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ゴルフスイング

Yanagi@TPIトレーナー&ドラコンプロ

「地面反力(じめんはんりょく)」を使ってフォースを開放しよう!~意識改革編~

最近のスイング解説やゴルフ雑誌のレッスン記事で「地面反力」という言葉をよく聞きますが、みなさん「なんだか論文みたいで難しそうな言葉だな……」という感じで拒否反応を起こしていませんか?

「地面反力」はゴルフ界で今最も注目されている新しい理論で、タイガー・ウッズがケガからのカムバックの裏にも、この「地面反力」を基にしたスイング理論があります。

その他にも、ジャスティン・トーマスやダスティン・ジョンソン、レクシー・トンプソンなどが、「地面反力」を上手に使って、大きな飛距離を出していますね!

そこで今回は、今持っている力をフルに発揮できる方法として「地面反力」の基礎についてご紹介します。

地球上(陸地)のみんなが使っている「地面反力」

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「地面反力」自体はバイオメカニクス(生体力学)の世界では常識的な概念で、新しく発見されたものではありません。

一方、ゴルフスイングに「地面反力」を取り入れるようになったのが最近であるため、ちょっと聞き慣れない言葉なだけなのです。

「地面反力」は言葉のとおり「地面から跳ね返ってくるチカラ」のことを言います。

つまり、地球上(陸地)で暮らしていれば、意識はしなくとも「地面反力」の影響を受けているのです。

歩くためにも、椅子から立つためにも「地面反力」は使われます。

「地面反力」が存在しないグニャグニャの床であれば、立つことも歩くこともできませんよね?

また、氷の上でボールを投げるのと、通常の地面でボールを投げるのでは、その飛距離が全然違いますよね?

これは、氷上では足から伝えられるチカラが地面に十分に伝わらないため「地面反力」が小さくなってしまい、立てなかったり進めなかったり、ボールを遠くに飛ばせないのです。

ゴルフにおいて「地面反力」は、体の回転運動を加速して、ヘッドスピードを加速する上で重要な役割を果たします。

「地面反力」を上手に使えればヘッドスピードが飛躍的に向上する!

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ゴルフのスイングのメインエンジンはもちろん、本人の筋力であったり、コックですが、これらを鍛えるのは膨大な時間と努力が必要です。

しかし、アマチュアゴルファーの場合は筋肉や関節を上手に連携できていない人がほとんどで、筋トレをしてパワーアップしても、それほど飛距離は変わりません。

飛距離を出すために最も大切な「ヘッドスピード」は、「筋肉」に伴って大きな「地面反力」が働いた時に、そのスピードは最大になります。

体の一部を鍛えるよりも、それらがどのように連動して、末端のゴルフボールまでチカラを余すことなく伝えることができるかのほうが重要になるのです。

ゴルフスイングの軸は3本ある!?

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「地面反力」を理解し利用する上で、まずは「軸」の概念を修正する必要があります。

初心者の頃は「頭を動かすな!」と多くの人が指導されてきたと思います。これはバックスイングで右を向き、フォローでは左を向くといった「垂直軸」を重視する動きからの指導です。

確かに、ゴルフにおいて「垂直軸」は大切ですが、それだけでは足りません。

「地面反力」を使う上では体の縦方向の回転軸となる「前後軸」、体の起き上がり(クラブに遠心力に対抗する動き)の軸となる「飛球線方向軸」があります。

そしてこの3本の軸は「丹田」で交差しており、人間の体が三次元的に動く際の座標的な役割をしています。

いままで軸が1本と考えてスイングしてきた人には違和感があると思いますが、「地面反力」、つまり地球のチカラを十分に受け取るためには「前後軸」の活用が重要ですので、少しずつ意識改革していきましょう!