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プロゴルファー

Taddy Bear

ステップ・アップ・ツアーはLPGAトッププロへの階段!〜前編〜

LPGAツアー(通称レギュラーツアー)、ますます盛り上がっています。

2019年度の大会数は39、賞金総額は39億4500万円に達しました。

でも、大会出場権と賞金の恩恵を受けるためには年間シードを獲得するかQT(クォリファイングトーナメント)で上位に入らなければなりません。

いわばLPGAヒエラルキーのトップ。

その頂点を目指して切磋琢磨するフィールドがステップ・アップ・ツアーです。

LPGAツアー参戦までの熾烈な戦い!

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最初に、LPGAツアーへ出場できる資格について簡単に説明しましょう。

1年間のツアーで獲得賞金上位50名には翌1年間の出場権が与えられます。

シード選手ですね。

51位から55位までは翌年開幕から第1回目のリランキングまで(2019年度はアース・モンダミンカップ)参戦できます。

56位以下の選手は年間ツアー終了後に開催されるQTファイナルに参戦し、上位に入れば同じく第1回目のリランキングまで出場できます。

ただし、QTで出場権を得た選手はリランキングまでの大会で結果を残さないとQTリストの下位になってしまい、出場が難しくなります。

QTランクに「何位までが出場できる」という確約はなく、あくまで「出場優先順位」です。

各試合の出場者数によって上位からのリスト順で決まりますが、40位までであればほぼ全試合出場可能、50位までがボーダーラインと言っていいでしょう。

LPGAツアー出場資格は他にも前年度や当該年度の大会で優勝経験のある選手とか、賞金ランク1位は翌年から3年間とか、いろいろあって複雑なのでここでは割愛しますね。

以上から、LPGAツアーはシード選手も含めてトップ100人程度しか出場できないのです。

かくして、出場資格を持たない選手は「翌年こそLPGAツアーに!」と願いを込めてステップ・アップ・ツアーに参加するわけですね。

LPGAツアーに参戦できるのは賞金ランク1位と2位だけ!

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ステップ・アップ・ツアーは、LPGAツアーの出場権を持たない選手やプロテストに合格した新人の育成を目的に設立されました。

発足当時の1991年は2大会しか実施されませんでしたが2019年度は20大会、賞金総額も4億2000万円まで増えています。

ちなみに8大会終わった段階でランクトップのヌック・スカパン選手が獲得した賞金額は約1469万円。

LPGAツアーのリランキングに当てはめると第7位前後に入るほどです。

ただし、ステップ・アップ・ツアーからLPGAツアーへの出場権が得られるのは年間獲得賞金ランク1位と2位のみ、しかもQTと同じく第1回リランキングまでとなっています。

かなり厳しいですね。

じつは2016年度まで、ステップ・アップ・ツアーの大会優勝者にはLPGAツアー4試合の出場資格が与えられていました。

しかし、この資格でLPGAツアーのシード権を獲得できたのは横峯さくら選手と諸見里しのぶ選手ぐらいなもの。

多くの選手はせっかく出ても上位に食い込めないどころか予選落ちが続くことから現行システムに改正されました。

このことからも、LPGAツアーのレベルの高さが分かるでしょう。

ステップアップした選手を追うとLPGAツアーが面白くなる!

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LPGAツアーの出場権は年間獲得賞金ランク1位と2位にしか与えられませんが、3〜10位はQTファイナルから参加することができます(賞金ランク11位以下でも大会優勝者であればQTファイナルから出場可能)。

QTファイナルは72ホールストロークプレー。

大会で言えば4日間競技の一発勝負で翌年の出場順位が決まってしまうわけですから、シード権を持たない選手にはツアー競技以上の緊張が強いられることになります。

ましてステップ・アップ・ツアー参戦者の相手になるのはシード権を持たないとはいえ、LPGAツアーを戦い抜いてきた選手たち。

それでも、その緊張に打ち勝って目覚ましい活躍をしている選手もいます。

2018年度のステップ・アップ・ツアーでランク3位の丹萌乃選手は同年QTファイナルで7位通過を果たしました。

ランク10位の渋野日向子選手はQTファイナルこそ40位通過でしたが、2019年度LPGAツアーでは今年のメジャー大会初戦、ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップで見事優勝、新規大会の資生堂 アネッサ レディスオープンで早くも2勝目を挙げています。

ステップ・アップ・ツアーから成長した選手を追うとLPGAツアーがもっと面白くなります。

LPGAトッププロを目指す選手たち、応援したいですね。