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ゴルフクラブのDIY~さぁ始めよう!

今回から数回にかけて、ゴルフクラブを自分で修理・改造(DIY)する方法について書きます。

何事も最初の一歩は大切です。

初回として、昨今の世の中・ゴルフ界の動向(法律やゴルフルール)を踏まえて、自分で修理・改造する上での「基本的な心構えに関わる情報・知識」をお伝えしたいです。

中古ゴルフショップで動向調査

物品税という制度があったくらいの大昔は、ゴルフクラブは「大手ゴルフメーカー製の通常モデルの新品を購入し、そのまま(改造せずに)使う。万が一、壊れた場合にはメーカーに送って、修理をしてもらう」という扱いをするべき物でした。

最近では、大手ゴルフメーカーも多数のカスタムモデルを製造販売してくれています。地クラブと呼ばれる中小メーカーにおいては、利用者がヘッドとシャフトを指定するという購入方法が普通です。

さらには、ゴルフクラブをゴルフ工房へ持ち込んで、職人さんにリシャフトなどのカスタム改造してもらう、ということも一般的になってきました。

現在の大手ゴルフメーカー製のドライバーの大多数は、専用工具で簡単にヘッドとシャフトを分離できる構造になっています。いわゆるカチャカチャです。おかげで、さらにカスタム仕様のゴルフクラブを入手・使用しやすくなりました。

中古のゴルフクラブを売買するショップ、実店舗もネット上の店舗も数多く存在し、どこもおおむね盛況なようです。中古ゴルフクラブの取引量(流通量)は意外と多いのです。

中古ゴルフクラブショップには、ゴルフクラブに詳しい店員さんがいて、メーカー純正カスタム品だとか、工房でリシャフトした品だとか、そのゴルフクラブの状態を正しく説明してくれます。

中古ゴルフショップに陳列されているゴルフクラブ達を眺めると、いろいろなカスタム仕様の逸品を見つけることができます。同時に、ゴルフクラブのカスタム方法に関する知識が得られます。

ゴルフクラブの修理・改造には「公認資格」がない

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世の中には「公認資格」を持っている人しかできない職業がたくさんあります。医師、看護師、弁護士、会計士、建築士、電気工事士、などなどです。

ゴルフクラブの修理・改造に関しては、どうなのでしょうか? 実は公認資格がないのです。つまり、職業としてゴルフクラブの修理・改造をしている工房の職人さんも、大多数は無資格者で無資格営業なのです。

それでも、事件も事故もほとんどおきません。職人さんたちは、正しい知識を持って丁寧に作業をしているからです。

工房に頼んでリシャフトなどの改造をしてもらったクラブで、事故が起きたら、ゴルファー保険は使えるのでしょうか? ゴルファー保険では、メーカー純正無改造の限定はしておらず、工房で改造したクラブを明確に除外していないようです。保険は使えると思われます。

もう一歩、考えを進めてみましょう。自分でDIYで改造したクラブで事故が起きたら、ゴルファー保険は使えるでしょうか? 工房の職人さんも、自分個人も無資格者による作業であり、明確な差はないです。恐らくゴルファー保険は使えるはずです。

ただし、「正しい知識を持って丁寧に作業している」という「善管注意義務の履行」が、大事なポイントになりそうです。

素人DIY失敗作品の事件簿

ゴルフクラブの改造、例えば、リシャフトを自分で行って、シャフトとヘッドの接着が不適当だった場合には、どんな事件が起きるのでしょうか?

接着でありがちな失敗例は「接着が甘い(接着剤が足りないなど)」「変な形(曲がった角度など)で強固に接着」のふたつです。

どちらの場合にも、ヘッドが抜けて飛ぶか、ヘッドの付け根のシャフトが折れてヘッドが飛びます。非常に危険です。

ヘッドが飛ぶとしたら、ボールを打った直後、ボールの後を追うように飛んでいきます。これからボールを飛ばそうとする方向には、人はいないし、大事な品物もないですよね。打つ前に確認をしますよね。なので、仮に、ヘッドが飛ぶことになっても、人身事故や物損事故になることは、むしろ稀であるようです。

ゴルフクラブは凶器にもなる危険物ですが、事件事故の心配を過剰なまでにする必要はないのです。

プロゴルファーお断り

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プロゴルファーやトップアマチュアの方が、カスタムクラブを必要とするのですから、変な段落タイトルですね。

「プロゴルファー並みの速いヘッドスピードと飛距離を有するパワーヒッターは、ゴルフクラブを自分で修理・改造することに慎重になってほしい」という意味です。

スイング・ショットのパワーが大きくて、ヘッドスピードが速ければ、ボールを打った時にゴルフクラブが受ける負荷は、より大きくなります。

一般アマチュアレベルのパワー・ヘッドスピードでボールを打つ限りは壊れないゴルフクラブでも、プロのパワー・ヘッドスピードでボールを叩けば、一瞬で壊れてしまうこともあります。

「一般アマチュア(ドライバーのヘッドスピードが40メートル/秒以下)」と「プロゴルファーおよび相当のパワーヒッター(45メートル/秒以上)」のパワーの差(ゴルフクラブへの負荷の違い)は「意外と大きい」のです。

ゴルフクラブを自分で修理・改造することについて、いろいろな人がいろいろなことを言っています。

「絶対ダメ」という人もいれば「基本的に大丈夫だからOK」という人もいます。知識のない人には、どちらが正解かわかりません。

「修理・改造したゴルフクラブを使うゴルファーのパワー(ヘッドスピード)の違い」という視点を加えて、意見を聞いてみると、真相がわかってきます。

先達はあらまほしきことなり

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講習会・講座・読本(教科書)など、お金を払って正しい知識を得る方法は少ない世界です。

ジオテックゴルフコンポーネント社だけは、定期的に初心者のためのクラブ組立の講習会を開いているそうですが、それ以外には見当たりません。

まずは、信頼できそうなゴルフクラブ工房に足しげく通って、自分が使うゴルフクラブのリシャフトなどを依頼し、工房の職人さんの作業を見学させてもらいましょう。

たいていの工房ではお客さんから見える場所で作業をしています。工房の職人さんも無資格なので「技術を秘密にするために見えない場所で作業する」よりも「後でトラブルが起きるかもしれないので、お客さんから見える場所で作業しておく」というほうを選ぶそうです。

工房の常連客になれたら、ゴルフクラブの修理・改造の方法を教えてもらえますよ。

しまいには、自分で改造したクラブの仕上がりをチェックしてもらったり、弟子入りさせてもらえる?! かもしれません。

インターネットの動画サイトには、グリップ交換やリシャフトなどの作業を録画した動画もいくつか上がっています。接着剤などの工作用具を紹介してくれているWebページもあります。

インターネットの情報は真偽不確かですから、信用して大丈夫か? 自分で考えながら、情報収集しましょう。

さぁ! DIYを始めよう!

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今回、ゴルファー保険の適用可否、失敗作で起こりえる事故事例、などについて書きました。自作ゴルフクラブの使用は自己責任です。確率は低いとは言えるものの、大事故が起きる可能性は排除できません。

しかし、闇雲に恐れて尻込みをしていたら、何事も前には進めませんから。

もちろん、リシャフト・グリップ交換などなど、いろいろな修理・改造の作業があり、それぞれの作業で難易度とそれに伴う危険度は違います。

難易度が低く素人でも事故にはつながりにくい作業もあれば、難易度が高くプロの職人でも事故につながる失敗作品を生み出しそうな作業、もあります。

次回以降、具体的な修理・改造の作業を、初心者向け低難易度の作業から順にご紹介します。

この記事を読んで、「ゴルフクラブの修理・改造を自分でやる!」という人が、ちょっとでも増えてくれたら、幸いです。