Gride

ゴルフスイング

golfman71

ゴルフスイング中の正しいコックの使い方で飛距離を伸ばそう!

ゴルフにはさまざまな用語がありますが、コックという言葉を聞いたことはあるでしょうか?

他のスポーツではあまり聞かない言葉ですから、ゴルフを始めたばかりの初心者の中にはまだ聞いたことがない人も多いと思います。

コックと聞いて、最初に白い帽子をかぶって料理を作るコックさんを連想する人もいるかもしれません。しかしそのコックさんは、この場合はオランダ語に由来する「kok」で、意味は調理人です。

同じ綴りである英語の「cock」には雄鶏、相棒、戯言といったさまざまな意味がありますが、ゴルフの世界で使うcockは、「手首の使い方」という意味で使われています。

実はこの「コック」、スイング上達に欠かせない重要ものなんです。見ていきましょう!

コックとは?

getty

そもそも、コックとは何でしょう?

ゴルフに置けるコックとは、テークバックからトップに上げるときに、手首を親指側に曲げ、角度をつける動きのことをいいます。

手首を使わずに、ゴルフクラブをただ振っているだけでは、長い棒を振っている動きと変わりありません。そのような動きでクラブヘッドをボールに当てたとしても、よほどの腕力を使わなければ、遠くまで飛ばすことはできません。

手首を親指側に曲げる動きと、コックのイメージが上手くつかめないという方は、金槌を想像してみてください。

手首を使わずに腕を上げ下げして釘を打つよりも、手首を曲げて柔らかく使うほうが、強く正確に釘を打つことができると思います。

ゴルフクラブもそれと同じで、スイング中にコックを使うことで、クラブの性能を発揮することが可能となります。

ただし、ゴルフクラブは、金槌のような短いものではなく、ドライバーとなると、自分の身長の半分以上もの長さ、という人も、少なくありません。

そうなると、シャフトはしなるし、身体を使わないと振ること自体ができないしと、金槌とは勝手が違ってきてしまいます。

正しいコックを学んで自分のものにすることこそが、上級者へステップアップしていく道なのです。

正しいコックで上級者を目指そう!

手首を使わずにただクラブを振る動きよりも、コックを使うことで、切り返しでタメを作ることができ、そのリリースを正しいタイミングですることで、シャフトがしなり、ヘッドスピードが上がります。

ヘッドスピードが上がれば、同じ動きでも、より遠くへ、大きくボールを飛ばすことができます。

また、ダフリやトップなどのミスで悩んでいた人は、正しいコックをすることにより、そのミスが解決する糸口を見つけられるかもしれません。

それほど、手首の角度は大切なものなのです。

ゴルフスイングでは、スイングプレーンという“面”から、ゴルフスイング中の軌道を外さないことが、とても大切です。

コックを使うことで、右脇が適度に締まり、スイングプレーンからクラブヘッドを外さずに打つことができます。

正しいスイングプレーンを通ることによって、インパクトやフォロースルーなどを安定して迎えることができますので、力の乗った強いボールを安定して打つことができます。

そうなれば、スコアマネジメントを鍛えれば、ある程度練習通りに打つことができることでスコアアップし、上達やスコアアップが目に見えてきます。

もう一つの手首の動き、「ヒンジ」とは?

getty

上手くコックが使えていると思っているアマチュアゴルファーの中でも、実はコックではなくて、「ヒンジ」になっている方も、多くいます。

ヒンジとは、コックが手首の「縦方向に動き」であることに対して、右手首を甲側に手首を折り、左手首は手のひら側に折る、「横方向の動き」のことです。

実は、コックが大事と前述していますが、コックだけでは、トップでクラブフェースが正面を向く形となり、そのままアドレスの位置まで腕を戻してくると、フェースが開いてしまっているのが見てとれると思います。

そうなると、出るボールはスライス。そうならないために、「ヒンジ」と呼ばれる、横の動きを加えていくと、トップでクラブフェースは少し左を向く形となり、インパクトでフェースを開くことを抑えることができるようになります。

手首の動きはヒンジを合わせるということを頭に入れておきながら、ここでは、まずはアマチュアゴルファーの多くが実践できていない、基本的なコックのコツを見ていきましょう。

アドレスでは力を入れず柔らかく握る

一度手首の角度をつけて、コックを作ったら、スイング中はそれを固定し、維持することが大切です。

アドレスでは、グリップをぎゅっと力を入れて握りしめることはせず、グリッププレッシャーを最小限にするつもりで、柔らかく握りましょう。

グリッププレッシャーについては、「小鳥を両手で持つように」や、「卵を握るように」など、いろいろな表現がされています。力を抜き過ぎない程度の適度な力加減を保っていきましょう。

手首は、まっすぐに伸ばすのではなく、多少曲げた状態でいてください。

前傾姿勢を取ったあと、腕の力を抜いて、ぶらんと手を下げたら、その位置でグリップします。そうすると、自然に手首の角度を作ることができます。

できない場合は、前傾の角度が浅過ぎるかもしれません。また、手の位置が上がり過ぎているかもしれません。

全身が映る鏡でアドレスをチェックすると、手首が自然な角度で曲がるのに最適な前傾の度合いや手の位置が見えてくると思います。とにかく、手の力を抜くことがカギになりますよ。

テークバックは腕とシャフトの関係を意識する

getty

アドレスから、テークバックの途中で、コックを固めていきます。

もし、自分のスイングの中で、自然とコックが入るタイミングがあればそれを重視して良いと思いますが、コックを意識し始めたばかりの初心者ゴルファーは、左腕が地面と平行になったときをタイミングとしてみましょう。

その位置で、親指側に手首を折ると、シャフトが真上を向き、腕とシャフトでL字が作られる形になります。このL字を意識し過ぎてはいけませんが、そのような形を目安に覚えておくと良いと思います。

テークバックはゆっくり過ぎるとコックが作りにくくなるため、ある程度のスピードが必要です。

早過ぎず、遅過ぎず、適度なタイミングでテークバックをすることで、コックが入れやすくなり、無駄な力の抜けたスイングができるようになります。

そのため、あまりスピードは意識し過ぎず、身体を使ってテークバックを取ったときに振りやすいスピードで上げていきましょう。

ダウンスイングではコックをキープする

getty

ダウンスイングでは、テークバックの途中で固めたコックをキープしたままインパクトに向けてクラブを下ろすことが大切です。

このとき、アマチュアゴルファーのほとんどが、コックが解けてしまっていて、せっかくコックをしたときにできていた、手首の「タメ」が失われています。

これは「アーリーリリース」と呼ばれ、インパクトで上手くボールをヒットすることができません。

腕が伸びて、手首のタメが早く解けてしまうことによって、ヘッドは力なくインパクトゾーンに入り、遠心力だけでボールに当たります。ヘッドスピードがないその状態では、飛距離も伸びません。

ダウンスイングで脇を締めることが、コックをキープするコツになります。

トップからダウンスイングへは、腰から切り返しを行い、体重移動を開始します。ダウンスイングで脇を締め、胸が飛球線と逆に向いていることを意識しながら、肘を身体に引きつけます。このときも、脇を締めるイメージでするとやりやすいです。

繰り返し練習し、ダウンスイングでのこの感覚を養うことで、自然と手首のコックを保ちながらダウンスイングができるようになります。

インパクトでもコックを保つこと

グリップが右足前まで来るまでは、手首の角度を保ちます。コックが解けるのは、フォロースルーで、と考えて良いでしょう。

インパクトで大切なのは、アドレスの位置に手の位置を戻すことです。コックが解けてしまうと、インパクトで左手首の角度が変わって、アドレス時よりも手が身体から離れたインパクトとなってしまいます。

インパクトで手をアドレスの位置に戻すためのコックの保ち方で注意することは、ダウンスイング以降の、左肘の向きです。

トップで真下を向いている左肘を、自分のお腹ほうへ向けて、身体に引き寄せることを意識してみてください。

そうすることで、手が身体の近くに下りてきて、コックの角度を保ったままインパクトできるようになるはずです。

左肘がお腹以外の方向を向いてしまうと、手が身体から離れてしまいます。そうなると左手首のコックを保つことができず、フォローで左肘がたためず、フェースが返せないため、ミスショットにつながってしまいます。

フォロースルーでコックはリリースされる

getty

インパクト後のフォロースルーでは、いったんコックが解けます。

インパクトで手の位置がアドレスと同じ場所に戻れば、手と身体の距離も正常なものとなり、自然と手首が返ります。

フォロースルーでは、手首を折らないことを強く意識しましょう。

もし、意識的に手首を甲側や手のひら側へ折ってしまうと、ボールが左に飛ぶミスが出やすく、スイングが乱れてしまう可能性が出てきます。

自然とコックがリリースされるとはいっても、その位置が本当に正しい位置でリリースされているかどうかを知るやり方のひとつに、「素振り」があります。

ただの素振りではなく、クラブを逆に持ち、クラブヘッドを握った素振りです。

クラブヘッドを持った状態で素振りをすると、「ビュン」と風を切る音がしますが、その音がボールのある位置の少し左から聞こえれば、正しい位置でリリースされているということになります。

リリースが早過ぎたり遅過ぎたりすると、ボールのある位置の右や、だいぶ左などの違う位置から音が聞こえてきます。

自分の一連のスイングの中で、リリースが正しい位置で行われているかを確認するために、この方法を用いてみましょう。

違った場合は、どこかでコックが解けてしまっていないか、身体と腕の位置は適切かどうかなど、一つ一つチェックしてみてください。

フィニッシュで自然にコックが戻る

getty

腕が地面と水平になるあたりから、また自然と手首がコックされ、フィニッシュを迎えます。

理想のフィニッシュでの手首は、力を入れ過ぎず、また抜くこともなく、フォロースルーまでの流れと勢いを保つことが大切です。

ゴルフスイングでフィニッシュまでくると、つい自分のたった今飛んでいったボールが気になってしまい、無意識に手首に力が入ってしまったり、逆に抜いてしまったりしてしまいます。

アドレスからフィニッシュまでが一つのゴルフスイングです。コックを意識しながら、自分のスイングに自信を持って、自然できれいなフィニッシュを迎えられるようにしましょう。

コックを身につけて効率のいいスイングを目指そう!

getty

「ボールが狙った通りに飛んでくれない……」

「いつまでたっても飛距離が出ない……」

「スコアが思うように伸びない……」

こういった初心者にありがちな悩みの解決法は正しいコック(手首の使い方)にあるといっても過言ではありません。

最初のうちは、コックに気を取られてスイングがバラバラになってしまうかもしれません。

しかし、そこでコックが向いていないかも、などと諦めることはしないでください。

自分がやりやすいタイミングを見つけた瞬間、飛距離も方向性も劇的にアップするのがコックなのです。

なかなか身につけるのは難しいのですが、まずはテークバックでどのタイミングでコックを入れ始めて完成させるかを意識しながら、練習場で打ってみてください。

自分でもビックリするような球を打てていきますよ。がんばってください!