選手自らマイクで違反を説明~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#170
バンカー内の砂に触れる違反
第1ラウンドの13番パー4、ハドウィンのティーショットはフェアウェイバンカーに。ボールのすぐ後ろには小石が落ちていました。
ご存じのように、バンカー内の石=ルースインペディメントは、現在のルールでは(旧ルールとは違い)、手で触れて、取り除くことができます。
そこで、ハドウィンは邪魔になりそうな小石を摘み上げたところ、1個目は石だったのですが、2個目は石ではなく砂の塊で、指先でバラバラに砕けてしまいました。
「オー、ノー! これはペナルティだ。やらかしてしまった。石だと思ったんだ。それで指で摘まんだら、崩れてしまったよ。これは間違いなくペナルティだ」とハドウィン。
キャディに語った説明がマイクを通して、そのままお茶の間へ(下記のリンク先にそのときの動画が添付されています)。
その後、ハドウィンはオフィシャルを呼び、事情を説明。
結果は、彼の説明どおりバンカー内でボールの直後の砂に触れた違反(規則12.2b)で、2打罰になりました。
風に押されたボールがホールイン
次も、旧ルールとは処置が変わった事例です。
動画は2015年のワンアジア/豪州ツアー競技「フィジー・インターナショナル」で撮られたマット・クーチャーのグリーン上です。
この日は大変な強風に見舞われ、クーチャーの一度拾い上げてからリプレースされたボールが風に押されてホールイン!
旧ルールでは、プレーヤーがボールを動かす原因をしていなければ、動いたボールはあるがままでした。
そのため、このケースは直前の1打でホールアウトしたことになります。
しかし、現在のルールでは、グリーン上では、「すでに拾い上げてからリプレースしていた球:自然の力が球を動かしたとしても、その球は元の箇所にリプレースしなければならない」(13.1d)となっています。
ノーカウントで再プレー
もうひとつ、グリーン上のルール問題です。
このケースは、(旧ルールと同じく)このストロークはノーカウントで元の場所から再プレーとなります。
現行ルールでは規則11.1bの例外2で、その規則文は、「パッティンググリーンからプレーされた球が偶然にパッティンググリーン上の人、動物、動かせる障害物に当たった場合:そのストロークはカウントせず、元の箇所に元の球か別の球をリプレースしなければならない」となっています。
一方、下掲のツイッター動画のように、そのボールがグリーン外からプレーされた場合は、規則11,1b にある「動いているプレーヤーの球が人や外的影響に偶然に当たった場合、球はあるがままにプレーしなければならない」という規定であるがまま。
「アンラッキー!」と諦めてください。
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こせきよういち
かれこれ30年もフリーランスのライター稼業をやっています。活動のフィールドはゴルフ雑誌がメインですが、ゴーストライターとして単行本を執筆したり、某出版社の運営を手伝ったり、テレビ・ラジオのスポーツ番組の構成を手掛けたり……。昨年(2016年)はトランプ大統領をテーマにした単行本の一部執筆もしました(笑)。でも、目下一番忙しいのは、日々SNSにアップしているゴルフ関連の話題を収集する作業かな。ゴルフ界、スポーツ界がもっと元気になれるように、との視点から有益な、あるいは面白い情報を集め、発信しています。
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