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こせきよういち

祝! セルヒオ・ガルシア メジャー初制覇! 〜世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#16

今年のマスターズは息づまるような接戦・熱戦の末、スペインのセルヒオ・ガルシア(37歳)がイングランドのジャスティン・ローズ(36歳)をプレーオフで下し、念願のメジャー初優勝を果たしました。

そのドラマはメインストリームのゴルフメディアに任せるとして、ここでは“ヤンチャで、ときどき配慮を欠いた言動をするけど、どこか憎めない、愛すべき男”ガルシアの、彼ならではの面白いエピソードを紹介しましょう。

アンプレヤブルが普通ですが、普通ではないのがガルシア

ガルシアは99年、19歳でプロに転向すると、さっそくその年の全米プロでタイガー・ウッズと優勝争い(結果は2位)。

そのたぐいまれな才能とスター性から、“神の子(エル・ニーニョ)”と称され、躍動的で情熱的なゴルフはアメリカでも大勢のファンの心を掴みました。

一方でその情熱ゆえか、しばしばマナーに反する言動、配慮を欠く言動を見せてしまいます。

2013年にはタイガーに対し、人種差別とも受け取られることを口走り、すぐさま謝罪する騒動を起こしました。

でも、その情熱があるからこんな破天荒なプレーも見せるのでしょう。

同じく2013年3月のアーノルド・パーマー招待の最終日でのこと。

ガルシアはあろうことか、高い樹木の上に止まったボールをそこまでよじ登って、「tee shot」ならぬ「tree shot」を放ったのでした。

普通なら「アンプレヤブル」にするところでしょう。でも、その普通のことをしないのがガルシアであり、人気の源泉なのです。

心身の疲弊からプロ入り後、初の長期休養

天性の情熱のまま突っ走ってきたガルシアですが、2010年に初めて10週間もの長期休養を取りました。

8月の全米プロで、初日に78打の大叩きをして予選落ち。直後に「いまは休養が必要だ。しばらくゴルフから離れる」と休養を宣言。

それまで毎回熱く戦ってきたライダーカップも出場を回避してしまいました。

その頃、不調はゴルフだけではなく、私生活のほうでも、交際していたグレッグ・ノーマンの娘さんとの仲が破局するなど、心身ともに疲弊。

フラストレーションをかなりためていたようです。

そう思わせるのが、上記の動画です。バンカーショットのミスにかーっとなったのでしょうが、それでも普通、クラブを叩きつけるのは一回(ひと振り)。それをこんなにも……。

叩きつけるだけじゃない! 投げたり、蹴ったり……

さて、ゴルフから離れ、長期休養をとって自分を見つめ直したガルシア。

これを契機に少しはオトナになったと思いきや……。ガルシアは、やっぱりガルシアでした。

2013年のオメガ・ドバイ・デザート・クラシックでの暴れっぷりを下記リンク先の映像でご覧ください。

ミスショットに怒ってクラブを池に放り込むといえば、一番有名なのはジョン・デイリーでしょう。

次は、2015年のWGCキャデラック選手権におけるロリー・マキロイでしょうか。

でも、ガルシアだって負けてはいません。

ガルシアのこの一投もちょっとした話題になりました。2011年のタイランド・ゴルフ選手権(アジアンツアー)でのことです。

最後のオマケは、「中指立て」

ガルシアにはもうひとつ、欧州ツアーでいまも語り草になっている大暴れがあります。

それは、自分が履いているシューズの放り投げ&キックです(リンク先を参照)。

こんなことして、結果困るのは自分自身なのに……。

ナレーションに、彼のルーキーシーズンとありますから1999年と思われます。

このシーンは、欧州ツアーが選ぶ「怒り爆発」の歴代ベスト10の1位に選ばれたことがありました。


冒頭で「愛すべき男=ガルシア」と書きながら、ここまではとてもそうとは思えない「危ない話」ばかりになってしまいました。

そこで最後はこの逸話。

舞台は2012年マスターズの記者会見場。ガルシアは怖い顔して左手の中指を立てています。

このポーズは欧米ではとても下品で、卑猥で、テレビ放送ではモザイクがかけられるほど、人前でしてはいけないポーズです。

それをガルシアは記者に向かって……。よほど記者に腹を立ててのこと、と思いきや、これが笑える話なのです。

実は、このときガルシアはツメに炎症を起こしていました。そこで、冗談好きの記者がわざと「炎症しているのはどの指なんだい?」と質問。

それに対し、ガルシアは渋面を作って、このポーズ。次の瞬間、場内は大爆笑に包まれたとレポートにあります。

ヤンチャだけど、どこか憎めない愛すべき男=ガルシアならでは愉快なエピソードです。