ゴルフスイング
Nick Jagger
スライスは大きく3種類!自分がどのスライスかをチェックして対策しよう!
一口に「風邪」といっても、発熱したり、咳き込んだり、鼻水が出たり、その人によって、症状が違います。
症状によって、処方箋も違ってきます。
それは、アマチュアゴルファーの難病「スライス病」も同じです。
スライスと一口に言っても、最初から右に飛び出して、さらに右に曲がっていくプッシュスライス、ほぼストレートに飛び出してから右に曲がっていくストレートスライス、一度左に出て右に戻ってくるプルスライスの3つのスライスボールがあります。
これらのスライスには、それぞれ違った処方箋があります。
あなたのスライスボールが、これらの中のどれに該当し、球筋の傾向がほぼ決まっているとすれば、原因は比較的早く探り出すことができるでしょう。
プッシュスライサーは左手のリードでダウンスイングをする
右に飛び出し、さらに右に曲がっていくプッシュスライスは、スライスボールの中でも、最悪の球筋といえるでしょう。
右の林や池、あるいはOBゾーンに打ち込むことありますし、なんとしても直したい球筋です。
スライスボールの原因は、スイング軌道がアウトサイドインのカット打ちだと思っている人が多いようですが、このプッシュスライスを打っている人が、インサイドアウトのスイング軌道に修正しようとしたら、最悪の結果が待っていることでしょう。
なぜなら、プッシュスライスの原因はスイング軌道がインサイドアウトになっていて、インパクトでクラブフェースが開いているためだからなのです。
ダウンスイングで右肩が下がり、左わきが大きく空くと、シャフトが寝た状態になって、クラブヘッドがインサイドから下りてきます。
そして、そのままアウトサイドに振り抜いていくわけですから、その際クラブフェースが大きく開くために右に飛び出して、さらに右に曲がるボールとなるわけです。
なぜ、そうなってしまうかというと、まず、ダウンスイングで右ひじを絞ろうとし過ぎているのです。
タメを大きくしようと考えると特にそうなりやすく、実際には左わきが空いて、シャフトが寝てしまいます。
次に体を目いっぱい使って大きく振ろうとしますと、肝心の腕が振り遅れてしまいます。
3つめは、ボールを上げようという気持ちが強過ぎ、ダウンスイングで右肩が下がってしまうことなどが原因として考えられます。
プッシュスライスを直すには、ダウンスイングの際に右手や右ひじが働き過ぎることを封じ込めなくてはいけません。
トップから左手のリードでダウンスイングをしてみてください。この時、左わきが空かないようにフォロースルーへと導くと、両手がスムーズに返って、インパクトのタイミングが合ってきます。
左わきを締めることによって、右わきも自然に締まり、それが両肩の正しい回転を促してくれるのです。
右手で左上腕を軽く押さえて素振りをしてみると、左手リードのダウンスイングの感覚がわかるはずです。
ストレートスライスは、両手が右腰の高さに下りるまでコックを解かない
ストレートスライスは、スイング軌道はほぼインサイドインでありながら、インパクトでクラブフェースが開くために生じる球筋です。
この種のスライスが頻発する人は、ある意味では「もう一息」と言えるでしょう。というのは、スイングの基本が身に付きつつあり、それほど間違った動きはしていないからです。
ただし、ダウンスイングで左肩や左腰が早く開いてしまうところがあり、そこを直せば、きれいなストレートボールが打てるようになるはずです。
左肩や左腰が早く開いてしまうのは、ダウンスイングの際にリストコックを解く(リリース)タイミングが早くなることが原因です。
つまり、ボールを打ちにいこうとするためにコックが早く解け、右肩が前に突っ込む形となり、それが左肩や左腰の引きを生み、インパクトでクラブフェースが開いてしまうのです。
ストレートスライスを直すには5番アイアンなどを使って、コックをリリースするタイミングを覚えると効果的です。
トップでは左手首が親指側にコックされますが、ダウンスイングで両手が右腰の高さに下りてくるくらいまでは、その形をキープするようにしてください。
つまり、左手のリードで振り下ろし、グリップエンドをボールにぶつけるイメージです。
このイメージによって、自然にタメができます。
両手が右腰の高さに下りた後は、両手を素早く返してフォロースルーに導いていきます。
プルスライスは左腰をスライドさせるイメージで振り下ろす
ボールが左に飛び出し、途中から右に曲がるプルスライスは、フェアウェイをキープしやすい球筋とはいえ、飛距離をかなりロスしてしまいます。
プルスライスの原因には、多くのことが考えられます。チェックしたいのは、グリップとアドレスです。
グリップがウィークになっていないか、体が目標よりも左を向き過ぎていないかをまず確かめてみましょう。
次はバックスイングです。
右ひじが浮き上がることなく、アドレス時の両肩と両腕の三角形がキープされているかどうか、もう一度チェックしましょう。
ダウンスイングで左肩や左腰が早く開いてしまうのもプルスライスの原因ですが、それ以上に左腰が引けるミスを起こしていることが原因と考えられます。
つまり、下半身のリードでダウンスイングができておらず、体重が右足に残ったままでボールを打ちにいくため、左腰が引けてしまうのです。
そうなると、左肩も早く開き、アウトサイドインのスイング軌道になり、さらにリストターンができず、クラブフェースが開いた状態でインパクトを迎えるのです。
ダウンスイングで左腰が引けやすい人は、下半身リードの動きを徹底的に練習しましょう。
クラブは5番アイアンなどを使用するといいでしょう。
トップまで振り上げたら、ダウンスイングの始動の際、まず左ひじをアドレス時の位置に捻り戻します。
この時注意するのは、左腰を目標方向にややスライドさせて、左サイドのカベを作ってしまうことです。
この動きをマスターすれば、もうプルスライスに悩まされることはないでしょう。