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おっ3

スランプに陥ったらチェックすること!

『心身の調子が一時的に不振になっている状態。また、実力が発揮できず、成績などが一時的に落ち込んでいる状態』と、ある辞書はスランプの意味を説明しています。

おそらく読者の皆さんもスランプに陥った経験はあると思います。

では、スランプに陥ったらどう対処するのが良いのでしょうか?

Slumpとは?

英語の辞書でスランプ(Slump)を引くと、以下のように記されています。

1.ドスンと落ちる、ぐったりする、もたれかかる
2.暴落する、がた落ちする、急に落ちる
3.(肩・頭などが)うなだれる、前かがみになる

言葉の意味から見て、ゴルフにおける「Slump」とはどんな状態なのでしょうか?

『おっ3』の独断で項目を挙げてみますね。

1.突然、ミスショット(パット)を連発する
2.修正を試みてもまったく上手くいかない
3.ミスの原因がわからない
4.何をやっても上手くいかない
5.自分の動きがわからなくなる
6.気分が落ち込み、ゴルフそのものが嫌いになる
7.上手くいかないことを前提にショットやパットをするようになってしまう

こんな状態は、一刻も早く抜け出したいものです。

しかし、『おっ3』の経験則上、スランプは否定するべきものでもないように思います。

というのも、スランプは上達するために必要な過程だと思うからです。

スランプが成長を促す!

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『おっ3』はスランプを成長過程特有のものととらえています。

ワイルドだろう?(失礼、古いっ)

ポジティブだろう?

スランプは、技術面・精神面の両面で『成長促進剤』としての効果・効能があると思うのです。

スランプに陥ると、そこから抜け出そうと懸命に原因究明に時間を費やし、改善ポイントを探すので、技術面では『自身のスイングの棚卸し』ができると思います。

これは、好調時にはなかなかやらないことだと思いますが、いかがですか?

もし好調時、あるいは平時でも『自身のスイングの棚卸し』をされている方がいらっしゃれば、スランプを抜け出すのに時間を要することは少ないかもしれません。

なぜならば、人は『なくて七癖』というほど、それぞれにクセを持つ生き物です。

スランプではない時にも、常に『自身のスイングの棚卸し』をしていれば、自分のクセも把握しているため、「何が狂っているのか?」「気になるのはどこなのか?」といったポイントを見つけるのに余り時間はかからないと思われるからです。

スランプは、こうして自身を一歩押し上げてくれる、いわば『必要悪』だと思うのです。

客観的にとらえる必要性!

かつて『世界一美しい』と言われた中嶋常幸プロのスイング。そんな中嶋プロは、何度かスランプを経験されています。

最初は、お父様を亡くされた1995年です。

これは明らかに精神面の支えを失ったことによるものでしょう。

このスランプは、イップスも伴い不振は長引きました。2000年には、なんと賞金ランク116位まで後退してしまいます。

苦悩の最中の中嶋プロを救ったのはかつての教え子、石渡俊彦プロでした。

あれこれとスイング改造に取り組んでも、出口の見えない長期にわたるスランプから抜け出せずにいた中嶋プロ。

しかし、身体の構造とゴルフのスイングについて懸命に学んだ石渡プロは、その原因をすぐに見抜いたそうです。

原因は、スイングそのものではなく、身体の不具合だったそうです。

石渡プロのトレーニングメニューで、中嶋プロはスムーズな身体の動きを手に入れて見事に復活しました。

もし、石渡プロの客観的な視点がなければ、『世界のトミー』でもスランプを脱することができなかったかもしれません。

スランプの時こそ、客観的に指摘してくれる存在が必要だと思います。

まずは『静』のチェックをしましょう

スランプ陥った方はともすると、『動』のチェックをしようとする方が多いように思います。

『おっ3』はそれをおススメしません。

まずは『静』の部分からチェックしましょう。

グリップとアドレスは、自分の目や鏡で確認することができます。

この2つのポイントの乱れからスランプに陥るケースは少なくないと思います。

前出の石渡プロが中嶋プロにアドバイスしたポイントの一つが、なんとアドレスの乱れだったそうです。

股関節の可動域が狭くなっていたことに起因して、歪(いびつ)なアドレスになっていたことに気付いた石渡プロは、『先輩』中嶋プロに股関節周りのストレッチのアドバイスをしたそうです。

その効果から、見違えるようなスイングに変わりスランプを脱したと伺いました。

重心を落とそうと、骨盤の前傾がないまま膝を曲げていたり、猫背になっていたり、右手を極端にフックに握っていたり……。

『静』の部分からスランプの原因を探ることをおススメします。

テンポと力感のチェック!

1993年、94年と2年連続でPGAツアーの賞金王になったニック・プライス。

プライスのスイングテンポはとても速く、構えた直後には『イチニッ』とフィニッシュを取っているイメージでした。

あまりのリズムの速さに、周囲は「もう少しゆとりを持ったスイングしては?」と意見する方もいらしたそうです。

それに対してプライスは「歩く速さも何もかも速い自分がスイングだけをゆっくりにする意味がわからない」と拒んだそうです。

『テンポ』や『リズム』はスイング全体に大きく影響するということでしょう。

スランプに陥ると、それほど重要な自分のスイングテンポを見失います。

自分が心地よいと感じられるテンポをみつけるために、高くティーアップしたボールを様々なテンポで打つと良いかもしれません。

使用クラブはショートアイアンが良いと思います。

そしてスランプというか、上達の妨げの最大の要因『力み』。

何をやっても上手くいかない時に、特に男性は力づくで解決しようとする傾向にある方が多いかもしれません。

『力み』はスランプを長引かせることにもなりかねません。クラブがすっぽ抜けないギリギリまで力みを消してみましょう。

ポジティブに!

スランプになった時に、一番やってはいけないこととは何でしょう?

『おっ3』はネガティブになることだと思います。

前出の通り、スランプは上達への道しるべです。諦めなければ、必ず脱出できます。

しかもその時は、ワンランクアップしているはずです。

中嶋プロがスランプを克服した後の大活躍は記憶されている方もいらっしゃると思います。

シニアの年齢になってからも、レギュラーツアーで優勝するなど、息の長い活躍を続けています。

スランプになったら、ワンランクアップのチャンス到来!

時にはそう自分に言い聞かせながら、取り組んでみてください。