったときに油が残り、錆の原因になることもありえます。一本が錆びてしまうと、他のゴルフクラブにも錆が移ってしまう可能性がでてきてしまいます。

錆に気づかず放置しておくと、ゴルフクラブにとって致命的なことになりかねませんので、使用した後にどこか異常がないか、チェックすることが大切です。

見た目が整っていると清潔感のある丁寧な人という印象を持たれることが多いので、ぜひ手入れは頻繁に行うようにしましょう。

また、ゴルフクラブの手入れをしっかり行うことで、フェース面についた汚れや跡から、自分のスイングの傾向や、問題点が見つかる可能性もありますよ。

ゴルフクラブの手入れを日課にするだけで、日々悩んでいたスイングに対する答えが見つかるかもしれません。ゴルフクラブもきれいになって悩みも解決に向かう、まさに一石二鳥とも言えますね。

ゴルフクラブの手入れで使えるおすすめの道具はこちら

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それでは、ゴルフクラブの手入れで使えるおすすめの道具をご紹介します。

こちらでは、あくまでもゴルフクラブ手入れ用の専門の道具ではなく、主に掃除用として、スーパーや薬局で市販されていて、気軽に手に入りやすいものをご紹介しています。

手に入れるだけのためにわざわざゴルフショップに足を運ぶ必要があると、「何かの機会でゴルフショップに行ったときで良いか」など、道具を手に入れるまでにまた期間を要してしまう可能性も出てきます。

しかしこれらは、日常の生活の中で簡単手に入るため、すぐにでもゴルフクラブの手入れを始めることができます。

激落ちくん

簡単な手入れ方法でおすすめなのは、「激落ちくん」(メラミンスポンジ)です。

キッチンなどの細かい部分を掃除するスポンジですが、使ったことのある人はこの「激落ちくん」のパワーに始めは驚いたはず! 水で濡らすだけでキッチンなどの頑固な汚れも簡単に落とすことができます。

その威力はゴルフクラブにも有効。土などの汚れや細かい傷などは「激落ちくん」で簡単に落とすことができます。

クラブの金属部分は傷をつけずに磨くことができますが、ドライバーなどのウッド系クラブの塗装部分に使うと塗装が剥げてしまうので使う際は注意が必要です。

値段も安く、簡単に手に入るのでぜひ試してみてください。

コンバウンド

クラブの塗装部分も車同様塗装がされているため、擦ってしまうと塗装が剥げてしまいます。そのため、その部分の手入れには、軽く水で汚れを落とした後に、研磨剤を使う方法が良いでしょう。

こちらも方法は簡単で、市販の道具であるコンパウンドを専用の布につけ優しく全体に撫でていくだけです。

汚れも一緒に落ちるので、何度かに分けて丁寧に拭きましょう。こちらは、研磨剤ですので頻度が多いとゴルフクラブを傷つけてしまいかねません。

1ヶ月に1回くらい、汚れが気になったときにやるくらいで十分です。

歯ブラシ

アイアンやウェッジ類は、特に溝に土などが入りやすいです。溝に土が入ったままにすると、サビの原因になってしまいます。この溝部分は、ゴルフクラブを使用した後、毎回手入れするのが良いでしょう。

細かい溝に土が入り込んでいるとスピンが上手くかからないため、コントロールが上手くいかなかったりと問題が起きることがあるので、特に念入りに手入れしてください。

溝のあるものの手入れ方法は、市販の道具である歯ブラシを使います。強く擦らず、優しく汚れを落としていきましょう。

専門の手入れ用品を使うのもよいですが、購入しやすい市販の道具のほうが手軽に使うことができるのでおすすめです。

ヘッドのフェース面を手入れする方法

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では、ゴルフクラブの各パーツそれぞれの、手入れの方法を見ていきましょう。

まずは、フェース面です。フェース面とは、ゴルフクラブの溝がある面で、直接ボールにヒットする部分のことです。

ボールに直接当たる部分であることから、打ったときのボールの跡や汚れはもちろん、ゴルフ場の小石や砂などにより、細かい傷がつく部分でもあります。

溝をきれいにすることは大切ですが、力強くゴシゴシすることはNG。新たな傷をつけてしまう原因にもなってしまいます。

まずは、フェース面を軽く水洗いすることから始めてください。蛇口やホースから水を出したまま、それぞれのゴルフクラブのフェース面の汚れを洗い流していきます。

水を張ったバケツにゴルフクラブを漬け込んでしまおうと考える人もいるかもしれません。しかし、ゴルフクラブのヘッドとシャフトは接着剤でつながれています。

強力に接着されているため、よほどのことがなければ接着剤の間から水が内部に入り込むということはありませんが、万が一のために避けたほうが無難です。

水洗いが終わったら、フェース面の溝の汚れを取りましょう。

上記で紹介した歯ブラシを使用し、軽い力で汚れを落とします。もし歯ブラシで取れない場合は、強くこすることはせず、爪楊枝を使用するのも良いです。

ピンポイントに爪楊枝で汚れを取ることが難しい場合は、ティッシュや綿を爪楊枝に巻き、それを利用することで細かい汚れも簡単に取ることができます。

ヘッドのクラウン部分の手入れの方法

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フェース面が終わったら、次はクラウン部分を見てみましょう。ドライバーやフェアウェイウッドやウッド系ユーティリティーなどで、アドレスを取ったときに目に入る、上の部分です。

この部分は基本的に汚れることはありませんが、スイング時にダフってしまったり、バンカーなどで使用したりする場合に、泥などが付着する可能性があります。

スイングするときに自分自身に見える部分になりますので、クラウン部が汚れていると、気持ちのダウンにもつながるかもしれません。

クラウン部分の手入れには、上記でご紹介したコンバウンドを使いましょう。粒子が細かいので、傷を付けることがありません。

力を入れず、軽く拭くだけでクラウン部分は磨かれます。仕上げにコーティング剤で艶出しすれば、さらに輝きが増しますよ。

シャフトの手入れの方法

シャフトとは、ヘッドとグリップをつなぐ、棒状の部分のことです。

シャフトは「カーボンシャフト」と「スチールシャフト」に分かれます。

カーボンシャフトの場合はタオルで拭けばきれいになりますが、スチールシャフトの場合は、少し手入れをサボってしまうとすぐに錆ついてしまいます。雨の中でラウンドをした後などは、特に注意が必要です。

1本錆びついてしまうと、ほかのスチールシャフトも錆びてしまう危険性があるため、注意が必要です。

スチールシャフトを使用している場合は、まずメラミンスポンジで全体を磨いてください。スチールシャフトはフェース面とは違い、多少強めに磨いても大丈夫です。しっかりと汚れを落としていきましょう。

一通り磨いたら、スチールシャフトを錆から守るひと工夫をしましょう。これには、呉工業の「クレ556」が有効です。

この「クレ556」は、汚れを落とした後に使用することで、シャフトの表面に薄い皮膜を作り、防錆に威力を発揮します。

この「クレ556」は、アイアンのフェース面にも使用できますので、フェース面の防錆にも効果的。またうれしいのが、錆を溶かす効果も持ち合わせている点。

少しの錆であれば「クレ556」で溶かすことができますので、手入れをサボってスチールシャフトに錆が出てしまったときでも、落ち着いて吹き付けることで、もとの通りに戻ってくれます。

防錆効果のある「クレ556」を吹き付けた後は、タオルで磨いて終わりです。この磨くときも、普通のタオルではなく、「マイクロファイバー」を使うことで、ピカピカに磨きあげることができます。

マイクロファイバーとは科学的に組成された極細のナイロンやポリエステルなどの繊維です。その吸水性や通気性、保湿性は、木綿と同等と言われています。

この生地はゴルフクラブの手入れだけではなく、吸水性が高いため、洗車に使うのも効果的。持っていると便利な道具です。

グリップの手入れの方法

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グリップとは、ゴルフクラブとゴルファーをつなぐ部分のことです。太さや硬さ、使われている素材も様々です。

それらによってゴルフクラブのバランスが変わったり、振り心地が変わったりするため、たとえゴルフクラブのグリップが劣化してしまい交換をするときに、急いでいたとしても、グリップ選びをおろそかにしてはいけません。

グリップの手入れをするだけで、グリップの長持ちにつながります。汚れたままのグリップで握り心地が変わってしまうと、スイングにも影響を与えてしまいます。

色の薄いグリップを使用している場合、手入れをしていないと、握る部分が汚れにより黒ずんでしまう可能性も。汚れていることが周りからも見えるため、手入れをしていないことがひと目でわかってしまいます。

濡れタオルなどで汚れを落として終わりと思っている人もいるかと思いますが、実はグリップの手入れは、拭いたあとの保湿が大切。

中性洗剤で拭いた後、どこにでもある台所用のスポンジで洗いましょう。水分をタオルでしっかりと落とした後に、保湿のために、食品保存用のラップを巻いていきます。

グリップはゴムでできていますので、時間が経つにつれて固くなっていきます。

ラップを巻きつけるのは、少しでも固くなることを防ぐためです。この手間ひとつで、グリップの劣化を遅らせることができます。

また、グリップが指によって削れてしまったときなどはもちろん、見た目に劣化が見られない場合にも、年に一度はすべてのゴルフクラブのグリップを交換するようにしましょう。

上記でも触れましたが、グリップは時間が経つにつれて劣化していきますので、消耗品と考えてください。

毎回の手入れがゴルフクラブを長持ちさせる

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ゴルフクラブは雑に扱ってしまうと、すぐにボロボロになってしまいます。

フェース面の溝に汚れが残り、スチールシャフトであれば錆びてしまい、グリップは次第に握りづらくなり、スイングに悪影響を及ぼし、ミスヒットの原因になります。

いまはなんの手入れもしていないという人も、毎回のラウンド、練習後に、ゴルフクラブの手入れをすることをクセ付けていきましょう。

ピカピカに磨いたゴルフクラブを使用することで、技術的にも向上し、メンタル面にも良い影響を与えてくれます。もしかしたら、周りからもゴルフの上級者という目で見られるかもしれません。

道具は手入れすればするほど愛着を感じていきます。それにより、もっとゴルフクラブの扱いが丁寧になり、各パーツそれぞれ、寿命が伸びていきます。良い影響の連鎖が始まります。

ゴルフクラブを手入れするときは、決して自己流ではなく、推奨する手順で行っていきましょう。例えばフェース面などを強くこすってしまうと、傷を与えかねません。

手入れをする道具は専用の道具ではなく、日常のコンビニやスーパーでも売っている、市販品で十分です。簡単に手に入れられるものを利用して、常日頃からゴルフクラブの状態を良く保っていきましょう。