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オニオンスライス
あなたならどうする?トッププロのピンチ脱出法②
ゴルフのルールに、プレーの妨げになる障害物がある場合、救済してもらえるというルールがあります。
ただし、なんでもかんでも救済を受けられるとは限りません。
例えば「プレーの妨げになる」という解釈ですが、「前の木が邪魔でグリーンを直接狙えない!」という理由で、木が邪魔にならないところにボールを移動して打っていいのか? というと、もちろんダメに決まっていますよね?
また、動かせる障害物と動かせない障害物によって救済方法も変わってくるので注意が必要です。
動かせる障害物と動かせない障害物
コース内にある人工物がプレーに影響を及ぼす場合、その障害物は「動かせる障害物」と「動かせない障害物」とに分類されます。
例えばヤーデージの杭などはすぐに抜けますが、ギャラリースタンドなどはすぐに動かすのは難しいですよね。
さらに、ウオーターハザード内にボールが入っている場合や、OBゾーンの近くにある杭、さらにバンカーのレイキなど、さまざまなケースによってその救済処置は違ってきます。
詳しい説明は割愛させていただきますが、今回ご紹介するケースでセルジオ・ガルシア選手が動かない障害物として“利用した”のは「ギャラリースタンド」でした。
2017年BMW選手権、最終日
ガルシアは最終日の最終ホールのパー5でトラブルに遭遇してしまいます。
ちなみにBMW選手権はフェデックスカップ(PGAの賞金王レース)のポイント上位70名が出場できる大会で、本大会までのポイント上位30名にPGAツアー最終戦のツアー選手権の出場資格が与えられるという大変重要な大会なのです。
つまり、本大会で優勝争いからは脱落していていましたが、ツアー選手権の出場資格が手に入るかどうかの瀬戸際にいたガルシアはそう簡単に「アンプレアブル」を宣言する訳にはいかなかったのです。
まずは実際の映像をご覧ください
動画は慎重にボールをリプレイスするガルシアの映像から始まります。
最終ホールのロングホール(パー5)、ガルシアは2打目をグリーン横のクリークの岩場に打ちこんでしまいました。
実はこのボール、もう少し後ろのギャラリースタンドの近くの岩のところにありました。
そのボールに対してガルシアはグリーンとは反対の方向にアドレスを取り、
「このスタンドが邪魔になってスイングができない!」
と、オフィシャルに食い下がります。そして20分ほど粘って、ついにフリードロップを勝ち取りました!
しかし、ここで話は終わりません!
救済措置を受けてガルシアの放った第3打は今度はグリーンを飛び越えて反対側のギャラリースタンドへ一直線!
そこでガルシアはまたしても「スタンドが邪魔になる!」ということで、1ホールで2度目のフリードロップを勝ち取るのです!
結果は皆さまご覧の通り、4オン1パットでこのホールをパーで切り抜け、フェデックスカップのポイントで何とか上位30位内に入り、プレーオフ最終戦のツアー選手権の出場資格をゲットしたのでした!
まとめ
結果的にガルシアはルールに則って救済措置を受けて、最後のホールをパーで切り抜けました。
しかしながらこの救済措置を勝ち取るために20分以上の時間を費やし、同伴競技者(今回の場合はフィル・ミケルソン選手)や、後続の選手たちに多大なる迷惑を掛けたことは間違いありません。
このプレーに対しアナウンサーも、「なんとも奇妙な光景です…」と、絶句していましたよね。
確かにルールは守っているかもしれませんが、ゴルフは紳士のスポーツです。
ルールよりもマナーが優先される場合もあるのではと思いますが、皆さまはどう思われますか?