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ゴルフクラブ

Yanagi@TPIトレーナー&ドラコンプロ

下手を固めるだけ?!レンジボールとコースボールの違いを理解しよう!!

ゴルフショップでじっくり試打し吟味したはずのドライバー、ルンルン気分で行きつけの練習場へ行ってみると、「あれ……? なんか飛ばない……」「むむ……ボールが上がらない?!」なんて経験ありませんか?

ここで無理して、高弾道のナイスドローを打とうと練習してしまうと、スイングを崩してしまう可能性がなきにしも非ず。

ゴルフショップで試打した時との大きな違いは、スイングの乱れによるもでのはなく、コースボールとレンジボールのスピン性能やコアの性能の違いによるものです。

コースボールとレンジボールの差についてはいろいろな記事を散見していますが、これはメーカーによる違いだけでなく、レンジボールが1ピース構造なのか2ピース構造なのかでも大きくボールの性格が変わってきます。

そこで今回は、実際にどれくらいデータの差が出るのか、練習場ではどのような点に注意が必要なのか、データ付きで解説していきます。

レンジボールの特徴

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レンジボールの特徴は、1ピース構造なのか、2ピース構造なのかで大きく違います。

「レンジボールはスピンが入りやすい」「レンジボールはスピンが入らずつかまりにくい」この対極する状況も、実際にはどちらも正しいと言えます。

普段行く練習場がどんなボールを使っているかで違うのです。

コースボールとレンジボールの特徴を簡単に比較すると……

■飛距離
コースボール>2ピースボール>1ピースボール

それぞれ10ヤード程度飛距離が変わってきます。

コアの違いによるボールスピードの低下と、ディンプル性能の違いによって飛距離に差が出ます。

■スピン量
1ピースボール>>コースボール≧2ピースボール

1ピースボールはドライバーでもスピン量が大きく増える傾向があります。

また、コースボールと2ピースボールのスピン量は大きく違いませんが、2ピースボールの方が10%程度スピン量が少なくなる可能性があります。

最近の低スピンドライバーを使う場合、スピン量が2000回転程度の人もいると思いますが、その場合2ピースボールではドロップ気味の弾道になる可能性があります。

しかし、コースボールでは理想的なスピン量である可能性もありますので、2ピースボールを使用しながら、無理に球を上げようとしてはいけません。

■曲がり幅
1ピースボール>>コースボール≧2ピースボール

曲がり幅はスピン量に依存しますので、1ピースボールは曲がりやすく、2ピースボールはつかまりにくい印象になります。

そのため、1ピースボールで左右に曲げている場合でも、コースではそれほど曲がらない可能性がありますし、2ピースボールでつかまりにくいという場合も、コースではつかまったいい球を打てる可能性があります。

■弾道の高さ
2ピースボール=コースボール>1ピースボール

2ピースボールはコースボールより少し高くなる可能性も少しありますが、ほとんど変わらないと思われます。

レンジボールのディンプルによって高さは大きく異なりますので、打ち込んだ感覚で違いを測るしかありません。

1ピースボールは確実に弾道が低くなります。

試打比較!! 実際にデータを取ってみた!

上記はあくまでもメーカーの一般的な回答ですので、今回は実際にどれくらいの差が生まれるのか、「フライトスコープ」を使用して計測してきました。

■試打クラブ・ボール
・ドライバー:テーラーメイド M5 ツアー(7.5度)
・シャフト:ダイヤモンドスピーダー(5SR)
・コースボール:ブリヂストン ツアーB XS
・レンジボール:スリクソン 1ピース
・計測機:フライトスコープ

■計測方法
それぞれ5球ずつ試打し、明らかなミスショットを除いた平均値で比較します。

コースボールでの結果

・初速:70.4メートル/秒
・バックスピン量:2800rpm
・打ち出し角度:13.6度
・キャリー:271ヤード
・ラン:6ヤード
・トータル飛距離:277ヤード
・高さ:124.3フィート(37.9メートル)
・ミート率:1.46

レンジボールでの結果

・初速:67.7メートル/秒
・バックスピン量:3423rpm
・打ち出し角度:13.3度
・キャリー:254ヤード
・ラン:4ヤード
・トータル飛距離:258ヤード
・高さピーク:118.3フィート(36.1メートル)
・ミート率:1.42

「下手を固めない」ように!!

ご覧の様に、飛距離に大きな違いがありました。

ここまでは想像の通りだと思いますが、もっとも注目してほしいのが、バックスピン量と弾道の高さです。

この実験ではそれほど差が付きませんでしたが、レンジボール(1ピース)はスピン量が入るにも関わらず、弾道は低くなります。

そのため、練習場で「いい高さ」と思っていても、コースではやや上がり過ぎの飛距離を損するボールになってしまう可能性があります。

また、レンジボールが上がりにくという視覚的誤差をフィードバックして練習してしまうと、弾道を高くしようと無理してカチ上げる(アジアの大砲)ようなスイングになってしまう場合があります。

これが本当の意味での「下手を固める」練習です。

人間の目やスイングの調整機能は素晴らしいものがありますから、練習場での視覚的なデータからフィードバックを受けて調整してしまうと、まず本場ではいいショットを打つことができません。

レンジボールで打った際、どのような球筋がコースボールでのナイスショットになるのかを確認しておきましょう!!

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