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ゴルフスイング

Taddy Bear

引き出しを増やそう!グリーン周りのアプローチは臨機応変に!

ナイスオン! のはずがちょっと大きかったり小さかったり。あるいは傾斜で転がり落ちたり。

こんな時のボールのライ、ピンまで短いからといってやさしいわけではありません。使うクラブや打ち方はライに合わせて臨機応変に対応しましょう。

グリーンの奥に転がったら乗せることが最優先

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一般的なコースでは、グリーン周りに3タイプの芝を配置しています。

1つはカラー(collar:襟という意味。「色」のスペルはcolor)。芝の長さはグリーンより若干長めで10ミリ前後。

2つめはファーストカット。セミラフなどとも呼ばれていますね。長さは20〜25ミリ。

そして3つめはラフ、長さは50ミリ前後。

もちろんコースによって長さは変わってきますし、ファーストカットの幅も変わってきますが、カラーは概ね30〜50センチ前後の幅となっています。

これら芝の長さに加え、順目と逆目、ピンまでの距離と傾斜を総合的に判断することが最適なアプローチショットにつながります。

とはいえ、グリーン周りからのアプローチは、短いから、ハザードがないからといってカンタンなわけではありません。

プロでもライ次第では2打でカップインできず、時には4打費やす時もあるほど。とくに、ショットがオーバーしてグリーン奥に転がった時は厄介ですね。

これも一般的ですが、グリーンの多くはフェアウェイに向かって下り傾斜、つまり『受け』ています。

当然、グリーン奥は下り傾斜がきつくなるのでオーバーするとカラーはおろかファーストカットでも止まらずその下のラフまで落ちてしまいます。

スタンスは左足上がり、打ち上げ角度は大きくなる上に下り傾斜に向かってのアプローチとなるので難易度は高め。

こんな時はワンピン以内などと高望みせず、とにかくグリーンに乗せることを優先しましょう。

パターを使うならグリーンまでの芝の抵抗を考える

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グリーン奥からのアプローチは、自分が得意、あるいは不安を感じないショットがベスト。

ピン位置が近いからエッジにフワリと落として、なんて考えて練習も十分にしていないショットをすれば、ダフったりトップしたりするのがオチです。

グリーン奥のラフに比べれば、カラーやファーストカットは難易度が下がります。

もっとも安全なのはパターを使うこと。確実にグリーンへ乗せられます。

ただし、ピン位置が遠く芝が長いファーストカットからパターを打つ場合は、芝の抵抗がどの程度転がりに影響を与えるのか考えておく必要があります。

傾斜が上り、芝が逆目といったライではかなり強めに打たないとピンに寄りません。

またファーストカットでは芝の抵抗がかなり強くなります。抵抗に負けるとダフったりインパクトが弱くなったりするのでしっかりストロークしましょう。

カラーでも下り傾斜は要注意。パターはボールに順回転を与えるので、下りは加速して転がっていきます。

誰でもカップを過ぎて加速していくパットは怖いもの。しかし、その怖いという心理はストロークの緩みを生み出します。

インパクトのポイントが緩んで外れれば、当然のごとくラインは不正確。

パターが安全、というのはあくまでグリーンには乗る、という保険に過ぎません。

グリーン周りでパターを優先するのであれば、コースに行った朝、必ず練習グリーンでカラーの場所からパッティングの感覚を確認しましょう。

芝目や芝の長さ、傾斜によってはパター以外のアプローチのほうがピンに寄ることもあるのです。

ピンへ寄せるならアプローチの引き出しを増やす

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プロのトーナメントを見ていると、カラーの位置からでもパターを使わずピッチングウェッジ(PW)やアプローチウェッジ(AW)を使う選手が多くいます。

中にはハイブリッド(ユーティリティ)で転がす選手もいますね。

これ、パターでカラーの芝にどの程度『食われる』か計算するよりも、カラーの部分を飛び越してグリーンに乗せたほうが距離をつかみやすいからです。

ちなみに『食われる』というのは芝の抵抗、摩擦係数が高くなることで距離が落ちること。

芝がボールの回転を『食っちゃう』という意味ですね。

グリーン周りでは確かにパターが安全。しかしピンへ近づくためのアプローチをするならショットの引き出しを増やすことが大切。

臨機応変な対応がスコアメイクにつながります。

ピンまでの距離が近いほど安心できるPWを使ったショット

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とはいえ、いろいろなアプローチを習得するには時間と(若干のお金)がかかります。

そこで、もっともカンタン、しかもオールラウンドで使えるアプローチをご紹介しましょう。

PWを使ってパッティングのように打つ方法です。

グリーン周りなどの近距離からPWを使う時はピッチショットが一般的。

ただし、あまりに距離が近いと強く入るのを避けようという心理が働き、インパクトが緩みがちになります。

逆に芝が長かったり上り傾斜の時はフォローが取れずダフったり。

その点、スイングがパッティングと同じであれば余計な力が入らずフォローもスムーズに取れます。

打ち方は前述したようにとてもカンタン。

ボールの位置はパッティングと同じ。グリップ位置はパターの長さに合わせます。ストロークもパッティングとまったく同じように振ります。

コツはPWでショットを打つ時よりもボールに近づき、ヒールをやや浮かせてボール4分の1個分程度トウ側でヒットすること。

距離はパッティングよりも2〜3割減で想定すること。

ボールに逆回転がかかるので下りでも安心して打てます。ファーストカット程度であれば芝の抵抗もそれほど気になりません。

ピンまで5〜10ヤードと近い距離、比較的フラットなライであれば使いやすいアプローチショットです。

自宅のカーペットでも素振りはできますが、ボールを打つのは避けたほうが賢明です。浮いたボールが床に落ちた時の『ゴン!』という音、意外に響きますから。