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SEペロしゅんすけ
競技ゴルフのススメ すべての人に競技ゴルフの楽しさを
「競技ゴルフのススメ」というタイトルで、いろいろと書いてきましたが、今回をもって最終回にします。
ちょっとキザなセリフをいくつかお贈りして、締めくくらせていただきます。
ルール遵守の競争でゴルファーは大いに成長する
ゴルフは「紳士・淑女のスポーツ」と言われていますが、正しくは「紳士・淑女を育むスポーツ(プレーしているのは未だ紳士・淑女にまではなれていない人)」なのだそうです。
親睦コンペや仲間内のゴルフでも紳士・淑女は育まれるでしょう。しかし、競技ゴルフでは「普通のゴルフよりも一層、紳士・淑女に成長させてくれる」と私は感じています。
競技ゴルフはマナーを含むルールに対して厳格な世界です。どんなに苦しい場面でも、ルールを遵守し、ルールで認められているプレーによって、切り抜けなければなりません。
ミスショットでボールが林の中などのアングル・ライ・傾斜の厳しい場所に行ってしまった時にも、そのまま打って、ホールアウトするまでプレーを続けなければなりません。
もしくは、アンプレアブル宣言や(マッチプレーなどでは)そのホールをギブアップする、といった苦渋の決断を自ら下さなければなりません。
こうした「競技ゴルフに特有の要素」が、紳士・淑女を育むということに関して、普通のゴルフよりも大きく影響する、と思えます。
ゴルフの才能と競技ゴルフのスキルは別物
ベストスコアに代表されるゴルフのオフェンスのスキルは、持って産まれたゴルフの才能の個人差が大きいようです。
一方で、競技ゴルフにおいて必要なディフェンスのスキルについては、持って産まれた才能の個人差は少ないようです。
誰もが自分で学んで練習を積み重ねることでしか習得できないスキルのようです。
学習ペース(学習スピード)の早い遅いという個人差はあるのかもしれませんが、基本的にはゴルフへの愛と努力の量の差になると思えます。
アマチュア競技ゴルフ界のレジェンドである中部銀次郎さんが「わかったと思うな」「もっと深くもっと楽しく」という言葉を残されています。競技ゴルフに特有のスキルを習得していく上で、常に肝に銘ずべき素晴らしい言葉だと思っています。
写真の2台の車はどちらとも「庶民的な660ccのエンジンを搭載した軽自動車」です。
片方は何の装備も無い通常仕様で、もう片方は過給機・スタビライザーなどの追加装備品を搭載したスポーツ仕様です。
競技ゴルファーとスポーツ仕様車は似ている存在に思えます。
OKパット、6インチリプレースありの親睦コンペは、車に例えると渋滞する一般道です。持っている競技向けの特殊なスキルは発揮されなくて当然でしょう。
天はゴルファーの上に競技ゴルファーを造らず
ゴルフには競技ゴルフ以外の楽しさもたくさんあります。各地のコースを巡る、ギアの調達と試打、食事やお風呂、ウェア・ファッション、飛ばし・パッティング、などなど、ゴルフの楽しみは千差万別。誰が何を楽しんでも良いですよね。
紳士・淑女へと成長していくペースだってゆっくりで構わないのです。
競技会に参加して競技に特異なスキルとゴルフのマナーの荒行!? なんて、別にやらなくても構わないですよね。競技ゴルフも「数あるゴルフの楽しみの中の1つ」でしかないでしょう。
タイトルで福澤諭吉先生のお言葉をお借りしております。もう1つお言葉をお借りして作文しちゃいます。
天はゴルファーの上に競技ゴルファーを造らず、競技ゴルファーの下にゴルファーを造らずといへり
この連載記事をここまで読んでいただければ、「腕前(普段のスコア)が良くなければ、競技ゴルフをしてはならない」などという「世間一般の考え方」が、「実は何も根拠もない、みんなの勝手な思い込み」だという意見に、同意していただけますよね。
Gridgeのサイトには「すべての人にゴルフの楽しさを」という素晴らしい言葉が掲げられています。今回のタイトルである「すべての人に競技ゴルフの楽しさを」は、この言葉からもお借りしてしまいました。
ゴルフの腕前(普段のスコア)に関係なく、競技ゴルフというすごく面白いゴルフを、誰もが楽しんで良いのです。
あなたの腕前(パワー・飛距離・運動神経)で参戦できる競技会はあります。1人でも多くのゴルファーが、競技ゴルフも楽しんでくれたら、素晴らしいことです。
プレーファスト厳守
最後に1つだけ、我ら「下手の横好き競技ゴルファー」に対して耳の痛いことを書きます。
正式競技ルールでプレーをすれば、普段はどんなにプレーファストな人でも、その日にどんなに良いスコアで上がったとしても、普段のゴルフよりは確実にプレー時間が長くなるものです。
パットのOK、前進4打、などがないと、プレー時間にはかなり大きく影響します。
プレー時間が長くなれば、ゴルフ場のスタッフ、他の来場者さん達に普段よりも多い負担を強いることになります。
プレーファストはマナーの1丁目1番地です。プレーファストというマナーを守って、競技ゴルフを楽しみましょう。
「プレーファスト」という言葉を日本に広めた白洲次郎さん、シングルハンデの腕前で競技ゴルフもしていたと推察できますが、日頃から「ゴルフが少し上手いからと偉そうな顔をするな」とも言っていたそうです。
アマチュア競技ゴルファー・市民ゴルファーとして、白洲次郎さんの心意気を尊敬し、少しでも近づけるよう、競技のラウンドでも普段のラウンドでも、プレーファストに努めましょう。
ゴルフは続くよどこまでも
「競技ゴルフのススメ」というタイトルで書いてきたお話は今回でおしまいです。
でも、もちろん、競技ゴルフの話はこれからも書き続けます。「ブラック・ティー・タイム」と題して、短編読み切りで「競技ゴルファー達のよもやま話(さすが! な話、エッー! な話、など)」を書かせていただくつもりです。
それと同時に並行して、ゴルフクラブを自作(DIY)する話、職場などの親睦ゴルフコンペで幹事をする話、などなど、他の話題もついても書かせていただきたいたいです。
今後ともよろしくお願いいたします。