ギア猿
Gridge編集部
2月の『ギア猿』は、ゴルフクラブドクターKの失敗しないアイアン選び!
番組開始から4年、いまだクラブ選びに迷走する番組メインMCの博多華丸さんに向け、“失敗しない”ゴルフクラブドクターK(クラブフィッター鹿又芳典さん)がアイアン選びの極意を伝授します!
アイアン選びに悩む人必見の内容となっております。
目次
アイアン買い替え時には、まず自分がアイアンに何を求めるかを決める!
アイアンを買い替える時には、現在の自分のアイアンに対する不満や改善点を見極めることが大切です。
華丸さんは「もう少しやさしく打てる」モデルで「見た目もカッコいい」ものが欲しいとのこと。
そこでまずは、タイトリストの最新3モデルを例にとって、アイアンの種類を解説します。
写真左から620MB、620CB、T400
-マッスルバック(ブレード)アイアン(620MB)
・バックフェースの下部が厚い
・スイートエリアは広くない
・操作性に優れる
-キャビティバックアイアン(620CB)
・バックフェースの中央が薄い
・マッスルに比べヘッドが大きい
・ミスヒットに強い
-中空アイアン(T400)
・ヘッド内部が空洞になっている
・スイートスポットが広くミスショットに強い
華丸さんに合うのは一体どのタイプなのか、試打をして探っていきます。
ナイスショットとミスショットの差が少ないアイアンを探せ!
まずはマッスルバックを試打。どうやら最初から「芯を食わなそう」と苦手意識のある華丸さん。実際に打ってみても芯を食わず「手がしびれる」という感想。球も低く、あまり飛んでいない模様。
150ヤードほどの飛距離に「7番アイアンなら155ヤード飛ばしたい」と、華丸さん。こういった要求もクラブ選びには必要です。
続いてキャビティバックを試打。マッスルバックと同じような薄い当たり方でも、こちらのほうがやや球が上がりやすく、球のよじれも少なかった。
現在使用中のアイアンもキャビティバックのため「似ている」という感想。
キャビティバックでナイスショットが出ず、「次が当たる(上手く打てる)と嫌だなぁ」という華丸さん、最後に中空アイアンを試打します。
そんな願い(?)と裏腹に、弾道も高く、ボール初速も出て、前に試打した2本よりもだいぶ飛距離も出るナイスショットが出ました。
2球目は弾道が低く、明らかなミスショット。しかしボール初速は出ていて、1球目とほぼ同じ飛距離という結果に。
コレを見て鹿又さん「上手く打った時の結果だけ見ないで、上手く打った時とミスショットの時の差が大事」。
つまり、アイアン選びでは、ナイスショットとミスショットの差が少ないものを探すことが大事なのです。
華丸さんのアイアンの好みが判明!?
次にピンの3種類のアイアンを試打しました。
写真左からブループリント、G425、i500
最初に、マッスルバックのブループリント。この日用意したアイアンの中で、一番顔が小さく、ソールの薄いアイアンです。
華丸さん、「顔が小さい」とプレッシャーを感じながら打ってみましたが、2球ともナイスショット。
QPさん(関雅史プロ)によると「このアイアンはバウンスが大きいので、華丸さんでも打ちやすく感じました」とのこと。
ただし、弾道こそ理想的な高さに上がったものの、飛距離は「あと5ヤード欲しい」。
次に打ったのが、一見マッスルバックにも見える中空アイアン、i500。
フェース全体をたわませることでボール初速を上げてくれるアイアンです。
なんと1球目で、自身が7番アイアンに求める飛距離を20ヤードもオーバーする176ヤードを記録! 半信半疑ながら2球目を打つと、ミスをしても160ヤードを記録し、「これいいね!」と華丸さんもご満悦。
3本目は、ポケットキャビティのG425。
ポケットキャビティの特徴は
・バックフェースがえぐれてポケット状になっている
・その分ヘッドの重心をより低く&深くできる
というものです。
打ってみると、何球打っても上手く当たりません。これを見てQPさん「華丸さんの好みがわかった」と納得の顔。
いわく「(華丸さんは)重心距離が短め(のアイアン)が好き」。なるほど、これなら一般的に「難しい」とされるブループリントでナイスショットが連発できた説明も付きます。
重心距離とは、フェース上の重心点からシャフトの中心線までの距離のこと。重心距離が短いアイアンほど、フェースを返しやすくなります。
G425のように重心距離の長いアイアンだと、フェースを上手く返せずにミスヒットになっていたようです。
続いて、スリクソンの2本を試打。
写真左からZX5、ZX7
まずはキャビティバックのZX7から。
1球目からナイスショットをし、やはり重心距離の短いアイアンとの相性の良さを見せます。しかし、飛距離的にはやや物足りないようです。
続いて、ポケットキャビティのZX5。この日用意したアイアンがカーボンシャフトのモデルだったため、少し華丸さんには軽過ぎたようで、「本当は華丸さんに合いそうなヘッドだったのにもったいない」結果に終わってしまいました。
そして、テーラーメイドからは3本。
写真左からP7MB、P7MC、P770
まずは、マッスルバックのP7MB。
やはりこういった重心距離の短いアイアンは上手く打ちこなす華丸さんですが、一般的にマッスルバックはロフトが寝ているため、距離が足りないという問題は解決せず。
続いて、キャビティバックのP7MC。
2球連続をミスし「キャビティが合わない」という華丸さん。鹿又さんは「重心が深いものが合わないのかもしれない」と仮説を立てます。
テーラーメイド3本目は、中空のP770。
「中空に見えない」と言いながら、1球目からナイスショット。「何でこんなに違うんだろう」と本人も不思議そう。
ただ、中空ながらロフトが寝ているこのアイアン、希望の飛距離を満たすことはできませんでした。
最後に試打したのが、ホンマのT//WORLD(ツアーワールド)GS。
ポケットキャビティタイプのアイアンで、7番でロフトが29度というぶっ飛び系アイアンです。
やはり重心距離の長いアイアンとは相性が悪いのか、1球目はミスヒット。2球目は上手く打て、弾道こそ立ったロフトのせいで低くなったものの、ランでしっかり距離が出ていました。
全10本の最新アイアンを試打してみて一番相性が良かったのは、ピンの中空アイアンi500という結果になりました。
なぜプロ・上級者はマッスルバックを使うのか?
一般的には「難しい」とされているマッスルバックアイアンですが、プロや上級者にはマッスルバック使用者が多いです。
その理由をQPさんは「彼らにとってやさしいから。それはスピン量の多さ」と言います。
ハードなセッティングの時にスピンをかけて止めたり、アゲインストの時にスピンを減らして前に飛ばしたりということが、操作性がいいクラブだからこそできるのです。
と、ここでQPさんによるマッスルバック打ち分け講座が開校!
最初に普通に打ち、次にスピンを減らして少し前に飛ばして打ちます。スピンを減らす打ち方は、卓球のトップスピンのようなイメージで、フックをかけるようにインサイドアウト軌道にスイングします。
実際にやってみると、たしかに後者のほうが約10ヤードほど前に行きました。
今月もあります! ざっくりお便りコーナー
埼玉県の「深谷ネギ男」さんから、アイアンに関するお悩みのお便りが着ました。
「5番アイアンから入れている人と7番アイアンから入れている人って何が違うんですか? アイアンは何番から入れるのがいいんでしょうか?」という質問。
この質問に鹿又さん、「私は6番アイアンからです。5番はとうの昔に諦めました(笑)」との答え。
5番アイアンをコースで地面から打った時にキャリーが出ないというのが「諦めた」理由だそうです。5番アイアンの距離はユーティリティを入れて使っているとのこと。
QPさんによると、人間が打った時に『球がよく上がっている』と感じるのは打ち出し角15度くらいで、地面から打った時の打ち出し角はおよそロフトの半分だから、約30度とのこと。
ロフトが30度くらいのクラブだと多くの人がそれほど難しく感じないが、それが以前は6番アイアンでしたが、最近は30度で7番アイアンもあります。なので、何番から入れるかは、使っているアイアンのロフト設定によって違ってきます。
ただ、QPさんは「成功率の低い5番アイアンをあえてセットに入れています。アイアンって、番手の一番上が一番難しく感じる。以前5番を抜いて6番からにしたら6番が難しくなりました。6番が難しく感じるのは嫌だなと思って」と言います。
つまり、5番を打とうと思ったら4番入れてみるのもあり、と華丸さん。
鹿又さんも「転がってでも前に行ってほしいなど、距離だけでなく球質で打ち分けるって意味でも5番や4番を入れるのはあり。使い方を自分でわかっていればいい」とのことです。
「プチニュース」と「Dチョイス」で紹介されたシャフトとアイアンをまとめてチェック!
今月の「ギア猿プチニュース」と「Dチョイス」では、昨年11月に行われたゴルフショップマジック大試打会で見つけた新作シャフトやグリップ、イケてるアイアンを多数取り上げています。
そこでここでは、それらをまとめてご紹介!
・N.S.PRO Regio Formula MB+(日本シャフト)
抜群のしなり戻りで前作「MB」に初速をプラス!
https://nipponshaft.co.jp/product/feature/regio-formula-mb+/
・KBS TD(KBS)
アイアンシャフトで人気のKBS初のドライバー用シャフトが登場!
https://kbsgolfshafts.jp/shop/kbs-td-driver-wood-shaft/
・ATTAS DAAAS(USTマミヤ)
12代目アッタスは初の中元調子でタイミング取りやすくタメが作れる!
https://ustmamiya.co.jp/brand/attas/attas_daaas.php
・VENTUS BLACK(フジクラシャフト)
マキロイが使用するシャフトがついに日本上陸!
https://www.fujikurashaft.jp/material/ventus/ventus5/
・Diamana TB(三菱ケミカル)
振ったら振った分だけついてくる最新“青マナ”
https://www.mitsubishichemicalgolf.jp/product.php?cmd=dia_tb&lang=jp
・CP2 Wrap(ゴルフプライド)
スイング中手首がねじれない極太グリップ!
https://www.fawick.co.jp/gp/products/ccw.html
・CSI-S FORGED(ラズルダズル)
バックフェースの“ギザギザ”がイケてるポケットキャビティアイアン
http://www.razzledazzle-golf.com/product2.html
・TUNE 01 HC(プロギア)
チタンをバックフェースに内蔵した工房専売のハイテクアイアン
https://www.prgr-golf.com/product/headparts/16-tune-iron.html?tune=07
・TC-101(三浦技研)
笹生優花プロも使用する、細かいフィッティングが可能なキャビティアイアン
http://www.miuragiken.com/product/tc-101/
・ターフライダー ダイヤモンドフォージド(ムジーク)
バックフェースの“ネジ”でウェイト調整が可能なアンダーカットキャビティアイアン
http://muziik-golf.com/japan/turfforged.html
今年は毎年恒例のフロリダ取材が新型コロナ禍でなくなり、その予算で大型企画を予定しているとのこと。続報にも注目!
今月の放送予定は下記のゴルフネットワーク内『ギア猿』公式サイトまで!