ゴルフスイング
おっ3
ポイントは左膝!アナログの体重計で体験する『地面反力』
最近は、体重計もデジタル化していますよね。
でももし、写真のようなアナログの体重計があれば、『地面反力』を体感することができます。
さて、どんな方法で体験できるのでしょうか?
加重・抜重の実感!
最近のスキー板は、『カービング』という、短くてトップとテールの幅が広く、クビレの強い板が主流です。このタイプの板は、傾けるだけでターン可能です。
しかし、『おっ3』が年間40日以上もスキー場で過ごした時代の板は、そうはいきません。2メートルもの長さの板でターンするためには、『加重』と『抜重』、かかとの蹴り出しができなければ、きれいなシュプールを描くことはできなかったのです。
『おっ3』は、本格的にスキーを始めたのが遅かったので、子供のように感じるだけでは上手くなりません。
そこで、『加重』、『抜重』を実感する方法をインストラクターに聞きました。それが、アナログの体重計を使ったイメージトレーニングだったのです。
体重計の上で!
『加重』と『抜重』の体感は、そんなに難しくはありません。アナログの体重計を見つけるほうが難しいかもしれません(笑)。
見つけたアナログの体重計に、乗ってください。ご自分の体重をしっかり確認してくださいね。
では、アドレスの時のように少し膝を曲げてみましょう。膝を曲げた状態でも体重は変わりませんよね。
しかし、急に膝の曲げ伸ばしをすると針は大きく振れます。乗っているほうの体重は変わらないはずですよね。
これが、『加重』と『抜重』の正体です。
ポンッと伸び上がる瞬間に、一瞬だけ針は体重が増えたかのような動きをします。
直後に極端に体重が減る方向に針が振れると思います。
反対に、スッと沈むとその瞬間に針は体重が減る方向に動きます。直後に体重が増える方向に針が振れます。
ゴルフ場の浴場などにアナログ体重計があるかもしれませんが、家の外でこれを何度も繰り返すと『怪しい人』に見られるかもしれないのでご注意くださいね(笑)。
で、これが、『加重』と『抜重』で起きている現象です。
加重と抜重を利用する!
『おっ3』のスキー技術は、明確に『加重』と『抜重』を利用します。
写真の状態の時には、加重の状態でエッジを立てて板をコントロールします。
そして、方向を切り替える直前に谷側のストックをつき、山側に伸び上がります。これが抜重の動きです。雪面への圧力が弱まるので、それを利用してエッジを反対側に切り替えてターンします。
ゴルフもスキーと同様に、『加重』と『抜重』を足裏と股関節の動作で行います。スキーのトップデモンストレーターにはゴルフ上手が多いのも頷けます。
では、ゴルフにおける『加重』と『抜重』の動きについて、名手のスイング動画で確認してみましょう。
ベン・ホーガンとサム・スニードに見る、加重・抜重
PGAツアー通算64勝のベン・ホーガンと、PGAツアー通算最多82勝のサム・スニードにご登場いただきましょう。
二人の名手のスイング動画をじっくりとご覧ください。
当時としては、ホーガンもスニードも『飛ばし屋』です。
小ぶりなパーシモンのヘッドにスチールシャフト、糸巻きボールの時代なので、現代のスイング理論とは異なる部分はあります。
しかし、やはり見事なスイングです。
ホーガンの『静』に対して、スニードは『動』の雰囲気がありますが、二人には、共通部分が多いと思います。
特に『加重』と『抜重』に関しては、共通点が多く認められます。
バックスイングでは、右足をしっかりと踏みしめる『加重』動作、注目は、インパクトに向かって左膝を伸ばしていく『加重』動作です。
体重計での実験の際に、膝を伸ばす動作の時の体重計の針の動きについてまとめましたよね。ホーガンもスニードも左膝を伸ばしながら踏みしめることで、地面にしっかりと『圧力』をかけていると思います。
もう一度アナログ体重計の針の動きを思い出してください。
膝を伸ばす動作で、針が重いほうに振れたあと、一気に軽いほうに振れ戻ります。
『加重』最大の後に『地面反力』が生まれ、その後に『抜重』に切り替わります。
この『抜重』が、大きなフォロースルーにつながります。
体格以上の飛距離を生む動作
『加重』『抜重』動作から生まれる『地面反力』は、体格以上の飛距離をもたらしてくれると思います。
PGAでも勝利を修めた小平プロはその良い例と思います。
身長172センチ体重70キロと一般的な日本人男性と体格的には変わりませんが、飛距離と方向性を兼ね備えたスイングの持ち主です。
インパクトの瞬間をとらえたこの写真でおわかりいただけると思いますが、両足のかかとが浮き上がり、両膝も伸び切るほどに『地面反力』を使っています。
『加重』『抜重』はスイングの流れの中で生まれるものです
スイングは、アドレスからフィニッシュまでの流れでとらえたほうが良いと思います『加重』『抜重』だけにフォーカスするのは避けてください。
動きの中で、『加重』から『地面反力』を引き出してから、『抜重』に向かうよう意識しましょう。
しっかりと『加重』してから、『地面反力』を使うと今までにないヘッドスピードを体感できるかもしれません。
慣れるまでには少し訓練が必要ですが、試してみる価値は大いにあると思います。