プロゴルファー
こせきよういち
プレジデンツカップ~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#151
今週はタイガー・ウッズとアーニー・エルスが、それぞれアメリカ選抜とヨーロッパを除く世界選抜のキャプテンを務める対抗戦「プレジデンツカップ」が行われます。
この大会は1994年にスタートし、基本的に2年に1度の開催で今回が13回目。
過去の対戦成績はアメリカ選抜の10勝1敗1引き分け。アメリカ選抜が圧倒しています。
しかし、その1敗と1引き分けには、今大会とちょっとした「縁」があったのです。
世界選抜の唯一の勝利は1998年大会
世界選抜が唯一勝利したのは1998年大会。
そのときの会場は、今回と同じオーストラリアのロイヤル・メルボルンGCでした。
競技は3日間で全32マッチ=対戦(ダブルスが2日間4セットで全20マッチ、シングルスが12マッチ)が行われ、世界選抜が20・1/2 対 11・1/2のスコアで圧勝しています。
このときの世界選抜には日本から尾崎直道と当時29歳の丸山茂樹が選ばれ、ともにチームに貢献しました。
なかでも丸山は全出場機会である5マッチすべてでプレーし、全勝(チーム最多の5ポイント獲得)。
大会のMVPにも選ばれ、一躍世界的なプレーヤーになるとともに、2000年に米ツアーに転身する足掛かりとしたのです。
また、「スマイリング・アサシン(笑顔の暗殺者)」のニックネームが生まれたのもこのときでした。
タイガーもダブルスで撃破
丸山は、ダブルスのフォーサム(各チーム1つのボールをパートナーと交互にプレーするマッチプレー形式)の2マッチはクレイグ・パリ―と。
フォーボール(各チームの良いほうのスコアで競うマッチプレー形式)の2マッチは尾崎直道と、それぞれチームを組んで戦いました。
そして、大会2日目のフォーサムではタイガー・ウッズ&フレッド・カプルス組と対戦(上掲の写真)。
1アップでタイガーの組を倒したのでした。
このときのアメリカ選抜のキャプテン=ジャック・ニクラウスは丸山について、「プレジデンツカップのような大会では、ときに新しいスターが生まれることがある。シゲキ・マルヤマは本当に素晴らしかった。今後、彼の名前は何度も耳にすることになるだろう」と語っています。
タイガーとエルスによる決戦マッチも……
世界選抜が大会2勝目にあと一歩のところまで迫ったのは、エルスの故郷=南アフリカで開催された2003年大会でした。
このときは4日間で全34マッチ(ダブルスが3日間4セットで全22マッチ、シングルスが12マッチ)の対戦が組まれ、3日目の土曜日を終えた時点で世界選抜が12・1/2対9・1/2と3ポイントリード。
最終日のシングルス12マッチは、5マッチで勝利すれば2度目の優勝だったのです。
ところが、そこでアメリカ選抜が奮起。
シングルスはアメリカ選抜の7勝4敗1引き分けで、トータル17対17のタイに持ち込まれました。
勝負はシングルス1マッチのプレーオフで決することに。
そして、選ばれたのが世界選抜はアーニー・エルス、アメリカ選抜はタイガー・ウッズ。そう、今大会のキャプテン同士の対戦でした。
しかし、勝負は3ホールを終えても決着がつかず、日没のため両者無念の引き分けに終わったのです。
さて、13回目の今年は、世界選抜の21年ぶり2度目の優勝となるのでしょうか?
世界屈指の名コース=ロイヤルメルボルンGCを舞台に繰り広げられる熱い戦いを楽しみにしましょう。