ゴルフスイング
風と草の大地
直ドラ練習でスイングのブレを無くそう!
トーナメントプロも試合では滅多に使用しない「直ドラ」。
ラウンドで使用するにはちょっと怖いかもしれません。しかし、練習場での直ドラはスイング作りにはもってこいの練習なんです。
そもそも直ドラって?
直ドラを知らない人のために少しだけ説明します。
直ドラとは、本来ティーアップして打つドライバーをティーアップせずに、地面にボールを直接置いたままフェアウェイウッドの如く打つことを指します。
ロフトが立ったクラブで地面から打つので、とても低い弾道で勢いよく飛んでいくのが特徴です。
ラウンドで使うという場合は、フェアウェイで左足上がりの順目という良いライで使うのが一番楽かもしれません。
使用場面としては、残り距離が遠い上に風が強く、弾道を高くすると大きく曲がる危険がある際に使用します。
しかし難易度もかなり高く、冒頭でも書いた通りプロも滅多に使用しない高等テクニックです。
どういう意図で直ドラ練習?
「プロもラウンド中あまりやらない直ドラをなぜ練習?」と疑問に思う方も多くいると思います。
もちろん練習場での直ドラには、カッコつけという不純な目的でなく明確な目的があります。
それは「ヘッドの入射角を安定させる」「スイング中の身体のブレをなくす」ということです。
直ドラを行うとボールに対してのクラブの入り方の許容範囲が極端に狭くなります。
下からあおらずにしっかりフェースがスクエアにならないと上手く当たらずにダフリ、チョロを連発してしまうのです。
左即死球も抑制
ティーアップをして空中にあるボールを打つドライバーショットは、あおり打ちからのチーピンという大きなミスのリスクを背負っています。
チーピンの原因にも様々な原因がありますが、その原因の1つとして、球を上げたいが故に下からあおってしまうことがあります。
下からあおってなおかつフェースも被るので、チーピンが持病の人にはこの練習はもってこいです。
直ドラ練習を行うと、ボールの下に空間がないので下からあおることができず、スイングの矯正になるのです。
ツアー選手も直ドラはしっかり練習している
2020年6月の国内女子ツアー開幕戦「アース・モンダミンカップ」で5年ぶりとなるツアー通算4勝目を挙げた渡邉彩香プロも、練習では直ドラを行っていると公言しております。
本人は「自分の調子を確かめるため」にやっていると言い、彼女自身直ドラをコースで使うことはほとんどないと言います。
では、なぜ練習に取り入れているのかというと、直ドラはボールに対するクラブの入りがとてもシビアで、スイング中に自分の体がちょっとでもブレてしまうとクリーンにヒットすることができないからと説明しています。
自分の悪いクセが出ていないか、スイングをチェックする意味合いが大きいそうです。
いきなり直ドラは怖い
とは言っても、いきなり練習場で直ドラを行うと思いっ切りダフりそうで怖いですよね?
そんな時はアイアン用のティーアップから始めると良いと思います。
ティーが上下に動くタイプの打席なら一番低い状態、ゴムティーを交換するタイプなら一番短いゴムティーを使いましょう。
この状態ならわずかにボールの下に空間があるものの、アドレスした時はほとんどティーアップしていると感じないので、直ドラを行うにあたっていい練習になると思います。
このショートティーアップドライバーショットをしばらく練習し続けて慣れてきたころに、本番である直ドラを行ってみましょう。
練習時のポイントは?
直ドラ練習と言っても、普通のティーアップの時と同じように振ると当然厳しいものがあると思います。
まずはグリップを短く持ってコンパクトに振りましょう。
当然ティーアップがない(低い)ので、いつもよりは弾道が低くなりますがそこは完全に無視してオーケーです。
さらに練習場のレンジボールは元々弾道が低くなりやすいので、地面から1メートルくらいしか上がらないってことも普通にあり得ます。
初めのうちは弾道が低くても気にせず、いかにきれいにボールにコンタクトしているかという部分にフォーカスして練習してください。
ハッキリ言って「ボールを高く打ち出したい」というのは雑念です。この意識を持っているうちは直ドラの上達スピードはかなり鈍くなります。
ボールは小手先で上げるのではなく、クラブのロフトとバックスピンが勝手に上げてくれます。
直ドラ練習をしているとこの部分にも気付けるので、スイング全体がキレイに整います。
直ドラの副産物
直ドラの練習にもだいぶ慣れてきたころ、ぜひ打ってみてほしいクラブがあります。
キャディバッグのお飾りになっている人も多い3番ウッドです。
大体予想付きますよね? そうです、3番ウッドより長く球が上がらないクラブで打ててるんだから3番ウッドなんて驚くほど簡単に感じます。
これでも3番ウッドが全然打てないという場合は、9割の確率でドライバーからフェアウェイウッドのクラブのつながりがズレている可能性があります。
こうなってしまったら専門の人に相談してクラブを買い直すなりシャフトを入れ替えるなど考慮したほうが良いです。
最低限重量フローさえあっていればある程度打てるはずです。フレックス、トルク、調子、ライ角、フェース角、重心距離などなど考え過ぎると迷宮入りしますよ(笑)。