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ゴルフスイング

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脱力スイングをマスターしよう!飛距離が伸びて安定性もアップ

飛距離を伸ばそうとしてスイングに力が入ってしまい、かえって飛ばなくなってしまったりミスショットしてしまうのはよくあることです。

実は、真っすぐ遠くまで飛ぶ爽快なショットのコツは、脱力なのです。

この記事では、ゴルフスイングにおける脱力のメリットや、スイング中に意識するべきポイント、自宅や練習場でもできる練習ドリルをご紹介していきます。

力を入れて頑張って振っても思うような飛距離が出ないと悩んでいた方、まずは、力を抜いていきましょう!

脱力とは? 全身の力を抜くことではないって本当?

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まず脱力と言われると、全身の力をだらだらに抜いて、タコのようなイメージを持つ人がいると思います。

しかし、ここで言う脱力とは、そのようなことはなく、「必要な場面以外は力を抜くこと」のことを指します。

全身の力を抜いてしまっては、スイング中に身体の軸がブレてしまい、クラブヘッドをボールに当てることすら難しくなってしまいます。

ゴルフのスイングでは、多くの人が、「リラックスして打て」とか「脱力したほうがいい」と口にします。

けれど、その言葉を鵜呑みにすることなく、真っすぐ遠くへ飛ぶ気持ちのいいショットは、“適度な脱力”から生み出されるということをしっかりと覚えておきましょう。

プロのかっ飛ばすショットを見ると、一見、力を込めて筋力で球を運んでいるように見えますが、彼らはしっかりと脱力するポイントを押さえています。

だから、軽々と驚異的な飛距離が出せてしまうわけです。軽く振っても飛ぶスイングを目指したいならば、脱力をマスターすることは不可欠です。

上半身は脱力、下半身は力を入れる

それでは、“適度な脱力”をする部位とは、具体的にどの部分のことなのでしょう?

答えは、「上半身」になります。

多くの人は、「より遠くへ飛ばしたい」「必ずこのショットをグリーンに乗せたい」など、いまから打つ1打に対しての想いを抱えています。

しかし、スイングというものは下半身主導であり、上半身は下半身の動きに引っ張られる形で動くものが正解です。

上半身は、主に腕の力を抜いておき、下半身は、しっかりと力を入れて、ショットの始めから終わりまですべてを支えるようにしておきましょう。

上半身が力むとミスショットを誘発!?

力みって、たかが力の入れ過ぎでしょ? と軽く見ている人も多いと思いますが、実はこの力み、ミスショットの多くの原因になっているのです。

脱力が上手くできず、上半身に力みが残ってしまっている状態でスイングをしてしまうと、スイング中に、無意識に手を使い過ぎてしまったり、スイング中のリズムが乱れてしまったりすることが考えられます。

そうなると、ダフリやトップ、スライスやシャンクなど、ミスショットを連発してしまう可能性が高くなります。右腕に力を込め過ぎると、当たってもボールが左に飛んでしまう“引っ掛け”が出ることも。

上半身の力みとは、ナイスショットの大敵と考えても良いでしょう。

脱力するとスイングスピード・パワー・安定性が飛躍的にアップ!?

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上半身の力を抜き、脱力することで、今までのショットよりも、スイングスピードやパワー、安定性が飛躍的にアップします。

例えば、一般の男性アマチュアゴルファーよりも、体格では劣る女子プロゴルファーが、はるかに彼らをしのぐ飛距離でドライバーを飛ばしていきますよね。

ヘッドスピードの数値も、一般男性並みにあるはずです。

その秘密は、彼女たちはしっかりと脱力をしているからです。

もちろん、インパクトでのミート率なども飛距離に関係してきますが、脱力を上手く取り入れたスイングにより、ボールへ最大限の力を伝えているのです。

プロゴルファーのスイングを見て、「あんまり力を入れていないように見えるのに……」と、呟くアマチュアゴルファーがいます。

力を入れていないからこそ、その飛距離を出すことができている、ということを覚えておきましょう。

メリット大! 脱力スイングの方法

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それでは実際に、脱力スイングのやり方を見ていきましょう。

グリップを握る際の力の割合から、アドレス、テークバック、トップ、切り返し、ダウンスイング、インパクトと、スイングを細分化し、正しい動きを理解していくことが大切です。

アドレス時のグリップは2割の力

まずは、アドレスです。

アドレス時のグリップは、どれくらいの力を入れていますか?

一度、グリップが握った両手で思い切り力を加えてみてください。

どうでしょう? 手だけではなく、グリップを思い切り握った時、腕にも肩にも背中にも、力が入ってしまうことを体感できると思います。

こんなに力が入ってしまうと、身体の動きは固く、スイングアークは小さくなってしまい、思い通りのスイングとはかけ離れた結果となってしまいます。

アドレスでは、思いっ切り握った時の力を10割として、グリップは2割の力を目安に、左手の親指に右手の生命線を重ねる形でソフトに握るように心掛けてみてください。

テークバックは右股関節から始動

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テークバックは、右股関節からスタートし、右の股関節を右後ろポケットに押し込む感覚を持ってみましょう。

こうすることで、上半身に余計な力が入りません。

重要なことは、右股関節からスタートすることであり、決して、腕を使ってゴルフクラブを上げるのではないと言うことです。

先端から上げてしまう人が非常に多いですが、本当に脱力をした状態というのは、テークバックで先端が遅れてくることが自然なのです。

トップでは首が長く見えると良い

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トップでは、力を入れて正しい位置で止めることはありません。

あくまでテークバックからの流れに追随し、下半身が回り切ったところでトップも止まるよう、腕を使ってそれ以上振り上げないように気を付けましょう。

「飛ばしたい」と思うあまり、下半身が回り切ったあとも、無意識に腕を振り上げてしまう人が多く見られます。

しかしそうしてしまうと、クラブヘッドが正しいスイング軌道から外れ、インパクトで元の位置に戻って来づらくなってしまいます。

また、トップに持ってきた時点で、両肩に余計な力が入っていないかを確かめます。

両肩に力が入ってしまっていると肩が上がっているように見えますので、トップの状態で首が長く見える状態が正解です。

切り返しはクラブを振り下ろすことではない

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切り返しでも、トップで保った脱力を、そのままに行います。

両肩を、そのままトップに置いておく意識を持つと、左腰と左肩の間が大きく伸びて、バネのような状態を生み出すことができます。

腕の力を使わず、重力に任せてクラブの重みで下ろしていく感覚を持ってみましょう。

上げたグリップの端から、クラブを落とすようなイメージです。

腕でゴルフクラブを振り下ろさないことで、良いリズムを保ちながら、タメを作ることができ、力感のないスイングを実現することができます。タイミングも取りやすくなります。

ダウンスイングでは左股関節を後ろに押し込むように

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ダウンスイングでは、テークバックで右股関節を後ろに回した反動を使って、左股関節を後ろに押し込むように入れていきます。

上半身の力を抜き、ダウンスイングの途中までは切り返しの時と同じ、重力に任せた自然な落下の力を使ってクラブを下ろします。

この時、腕の力を使ってしまうと、切り返しから自然にできている手首のコックがほどけてしまう可能性があります。

コックがほどけてしまうと、せっかくトップで溜めた力をインパクトでボールに伝えることができなくなってしまいますので、その点も気を付けましょう。

グリップが肩より下に来たところで、右腰を一気にターゲットの方向に押し込むように下半身を回します。

インパクトでは頭を逆に移動

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インパクトでは、さすがに力を入れないと飛ばないのではないかと、つい余計な力を加えてしまう人がいます。

けれど、その必要はありません。

インパクトでも力を抜いたままでいることで、ミート率も上がり、インパクト効率も良くなり、結果、飛距離が出るインパクトを生み出すことができるのです。

上半身に無駄な力が入らないように、インパクトの瞬間、頭を飛球線とは逆に移動させるイメージで、遠心力にすべてが引っ張られないようにすると良いでしょう。

クラブヘッドと自分の頭が引っ張り合うような状態を作り出します。

実際にしてみるとわかりますが、こうすることで上半身がボールに向かって突っ込むことがなくなり、クラブヘッドが構えた場所に自然と戻ってきます。

グリップを緩くしていても、インパクトの瞬間には無意識にグリップが飛んでいかない程度の力が手のひらに加わりますので、意識して力を入れることはしないようにしましょう。

フォロースルーでも上半身はついていくだけ

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上半身は下半身に引っ張られるだけです。

ここまで脱力することができているのであれば、もう少しです。

ここでも上半身は何もせずに、下半身に引っ張られて、テークバックで右足に乗せた体重を、インパクト以降、フィニッシュに向かって、左足へ移行させていきます。

フォロースルーにも正しいスイング軌道が存在しています。

切り返しからインパクトまでのダウンスイングと、前から見て左右対称になるスイング軌道を抱くことができれば、ボールは真っすぐ飛んでいきやすくなります。

ここでへんに力を入れてしまうと、そのスイング軌道通りにはゴルフクラブが進まない恐れがあります。

すべてに共通することですが、下半身の動きに、上半身はついていくだけです。

フォロースルーでも、それを徹底していきましょう。

フィニッシュはピタリ!

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フォロースルーからフィニッシュを取った時、その一連のスイングが、“脱力できているスイング”だったどうかは、静止できるかどうかで見てとれます。

できれば、フィニッシュを迎えたら、すぐに形をほどかず、2、3秒静止してみましょう。ふらつきがなく、ピタリと止まることが理想的です。

脱力ができていない、力を込めてしまったスイングでは、フィニッシュで静止できないことが多く、足が出てしまったり、ふらついてしまったりということが散見されるのです。

ゴルフクラブのシャフトは、背中へ斜めに当たるような形です。

女性や若い方など、身体の柔軟性が高い方は、さらに捻じれが加わり、振り切って静止したあとに、シャフトと地面が水平になっている場合があります。

今の自分では、一連の流れがどうなっているのか確認しながら、理想的な脱力スイングに近づいていきましょう。

脱力スイング2つのポイント

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脱力スイングは、マスターをすれば得られるメリットが大きいスイングです。

ポイントは2つあります。それぞれ確認していきましょう。

ポイント1.腕とクラブの軌道を妨げない

腕とクラブの軌道を妨げると、無意識に減速や迂回する気持ちが働き、余計な力が入ってしまいます。

テークバックは、上に記載したように、腕でクラブヘッドを上げていくのではなく、右股関節から始動していきましょう。

そうすることで、腕で上げてしまっては身体でつっかえてしまうクラブが、右股関節が先に動いてスペースができることで、通り道を作ることができます。

ダウンスイングでは切り返しで左股関節を後ろに押し込む動きをしたところにできたスペースにクラブを通していきます。

その際、身体が伸び上がって腰が前に出てしまうと、右腰が身体の前に出てしまい、手の通るスペースが狭くなってしまいます。そうならないように気を付けることが、1つめのポイントです。

ポイント2.身体をバネのように使う

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上半身は脱力した状態で、下半身先行でしっかりと動いていくと、身体が引き伸ばされ、バネのようにしなり戻る動きが置きます。

この動きにより、筋力が最大限のパワーを発揮します。

力を入れていないのにボールが飛ぶ秘訣というのは、実はここに隠されていたんですね。

本人は軽く振っているつもりなのに、身体を正しく使うだけで、無意識に筋肉がキチンと仕事をしてくれているのです。

お手本はデンデン太鼓! イメージして身体を使ってみよう

ひとつひとつの動きを見ていっても、頭が理解するまで時間がかかってしまう!

そういう人は、スイングイメージを「デンデン太鼓」にしてみませんか?

身体が太鼓で、腕は、紐です。

太鼓の軸の部分を指先でクルクルと回すと、紐が遠心力によって浮き、デンデンと音を鳴らします。紐自体の力は皆無というのに、なんと力強く太鼓を叩いてくれることでしょう。

ゴルフの脱力スイングも、このイメージです。

自分がデンデン太鼓になったイメージを持ちながら、スイングをしてみましょう。

腕に力を入れてしまうと、テークバックとフォロースルーのリズムが一定でなくなることも多々ありますが、デンデン太鼓を見てみると、それらのリズムは必ず一定です。

そのあたりも意識していくと良いでしょう。

脱力スイングの練習ドリルを取り入れよう

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脱力は、しようと思っても身体のどこかに力が入ってしまい、なかなか意識的に行うことが難しいです。

そのため、無意識に入ってしまった力みを取るために、練習ドリルを行いましょう。

個人によって方法は様々ですが、効果的な2つをご紹介します。

アドレスで先に力んでおく

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1つ目は、先に力んでおく、という練習ドリルです。

アドレスを取ったら、あえて上半身の筋肉に思い切り力を入れましょう。

グリップから手のひら、腕、肩、腹筋をカチカチになるように力を入れ、その状態を数秒間キープします。

そして、これ以上力めないというくらい力んだら、入れた力を一気に抜いて、脱力しましょう。

上半身から力が抜け、完全に脱力した状態を味わうことができるはずです。

いままで力んでいた人にとっては、緩み過ぎていないかと思うかもしれませんが、そう思うくらいの脱力が良いです。

完全に力が抜け切れていない人は、これを二度三度、繰り返してみましょう。

簡単な動作ですが、脱力をするのにとても効果的です。

脱力素振りでフィニッシュに意識を

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スイングに力みがある状態でボールを打つと、フィニッシュにふらつきなど、きれいな静止ができません。

そのため、「フィニッシュがきれいに取れるくらいの脱力感」を素振りで体感していきましょう。

ボールを打とう、飛ばそうと意識することで力みが出るのなら、アドレスから一連のスイングで、最後はフィニッシュの形を決めることを目的にすれば、力みはなくなります。

そのスイングで振られたクラブのヘッドの位置に、たまたまボールがあって、当たっただけ、という考え方です。

まずはボールを置かない状態で、何度もきれいなフィニッシュを取るために、素振りを繰り返しましょう。

本番でも同じように振っていくことで、脱力したスイングができますよ。

脱力スイングで飛距離アップを目指そう!

いかがでしたか?

正しい脱力スイングは、上半身の脱力と下半身の正しい使い方によって大きなパワーを生み出すものです。

マスターすれば楽に飛距離アップできる可能性もあります。ぜひ参考にしてください!