ルールトラブルに世界がバズる~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#172
4度ものドロップで、より良いライに!?
ところが、次に中継の映像がデシャンボーの組に戻って来たとき、彼は救済のドロップをするところでした。
足元に2個並んだスプリンクラーヘッドのうち、画面奥のスプリンクラーヘッドがスタンスにかかるための救済(規則16.1a)でした。
そこで彼は、救済エリア内の画面手前側=カラー寄りのラフの浅い地点にドロップ。ただし、1度目のドロップは救済エリア外に出たため、もう一度ドロップ。
ここで中継の映像は、別の組へ。
再度、中継カメラがデシャンボーをとらえた時、なぜか彼はまたまた救済のドロップをしているではありませんか。
3度目のドロップ。さらに、4度目。
そして、最終的にインプレーになった時、彼のボールは最初よりずっとイージーなセミラフの上。
「どうしてなんだ?」
ネット上は、ここでバズったのでした。
しかし、2度目のドロップでインプレーになったボールは画面手前のもう一個別のスプリンクラーヘッドが、新たに「意図するスウィング区域」の障害になったため、改めて救済措置を取ったのであり、その最初のドロップ(合計3度目)が救済エリア外に出たので再度ドロップ(合計4度目)をしたもの。
結果、セミラフにドロップしたとしても、それが救済エリア内であればルールに則った処置。
デシャンボーにまったく非はなかったのです。
虎さん(チェ・ホソン)がスカッと空振り!
次も世界中がバズった話題で、ルールもちょっと関係する話です。
韓国ツアーの開幕戦「釜山慶南オープン」の3日目。
「虎さん」ことチェ・ホソン(崔虎星)は2位からのスタートでしたが、この日は不調。
迎えた最終ホールのティーショットで、見事な空振り! その動画がアッという間に世界中を駆け巡ることに。
ところで、このとき肝心のボールはティーの前方、2センチあたりにポロリ。
でも、現ルール(規則6.2b(6))では、
「プレーヤーのインプレーの球がストローク後に(例えば、ティーアップされた球を空振りした)ティーイングエリアにある場合、プレーヤーは次のことができる」
として、罰なしに拾い上げて、ティーイングエリア内に再度ティーアップできることになっています。
虎さんのボールもぎりぎりティーイングエリア内に止まっていた(ティーマーカーの前面の縁より手前)ようで、メディアによればティーから第2打を打ち直したそうです。
国内ではシブ子の「誤所からのプレー」がネットを賑わす
最後は、国内女子ツアーの開幕戦「アース・モンダミンカップ」の初日を賑わせた渋野日向子の痛いミス。
その経緯は改めて詳しく紹介する必要もないでしょう。
5番パー4のグリーン上、自分のマークが他のプレーヤーのライン上にあったため、渋野はパターヘッド1個分、横にずらしました。
ところが、そのマークを元の位置に戻し忘れて、そのままパッティング。いわゆる「誤所からのプレー」となり、2罰打の付加(規則14.7a)。
そして、この2ペナが災いし、予選落ちになったのでした。
プロとしてはちょっと恥ずかしいペナルティですが、同じミスを、やはり人気者の石川遼が昨年9月の「RIZAP・KBCオーガスタ」最終日にしでかしています(詳細は下記のリンク先を参照)。
グリーン上には自分のキャディのほかに、同じ組の2人のプレーイング・パートナーとそのキャディがいたのに……。
プロでもエアポケットのような瞬間があるのでしょう。
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こせきよういち
かれこれ30年もフリーランスのライター稼業をやっています。活動のフィールドはゴルフ雑誌がメインですが、ゴーストライターとして単行本を執筆したり、某出版社の運営を手伝ったり、テレビ・ラジオのスポーツ番組の構成を手掛けたり……。昨年(2016年)はトランプ大統領をテーマにした単行本の一部執筆もしました(笑)。でも、目下一番忙しいのは、日々SNSにアップしているゴルフ関連の話題を収集する作業かな。ゴルフ界、スポーツ界がもっと元気になれるように、との視点から有益な、あるいは面白い情報を集め、発信しています。
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