プロゴルファー
こせきよういち
米ツアーの「招待競技」って何?~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#159
今週の米ツアー競技は、ロサンゼルスのリビエラCCで開催される「ジェネシス・インビテーショナル(招待)」です。
昨年まで「ジェネシス・オープン」として行われていた大会が、今年から「招待競技」と呼ばれる特別なステータスに昇格して開催されることになったからです。
この特別なステータスの「招待競技」とは、いったいどんな大会なのでしょう。
「招待競技」は全部で5試合
米ツアー競技の「招待競技」=「インビテーショナル・トーナメント」は全部で5試合。
「ジェネシス招待」の他に、「アーノルド・パーマー招待」(3月)、「RBCヘリテイジ」(4月)、「チャールズ・シュワブ・チャレンジ(オリジナルの名称はコロニアル・ナショナル招待)」(5月)、「ザ・メモリアル・トーナメント」(6月)です。
ちなみに、「RBCヘリテイジ」は2018年に小平智が優勝(下掲の画像)。「ザ・メモリアル・トーナメント」は14年に松山英樹が優勝しています(3つ下の画像)。
このうち「アーノルド・パーマー招待」は、もちろん故アーノルド・パーマーがホストを務めた大会。「ザ、メモリアル・トーナメント」はジャック・ニクラウスがホストの大会。そして、この「ジェネシス招待」のホストはタイガー・ウッズ。タイガーの財団(タイガー・ウッズ・ファウンデーション)が運営するトーナメントです。
米ツアーがこの大会を「招待競技」に昇格したのは、つまりはタイガーをパーマーやニクラウスに並ぶ、米ツアー発展の功労者と認めているからです。
実は、タイガーの財団は2018年まで「ザ・ナショナル(スポンサーは、当初はAT&T、その後クイッケン・ローンズ)」というトーナメントのホストを務めており、同大会も「招待競技」として実施されていました。
ですので、今回はタイガーがホストの「招待競技」が復活したわけです。
少ない出場選手数で開催
「招待試合」が他のオープントーナメントと異なるのは、まずフィールドが小さい=出場選手が少ないこと。
各大会が出場資格を規定し、該当する選手を招待する形式で、「ジェネシス招待」は120人で開催されます。
ちなみに、昨年までの「ジェネシス・オープン」は144人のフィールドで行われていました。
なお、132人で実施される「RBCヘリテイジ」を除いて、他の3つの「招待競技」も出場選手数は120人です。
また、「招待競技」では予選競技(いわゆるマンデートーナメント)は行われず、オープントーナメントにある前週のトップ10入りプレーヤーの出場権も認められていません(通常は、シード権を持たない選手がトップ10入りした場合は、翌週の試合の出場権を得られる)。
優勝者には3年間のシード権
(メジャーやWGCを除く)米ツアー競技では、トーナメントの優勝者には翌年から2年間のシード権が与えられますが、「ジェネシス招待」の優勝者には「アーノルド・パーマー招待」や「ザ・メモリアル・トーナメント」と同様、3年間のシード権が与えられることになりました。
また、「招待競技」昇格にともない、賞金も大幅に増額。
賞金総額は、昨年の740万ドル(約8億円)から190万ドル(約2億円)増の930万ドル(約10億円)に。
優勝賞金も、昨年の133万2000ドル(約1億4600万円)から167万4000ドル(1億8400万円)に増額されました。
こうした“ご褒美”のお陰もあって、今年出場の顔ぶれは豪華。
そのなかで、タイガーのツアー記録更新となる通算83勝目があるのか? 熱戦を期待しましょう。