ゴルフスイング
Nick Jagger
方向性バツグン!?クロスハンドグリップのメリットとデメリット
パッティングのグリップにはいろいろなスタイルがありますけど、オーソドックスなグリップに対して、ある意味で真逆なのが、「レフトハンド・ロー」とも呼ばれているクロスハンドグリップです。
パターは他のクラブ同様、まず左手でグリップエンドの近くを握り、次に右手を少し下にずらして、左手の親指を包み込むように握るのが普通ですが、クロスハンドグリップは左右の手が逆、左手がグリップの下側になります。
数多くのメジャーチャンピオンが採用
クロスハンドグリップが一躍注目されたのは、当時パッティングに悩んでいたベルンハルト・ランガー(写真)が85、93年のマスターズを制したからです。
当時は「変則グリップ」「邪道」と言われていましたが、現在ではローリー・マキロイやジョーダン・スピースら多くのPGAツアーのプレーヤーが、このクロスハンドグリップを採用しています。
特にLPGAツアーでは、アニカ・ソレンスタム、カリー・ウェブ、朴セリなど歴代の女王たちもクロスハンドグリップで、多くのメジャータイトルを獲っています。
そういえば、2年連続で日本ツアーの賞金王を獲った今平周吾もクロスハンドですね。
最大のメリットは右手を殺すこと
クロスハンドグリップには一体どんなメリットがあるのでしょうか?
その理由を一言で言えば、“右手を殺す”ためです。
ショートパットで押し出したり、引っ掛けてしまうのは、多くの場合、右手が余計な動きをするからです。
しかし、クロスハンドグリップにすると、右手がほとんど使えず、左手主導になるため、方向性が良くなります。
ほかにも、左手が下になることで、両肩を結んだ線が水平になり、ラインが出しやすくなります。
左手首の角度をキープしやすく、左腕とパターの一体感が得られるなどのメリットもあります。
欠点は距離感が出しづらいこと
ただし、欠点もあります。
それは距離感が出しづらいということです。
右手は悪さをする半面、やはり左手よりも繊細であるため、距離感は右手の感覚に頼っている部分が強いのです。
クロスハンドは、その右手を殺してしまうのですから、ロングパットになるほど距離感は出しづらくなるのです。
プロのように、パットの練習時間をグリーン上でそれほどの取れないアマチュアにとって、パターの握り方を変えるには勇気と決断が必要になるでしょう。
しかし、ショートパットが苦手という人は、試してみる価値はあります。
ただし、その場合は、途中でグリップを元に戻さないほうがいいかと思います。
それではいつまで経っても、自分のものにならないからです。
ただ、実戦で試さなくても、たまにお遊びで練習グリーンでクロスハンドで打ってみることは、決して悪いことではありません。
左右それぞれの手の使い方など、それまで気付かなかった発見もあるはずです。
まずは遊びで試してみて、そこで感覚がつかめてきたら実戦でも採用してみるといいでしょう。