ゴルフスイング
Nick Jagger
こんな時どうする?よく出くわす難しい状況のバンカーショット
グリーンサイドにあるガードバンカーからのショットと言っても、いろいろなシチュエーションがありますよね。
ライも良く、アゴが低いバンカーであれば、基本通りのエクスプロージョンショットで脱出できますが、そんな簡単ではない状況にしばしば出くわします。
今回は、誰でも経験したことのある「アゴの高いバンカー」「砂が柔らかくフカフカのバンカー」「雨で硬く締まったバンカー」の対処法を紹介します。
アゴの高いバンカーはフェースを返さず、右足体重で振り抜く
トリッキーなゴルフ場で、時々遭遇するアゴの高いバンカー。
自分の背よりもアゴが高いなんてこともあると、もうお手上げというゴルファーも多いでしょう。
しかし、1メートル以内のアゴでしたら、打ち方さえ覚えれば、アマチュアゴルファーだって出すことはできるのです。
まず大切なのは構えです。
基本的には、ピンまでの距離の短いバンカーショットのアドレスと同じです。
●クラブのフェース面が空を向くくらい開く
●45度くらいのオープンスタンスにする
●ボールの位置は左足かかと線上にセットする
●クラブはスタンスと平行にアウトサイドインに振る
●コックを使って、クラブヘッドを走らせる
●フィニッシュまでしっかりと振り抜く
以上は、距離が短い時と同じですが、高くボールを上げるコツがいくつかあります。
1.右足を砂に潜らせて、右足体重にする
2.通常よりも大きい振り幅で速く振る
3.インパクトはヘッドファーストのイメージ
4.インパクト後に右足に体重を戻す
5.フォロースルーで左ひじを後方(背中側)に抜く
1は、右足体重にすることで左足上がりの傾斜のように、ボールが上がりやすい状況を作ることです。
2は、ボールを高く上げるためにはヘッドスピードが必要ですから、通常のバンカーショットよりもクラブヘッドを走らせるためです。
3はインパクトがハンドファーストになりますと、せっかく空を向いているクラブフェースが立ってしまうからです。
4もロフトを寝かせたまま打つためのコツです。
5もクラブフェースを空に向けたまま振り抜くポイントです。
左ひじを畳みながらフォロースルーを出すと、クラブヘッドが返ってしまうので、左ひじを抜きながら、ヘッドを持ち上げるようにします。
これらの要素を覚えると、アゴの高さなど気にならずに、ナイスアウトできるはずです。
フカフカのバンカーは、フェースを開いてフォローを大きくして打つ
バンカーの砂の種類には、山砂と海砂がありますが、日本のゴルフコースの7割が山砂です。
山砂は海砂と比べ、粒子が粗く、砂にスパイクを埋める時に、硬く締まっているように感じます。
海砂は粒子が細かく、サラサラしていますので、フカフカした印象です。
一般的に、山砂は茶褐色で、海砂は白っぽい色をしていますので、簡単に見分けられます。
では、どちらの砂のほうが難しいかというと、これは圧倒的に海砂です。
まず、柔らかい砂というのは、ボールが転がっただけで砂に沈み込むため、難しいライになりやすいのです。
ショートアイアンの高いボールが落下した場合、ほぼ確実に目玉になります。
したがって、海砂が使われているコースの場合、極力バンカーに入れるのは避けなくてはいけません。
また、ショットの際も、柔らかい砂のほうが、硬い砂よりもボールが出にくいのです。
エクスプロージョンショットをした場合、硬い砂のほうが砂が周囲に飛散しづらく、クラブヘッドの勢いが砂と一緒に伝わりやすいので、少ない力で出しやすいのです。
一方、海砂は砂が大きく飛び散って、クラブヘッドの勢いを吸収してしまうため、ボールに力が伝わりづらいので、より大きな力が必要となるのです。
柔らかい砂から上手く脱出するコツは、クラブフェースをより大きく開いて、サンドウェッジのソールにあるバウンスを強く利かせて打つことです。
サンドウェッジはフェースを開くほど、バウンスがさらに出っ張るように設計されていますので、砂の柔らかさに応じて開き具合を調節すると、いろいろなバンカーに対応できるのです。
柔らかい砂の場合、ヘッドをドンと打ち込むよりも、フォロー側を大きく振るイメージで、ヘッドを振り抜いてやるほうが、上手くボールを拾いやすいし、距離も出しやすいのです。
こうした砂の場合、ボールの手前にヘッドを入れるというより、ボールの真下にヘッドを通すイメージで打つ人がプロの中には多くいます。
濡れてしまっているバンカーは、アプローチウェッジを開いて打つ
雨で砂が濡れますと、砂は締まって硬くなります。
こういう時は、砂が乾いている時とは違った打ち方が必要です。
とは言え、雨で締まった砂というのは、通常のバンカーよりやさしい場合が多いのです。
砂が硬い分、クラブヘッドは砂に潜りにくく、普通ならダフってボールが飛ばないようなヘッドの入り方でも、ある程度ボールが飛んでくれるからです。
ただし、ボールを上げることは難しい状況です。
アゴが高い場合など、ボールを上げなくてはいけない時は、フェースを開いて、バウンスを使うわけですが、砂が硬くなっていますので、バウンスが跳ねやすく、トップしやすいのです。
こういう時は、サンドウェッジではなく、ピッチングウェッジやアプローチウェッジを使い、フェースを開いて打つのです。
サンドウェッジよりもバウンスが少ないので、フェースを開いても、ソールが砂に弾かれにくいからです。
この場合、エクスプロージョンショットというよりも、むしろアプローチと同じ打ち方になります。
ヘッドを上からドンと打ち込むと、やはりソールが跳ねてしまうからです。
もう1つ、ピッチングウェッジやアプローチウェッジを使うメリットは、サンドウェッジよりもロフトが少ないため、グリーンに落ちてからのランが多いということです。
雨の日は当然グリーンの芝も濡れているので、普段の距離感で打つと、思ったよりもボールが転がらず、ショートしてしまうことが多いのです。
アプローチウェッジなどを使えば、その分の転がりを補えるというわけです。