プロゴルファー
もーりー
日本女子ツアーから外国人選手がいなくなる?~LPGA会員と単年登録者【後編】~
皆さんゴルフを楽しんでいますか?
こんにちは、ライターのもーりーです。
年に1回開催されるプロテストに合格することでLPGA会員資格を得られること、そしてLPGA会員の資格がなくても、QT(クオリファイングトーナメント)を受けて結果を出せば日本女子ツアーに参戦できることは前回説明させてもらいました。
しかし来年以降は“LPGA会員”の資格がこれまで以上に重要になってきそうです。
プロテスト以外でLPGA会員になれる方法
LPGA会員になるにはプロテストに合格する必要があります。
ただ2017年以降はプロテスト以外にもLPGA会員になれる条件が追加されました。
ひとつ目は試合に勝つこと。
日本女子ツアーの試合で優勝すれば、プロテストを受けずにLPGA会員取得の申請をすることができます。
この制度を利用して昨年LPGA会員になったのが、現在アメリカ女子ツアーで大活躍中の畑岡奈紗選手です(日本女子オープンなどの優勝によって権利を獲得)。
またイ・ボミ、キム ハヌルといった外国人選手たちも同様の権利を使ってLPGA会員となりました(制度が変わる前はプロテスト以外にLPGA会員になる方法がなかったので、2年連続賞金女王のイ・ボミ選手ですらLPGA会員になれなかったのです)。
ふたつ目は賞金ランキングで50位以内に入りシード選手になること。
2017年の時点では“3年連続賞金ランキング50位以内”となっていましたが、今年からは単年でOKとなりました。
LPGA会員しかQTを受けられなくなります
このようなツアー優勝者と賞金シード選手にもLPGA会員の資格を与えるという規制緩和の動きには、ある理由があります。
実は2019年度のシーズン終了後からはLPGA会員でなければQTを受けることができなくなるのです(一部救済措置はあるようですが…)。
これにより外国人選手をはじめとする単年登録者(プロテストを受けずにLPGA会員資格を持たないまま参戦中のツアーメンバー)は、2018~2019年のツアーで優勝するか賞金シードを獲得できなければ、日本女子ツアーに参戦できなくなってしまうのです。
今後は新規で日本女子ツアーに参戦するには、必ずプロテストに合格しなければならないということですね。
シード選手である三ヶ島かな選手が今回プロテストを受けたのは、この制度変更が大きな理由です。
単年登録者である三ヶ島選手は、2018年~2019年にツアー優勝するか賞金シードを獲得できなければツアーに参戦できなくなる、というリスクを回避するためにプロテスト合格によるLPGA会員取得を優先させることにしたのです。
日本女子ツアーから外国人選手がいなくなる?
この制度変更により懸念されているのが、日本女子ツアーの“ガラパゴス化”です。
外国人選手たちは、ほぼ全員がQTを経て単年登録者として日本女子ツアーに新規参戦をしてきましたが、今後は海外でどんなに実績があったとしても、LPGAのプロテストに合格することが必須になります。
実績のある外国人選手たちが果たして、プロテストを受けてまで日本女子ツアーに参戦するのか…。
今後は、今までなら日本女子ツアーに参戦するような選手たちの目がアメリカ女子ツアーに向かうのではないか、と言われています(推薦で試合に出場して優勝すれば話は別ですが、そんなことができるのはほんの一握りの選手たちだけですよね)。
イ・ボミ選手をはじめとするLPGA会員資格を持っている外国人選手たちも、時が経てば引退を迎えたり、日本女子ツアーを離れることにります。
そうなったときに、もしかしたら日本女子ツアーから外国人選手が姿を消し、日本人だけのツアーになっているかもしれませんね。
この制度変更が、隆盛を極める日本女子ツアーにどう影響していくのかが気になるところですね。
(了)