ゴルフスイング
Nick Jagger
ラフからのショットは払い打つのが正解!
私たちが普段プレーするゴルフコースのラフの長さは、通常30~40ミリくらいではないでしょうか。
日本オープンのコースセッティングのように、足首まですっぽり隠れてしまうようなラフのコースは、ほとんどありませんよね。
それでもティーショットがラフに入ってしまえば、フェアウェイから打つショットと比べると、難度は高くなり、スコアにも影響してきます。
ラフからショットを打つ場合、アベレージゴルファーの大半は、芝の抵抗に負けまいと、通常よりもグリップを強く握り、上から強くダウンブローに打ち込む傾向にあります。
さらに、ボールの手前のラフに食われて、クラブフェースがコントロールできずに、ボールがどこに飛び出してしまうのかわからない恐怖心から、さらに強く握り、本能的にクラブフェースを被せる傾向が見られます。
グリップを強く握れば、自然に上体にも力が入ります。当然、バランスが崩れ、本来のスイングはできなくなり、ミスショットという結果につながるのです。
力めば力むほどラフの抵抗は増える
基本的には、ラフではボールとクラブフェースの間に必ず芝が挟まります。
このことを考慮したら、フェースを被せる分だけ、フェースが芝に広くぶつかるということですから、さらに抵抗は増えますし、上からダウンブローに押さえつける動きをすれば、クラブヘッドはさらに深いラフに入っていきます。
つまり、力めば力むほど芝の抵抗は増えるのです。
ラフからのショットを打った後、クラブフェースを見てください。
アマチュアゴルファーのほとんどの人が、フェースの上部で打っていることでしょう。
その原因は、伸びたラフに入ったボールが沈んでいるように見えても、ボールと地面の間には隙間があるので、打ち込んだ結果、フェースの上でヒットしているのです。
ということは、ラフからのショットは、打ち込むよりも払い打ちが正解なのです。
払い打つことで、インパクトでの芝の抵抗は軽減され、安定したショットが打ちやすくなるのです。
クラブヘッドの入り過ぎを抑えることが、ラフからのショットの一番のポイントといえるでしょう。
アベレージゴルファーはむしろアッパー気味に打て
クラブを被せ気味にして構えるアマチュアとは逆に、プロはラフが深くなるほどクラブフェースを開きます。
その理由は、クラブヘッドがラフの中で絡まるのはフェースではなく、ネックであることを知っているからです。
ネックに芝が絡まると、クラブヘッドは返りやすくなってしまうので、最初から開いておくのです。
アベレージゴルファーはフェースを開いたら、ラフの抵抗に負けてしまうという先入観があるので、ラフが深くなるほど被せてしまいますが、ネック部分が返ってしまうのを抑えるには、フェースを少し開いてアッパー気味にスイングするといいでしょう。
その理由は100切りレベルのゴルファーは払い打ちよりもアッパー軌道のイメージで振ったほうが、インパクトよりもフォロースルーに意識がいきます。
スイングイメージとしては、バックスイング4、フォロースルー6の割合でスイングしたほうが、芝を上手く刈り取れるのです。
上から打ち込む意識は、反対にトップからインパクトまでの力みを助長させてしまうので、力みやすい人は極力レベル(水平)、あるいはアッパーに振って、クラブヘッドが深く入り過ぎないようにすることです。
ラフからのショットでのキーポイントは、芝の抵抗をできるだけ減らすということなのです。
フライヤーは計算せずに、通常の番手で打つ
最後にラフからのショットでよく問題になるのがフライヤーです。
トーナメント中継を観ていると、プロがラフからのショットを放ち、グリーンに直接着弾させると、バックスピンがかかっていないため、ボールは止まらず、グリーンの奥まで転がってしまうシーンをよく見かけます。
芝の抵抗に負けて、飛距離が落ちてしまうのか、プロのようにフライヤーになって飛び過ぎてしまうのか、当然考えてしまいますよね。
ただ、普段我々がプレーするコースでは、残り距離に合った通常の番手選びで問題ないと思います。
バックスピン量は当然減りますからピタッと止まりませんが、ラフの抵抗によってキャリーの距離が落ちた分だけランが増えて、プラスマイナスを計算すると、トータルでいつもの番手とほぼ同じ距離というわけです。
ヘッドスピードによって飛び方の差は多少ありますが、一般的なヘッドスピード(ドライバーで38~42メートル/秒程度)、ラフの長さを考慮すると、飛び過ぎをそれほど心配する必要はありません。
ランが多い分、フライヤーになったと思う人もいるかと思いますが、逆に6番アイアンよりも大きいクラブになると、ロフトが立っている分、芝の抵抗に負けて、番手よりも飛ばないドロップボールが出てしまうことも覚えておきましょう。