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Gridge編集部

ルール違反からルール内に戻す!?テーラーメイドM5/M6、驚きの新発想!

ごきげんよう、Gridge編集部のヒッティです。

2019年1月11日、テーラーメイドの新製品発表会がありました。

どっと話題になっていますが、その全容を詳しくご紹介したいと思います。

新しいテクノロジー「スピードインジェクション」

約3年前に発表されて以来、高い人気を集めているMシリーズ。

昨年発表されたM3/M4もまだ記憶に新しいですが、そこで注目されたのが「ツイストフェース テクノロジー」。

フェース面がねじれている(ツイストしている)ことによって、芯を外して当たっても補正がかかり真っすぐ飛ばすことができる! という新発想は世界に衝撃を与えました。

ツイストフェースで「真っすぐ飛ぶ」ようになった先に、何が追求されるのかというと……そう、飛距離性能です。

今回のM5・M6の最大の特徴は、「スピード インジェクション」というテクノロジーです。

フェース面に開けられた小さな穴から、レジン(樹脂)を注入するとのこと。一体なんのために!?

まだまだ「飛ぶ」クラブは作れるはず!

上の図は発表会で用いられたスライド。ドライバーを作るときの規定値の曲線です。

ゴルフクラブはサイズや重量などはもちろん、反発係数もR&AとUSGAの定めた規定があります(図の「ルール適合上限」)。

テーラーメイドなどの販売数量の多いメーカーは、大量生産していく過程でブレ(製造誤差)が生じてしまうので、反発係数が規定内に収まるように余裕をもって作るのが一般的でした(曲線中央の白い部分)。

その大量生産した商品の中から、契約ツアー選手などには特に規定に近いギリギリの反発性能を持つクラブ、通称「ツアースパイシー」と呼ばれるクラブを厳選してこれまでは渡していました(オレンジの部分)。

今回のテーラーメイドの挑戦は、それらを上回る飛ぶクラブの追求でした。もちろんルールの範囲内で。

どうやって限界を攻めるのか?

まず、一度リミットを無視してルール上限を超えたクラブを作ってしまいます。

そこから、1本1本バランスを見ながら10グラム以下のレジンを注入(インジェクション)して調整し、規定値内に収める。

この逆転の発想が「スピードインジェクション」です。

画像はM5ドライバーの内部構造。空洞が大きく、クラウンもソールも極限まで薄くしてあるのが驚きでした。

MシリーズのMは、「Multi Material」のMだそうですが、この素材のコンビネーションを見ると納得です。

とても手間がかかっているようですが、効率化を図り調整も自動で行うそうで、製造の時間はM3/M4とさほど変わっていないそうです。

さらに、ツイストフェースも薄肉化し進化しています。

ソールのフェース側の溝「ハンマーヘッド2.0」との合わせ技で、効率よくパワーを伝えます。

Mシリーズは、奇数がアスリートなどのハードヒッター向け、偶数がエンジョイゴルファーなどのやさしく飛ばしたい人向けに設計されています。

M5は重心位置を動かせる「リバースTトラック・システム」が搭載されており、後方(ヘッドのお尻側)にT字型にスライド領域が伸びています。

操作しやすい435ccの小ぶりなヘッドのM5ツアーも同時に発売されます。

M6は重心の移動はできませんが、低・深重心の設計で高い寛容性を過去のシリーズから継承しています。

フェアウェイウッドも同時ラインナップ

ドライバーだけでなく、アイアン・フェアウェイウッド・レスキュー(ユーティリティ)も同時に発売。

それぞれにテクノロジーが詰まった渾身の新作となっています。

M5もM6も初速が速い! 気がする(笑)

私ヒッティの試打インプレッションですが……とても打ちやすいですね!

試打クラブのシャフトがSかSRの重めしかなかったので、正確に自分の適正スペックで比べることはできませんでしたが、構えた感じとインパクトの打感はとても良かったです。

ヘッドスピード39m/s(メートル/秒)程度であまりリストターンしないわたしのスイングでは、M6の方が振りやすく感じました。

ちなみにテーラーメイド社長のマーク・アレンさんもM6をお使いだそうです。

「私はハイ・ハンディキャッパーだから、楽に飛んでくれるほうがいいんだ」と謙虚におっしゃっていました。

個人的には、ドライバーよりも飛距離が上がったと感じたのはフェアウェイウッドでした。

Mシリーズの他のウッドに比べ、楽に上がりました。

5番ウッドで190ヤードくらい……これって、私の今のドライバーのキャリーと変わりません(笑)。

量販店でテストできたら、シャフトも合わせて打ってみたいと思います。楽しみです!