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ゴルフスイング

Nick Jagger

100ヤード前後のアプローチは3つの振り幅で対応しよう!

アマチュアゴルファーがなかなかスコアをアップさせることができない大きな要因の1つは、100ヤード前後のアプローチショットの距離感が上手く合わせられないからでしょう。

100ヤード前後のショットを毎回カップにピタッと寄せることは難しいと思いますが、せめて10ヤード以内にいつも寄せられれば、スコアは飛躍的にアップするはずです。

そのために大切なアプローチショットの距離感は、スイングの振り幅でコントロールしなければいけないと言われています。

多くのレッスン書などには、「時計の文字盤をイメージして、バックスイングを8時の位置まで上げたら、フォロースルーは4時の位置まで出すような左右対称のスイングで距離感を合わせましょう」と書かれていますが……。

スイングの振り幅は3つで十分

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しかし、実際のところ時計の針のような振り幅をイメージして、距離をコントロールしているプロゴルファーはほとんどいません。

基本的にはリズムよく、安定した振り幅が距離感を合わせやすいので、厳密な振り幅は必要なく、振り幅の大きさも3つあれば十分なのです。

それは手を腰の位置まで上げるハーフショット、肩まで上げるスリークォーターショット、耳まで上げるほぼフルショットの3つです。

これをピッチングウェッジ(PW)、アプローチウェッジ(AW)、サンドウェッジ(SW)を使って打てば、3×3で9パターンの距離を打ち分けられます。

例えば、それぞれのフルショットの距離が115ヤード、100ヤード、85ヤードだとすると、スリークォーターショットは105ヤード、90ヤード、70ヤード程度に、ハーフショットは95ヤード、80ヤード、60ヤード程度になるでしょう(ヘッドスピードや各番手のロフトによって異なります)。

これだけで、100ヤード前後のアプローチショットの距離は大体網羅できることでしょう。

時計の文字盤のように細かい振り幅は、アベレージクラスのゴルファーには、練習ではともかく、実戦では繊細過ぎるテクニックではないでしょうか。

アマチュアゴルファーは飛び過ぎる構えをしている

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アマチュアによく見られるミスの原因として、アプローチショットに臨むアドレスに大きな問題があります。

それはピンまでの距離に対して、飛び過ぎてしまうような構えをしていることです。

具体的に言うと、スタンスが広過ぎるということ、グリップエンドまで目一杯長くクラブを握っているという2点です。

そのアドレスから短い距離を打とうとすれば、インパクトを緩めるしかありません。

また、その構えからでも小さな振り幅で打てばいいのではないかと思うかもしれませんが、大きなアドレスから小さな振り幅でスイングするというのでは、リズムを合わせにくく、振り幅のコントロールをしづらいのです。

言い方を換えれば、打ちたい距離に合った振り幅は、構えの大きさに関係しているのです。

皆さんも一度はやったことがあると思いますが、まだビギナーの頃、両足を揃えて、ドライバーを打たされませんでしたか?

このドリルの目的は、腕の振り方がわかっていないビギナーに、軸を安定させて体の正面でインパクトする意識を覚えさせるためのものです。

小さく構えていますから、大きくは振れません。そうすることで、スイングにもいいリズム感も生まれてきます。

スイングリズムは人それぞれですが、その人に合った拍子でスイングをすると、小さいエネルギーでも適正な距離が得られます。

ポイントはスタンス幅とグリップの位置

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近くのピンに対して、それでは大き過ぎるというアドレスをしているゴルファーは、スイング緩めてしまいます。

その結果ミスも多く、距離感が合わない人が多いと述べましたが、これはビギナークラスに見られるタイプです。

小さい構えができていないのですから、本能的に加減してしまうのが原因なのです。

また、その逆のタイプのゴルファーもいます。

ピンまでの距離に対して小さく上げて、インパクトでパンチを入れてしまう人です。

このことはパッティングでも言えることなのですが、どちらかというと比較的ゴルフ歴が長い人に多いようです。

というのも、過去にミスをたくさん重ねてきた経験があるため、小さく上げても、振り幅に関係なくインパクトの強さでだけで、距離感をイメージしてしまっているからです。

これも前者と同様に、本能から来るミスと言えるでしょう。

振り幅に気を取られることなく、距離に応じた振り幅のアドレスをイメージすることが大事なのです。

ポイントは前述したように、スタンス幅とグリップの位置です。絶対にしてはいけないアドレスが、距離以上に大きく構えるということです。

大きく振ってスイングを緩めるのは、距離感が合わないだけでなく、ザックリ、トップといったミスにもつながりますので、距離に対して適正な構えを作ることが、アプローチの上達のカギになるのです。

3つの振り幅のキャリーの距離を覚える

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前述しましたハーフショット、スリークォーターショット、ほぼフルショットの3つの振り幅は、一番イメージしやすい幅でしっかりキャリーでの距離感を作ります。

腰の高さのハーフショットは、テークバックで両手が右腰の高さで止まったところで、シャフトが地面と平行になり、最もクラブの重量が感じられる場所がトップになります。

肩の高さで止めるスリークォーターショットのトップは、左腕が地面と平行で、クラブがほぼ垂直に立ちます。

フルショットでもクラブの重量の感じ方や手の高さが、それぞれ異なることを確認し、それぞれのポジションで安定したキャリーでの距離感を作ります。

なぜ、トータルの距離ではなく、キャリーの距離を重要視するかと言うと、実戦では距離がわかっていても、バンカー越えやピンポジションによってキャリーを正確にコントロールする必要があることと、ボールが落ちてからのランの計算をするためにも、全体距離からキャリーを打ち分けなければいけないからです。