プロゴルファー
こせきよういち
スピースがタイガーの記録に並んだ!?~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#55
先週の米ツアー競技「ソニーオープン」。
ネット上、大きな話題になったトピックスのひとつに、大会2日目にジョーダン・スピースが沈めた91フィート(約28メートル)のパットがあります。
この一打は「パッティングの名手」と呼ばれる彼にとっても、人生一番の“ロンゲスト・パット”だったようです。
まずは、上記インスタグラムの動画と、下記リンク先にある別アングルの動画をご覧ください。
カップインしなければ5メートルはオーバーしたと思われるほど、ボールは勢い良くカップに飛び込んでいます。
ところで、この91フィートの超ロングパットですが、ゴルフメディアではさっそく「タイガーと並んだ」と紹介されることになりました。
「タイガーと並んだ」って何?
タイガーは2014年にマーク
ジョーダン・スピースがソニーオープン2日目の5番(パー4)で豪快に沈めた91フィートですが、実はタイガーも2014年の世界ゴルフ選手権「キャデラック選手権(現・メキシコ選手権)」で同じ距離のパットを決めていたのです。
タイガーのとってもうれしそうな笑顔が印象的ですね。
でも、このパットはタイガーが沈めたロンゲストではないんです。
動画は見つからなかったのですが、2001年のツアー選手権で123フィート(約37.5メートル)の超ロングパットを決めているのです。
その動画が見られないのが、とても残念です。
ポーラ・クリーマーは75フィート!
そこで、ここからは過去にとても話題になった、ミラクルなロングパットの動画を紹介しましょう。
最初は、ポーラ・クリーマーの75フィート(約23メートル)。
2014年のHSBC選手権のプレーオフ2ホール目(18番パー5)で、彼女が勝利をつかんだイーグルパットです。
距離は今回のスピースやタイガーには及ばないのですが、左に大きく曲がるラインをきっちり読み切っていたのは驚異的です(下記のリンク先動画を見て!)。
ジャック・ニクラウスは102フィート!
次は、2010年のエキシビション・ゲームでマークされたジャック・ニクラウスの102フィート(約31メートル)。
解説者としておなじみのメジャーチャンピオン=ジョニー・ミラーがニクラウスに「ノー・チャンス」、つまり「ここからは寄せようがない」と訴えると、ニクラウスがそれに応じ、「じゃ、やってみせようか」とばかりに近寄り、さっとラインを読み、さっと放ったパットがこれ。
いやはや、スーパースターはやってのけることがすごい。
これには一緒にプレーしていたトム・ワトソンも、高く挙げた両手を「参りました」とひれ伏すように下ろすリアクションを見せています。
マイケル・フェルプスは159フィート!
最後は、アメリカ競泳界のスーパースター(オリンピックでは、個人種目で計13個、団体種目で計10個の金メダルを獲得)、マイケル・フェルプスが記録した159フィート(約48.5メートル)の超超ロングパットです(カップにピンが立てられたままなので、正確にはグリーン外からのパッティングアプローチです)。
2012年の欧州ツアー競技「ダンヒル・リンクス選手権」(アマチュアがプロと一緒にラウンドするトーナメント)でマークされたもので、舞台はキングズバーンの6番パー4。
当時、フェルプスはロンドン五輪を最後に水泳競技を引退。プロゴルファーへの転向を噂されていた時期です。
名コーチのハンク・ヘイニーのレッスンを受け、真剣にプロを目指していたようですが、間もなく断念。そして、リオ五輪を前に、競泳に復帰しました。
今後、彼の記録を上回るロングパットが記録されるとすれば、やはりアマチュアでしょうか?
プロなら、グリーン上、ピンからこれほど遠くに乗せることは、ほとんどありませんから。