ゴルフスイング
Nick Jagger
テンプラを防ぐには、もっと球を上げるつもりで打ったほうがいい!?
揚げたての海老や鱚(きす)の天ぷらは美味しいですよねぇ。
あなたは天つゆ派、それとも塩派?
……なんて話ではありません。
ゴルフでテンプラといったらよくあるミスショットのひとつですが、あの手ごたえのないインパクト、ボールは空高く舞い上がり、飛距離もまったく出ないガックリくるショックの大きいミスです。
しかし、その原因を知っているアベレージゴルファーは多くはありません。
ほとんどの人はティーアップが高過ぎたり、アッパー軌道が極端だったなんて誤解していませんか?
テンプラの原因はダウンブローにあり
テンプラが出た次のホールでは、今度は低いボールを打とうと、レッスン書に書いてある通りにティーアップを低くして打ったらまたしてもテンプラ、なんて経験を持つゴルファーも多いのではないでしょうか?
ひとつ理解しておかなければいけないことは、アッパー軌道でインパクトすれば、打ち出されたボールは高く上がってもスピン量は少なくなるということです。
今から約30年前、メタルウッドがポピュラーになってから、パーシモンヘッド時代と比べるてもスピン量は少なくなっているのですが、最近のクラブはさらにスピン量は減り、ボールが高く上がるような設計で飛距離も出るようになっています。
その分、ゴルファー自身も力むようになってしまったことで、インパクトでのクラブの動きが不安定になっています。
また、クラブフェースの芯も広くなっていて、ミスヒットした場合でもあまり感触が変わらないことも、アマチュアゴルファーのインパクトを曖昧にしてしまい、実際にレベル(水平)に振るインパクトゾーンができない理由になっています。
クラブヘッドの進化だけでなく、シャフトの長尺化による振り遅れが手打ちにつながり、やはりボールの弾道が安定しない原因をつくっています。
特にテンプラやトップなどは勘違いによるものが多いようです。
実際のテンプラの原因は、皆さんがすくい打ちだと思っている正反対のダウンブローによる場合が多いのです。
つまり、クラブが鋭角的に入ってくるのが一番の原因なのです。
それを低いボールを打って修正しようと、低いティーアップにすれば、さらに鋭角にクラブヘッドが下りてきてテンプラを助長させるだけです。
極端なテンプラであれば、ターフが取れたりして原因は分かりますが、大概のテンプラはインパクトでのクラブの動きが理解できていないので、自分の身体が突っ込んでダウンブローに打っている自覚症状がないのです。
もっとアッパーに高いボールを打て
もし、ラウンド中にテンプラが連発してしまったら、もっと高いボールを打つイメージでスイングすることです。
クラブヘッドが鋭角的に入ってくるのを直すには、自動的にアッパーブローに打つ逆療法が一番手っ取り早い方法なのです。
ティーアップを高くしてアドレスすれば、視覚的にも自然にアッパーの軌道になります。
おそらく、ボールを高く上げようとするほど、バックスピンが減少し、ボールが上がらないということが理解できるでしょう。
これだけで体が突っ込むクセが修正され、ボールを体の正面でヒットできるようになります。
これはインパクトのイメージを持っていないゴルファーに効果が高く、すくい打ちによるトップを防止するために鋭角的に振り下ろすのと同じ理屈なのです。
思い描いた球筋と正反対のボールを打とうとすればするほど、それができないところがゴルフの不思議なところといえる逆療法の一例です。
ショートホールでも高めのティーアップを
テンプラというミスショットはドライバーショットだけでなく、長いパー3でフェアウェイウッドやユーティリティクラブを使うときにもよく出ますよね。
アイアンショットのように地面スレスレの低いティーアップではなく、指1本入るくらいの少し高めのティーアップをするといいでしょう。
そのほうがスムーズに不安なくスイングできますし、正しいインパクトでヒットできるからです。
ただし、それ以上高くしてしまうと、アッパー軌道が極端になって、左に引っ掛けてしまいますから注意してください。