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ギア猿

Gridge編集部

9月の『ギア猿』はカチャカチャをサルベージ!

最近のほとんどのドライバーには、弾道調整機能、いわゆる“カチャカチャ”が付いていますよね。

しかし、「いじったことがない」という人も多く、意外と使いこなせていないという人が多いのではないでしょうか?

そこで今月の『ギア猿』は、そんなカチャカチャをサルベージ!

自分が持っているドライバーの性能を最大限に発揮できていないという人、必見の内容です!

カチャカチャで何ができるの?

以前カチャカチャが出始めた頃、ドスライスに悩んでいたという華丸さん。そこでドフックに調整したものの、打ち出される球は依然としてスライスのまま……。

それ以降、カチャカチャは一切信頼していないという華丸さんに、鹿又さんが正しいカチャカチャの方法をレクチャーします。

今回は、華丸さんが3月に購入したものの、まだ一度も使っていないというテーラーメイドのSIM ドライバーを使って、カチャカチャ機能の説明をします。

まず、ソール下部のトウヒール方向に移動できるウエイトでは球のつかまりを調整します。

一方、ネック部分は、ロフト角・ライ角を調整でき、球の高さや構えやすさを調整するものになります。

最初にロフトを決める!

まずはノーマル状態で試打。試打クラブのスペックは、華丸さんが購入したものと同じ9度のS。ちょっとつかまり切らず、フェードっぽい弾道に。

次にロフトを付けて(11度・HIGHER)にして打ってみます。弾道が高くなり、少しつかまるようになったものの、距離は若干落ちました。

さらに今度は、ロフトを7度(LOWER)に。弾道は低くなったもののランが出るようになりました。

3通り打ち、ロフト9度の時の弾道が一番良かったという結果になりました。

鹿又さんによると、カチャカチャで弾道を調整する時は、このように、先にロフトを決めてあげるといいそうです。

次にウエイトの位置で球筋を変える!

ロフト9度の時の弾道の高さが一番良かったものの、若干フェード気味で少しつかまっていなかった華丸さんの弾道。

そこで今度はウエイトの出番。これは、トウ側に動かせばつかまりにくくなり、ヒール側に動かせばつかまりやすくなります。なのでここでは、ヒール側に動かしてみます。

するとやはり球がつかまるようになってきました。華丸さんも「右に行かない感じはする」とのこと。

逆に、トウ側にウエイトを動かしてみたらどうなるでしょう? 実験してみます。

関雅史プロ(QPさん)「ウエイトを先のほうにすると、ヘッドの遠心力が大きくなるので、クラブが伸びるのといっしょなんですよ」とのこと。

つまり「これで飛ぶならこっちのほうがいいってことか」(華丸さん)。

上手くつかまえて打てた華丸さん、飛距離も伸びました。

しかし、「飛びやすくなるけど、つかまりづらくもなる」(QPさん)ため、ミスの仕方も変わってきます。

次に真ん中と最大ヒール位置の真ん中“ほんのりつかまる”くらいのポジションにして打ってみます。

すると、左へのミスが連発。頭を抱える華丸さんにQPさん「重心(の位置)が適正じゃないと振りづらいんですよ」と一言。

そこで今度は真ん中と最大トウ位置の真ん中、“ほんのり逃げる”ポジションにセット。

どうやら華丸さんはこの辺りが一番振りやすそう。

QPさん「鹿又さんの説明はメーカーの人も言っている一般的なものですが、最近ツアーでは、『打点が先のほうに当たる人は、先のほうにウエイトがあったほうがいい』と言われています」

球が強くなるウエイト位置?

つまり、球が当たるところの真後ろに重たいものがあったほうがヘッドがブレなくなるから球が安定するという人もいるのです。

華丸さんの場合、球がつかまらないからと言ってウエイトをヒール側に移動させるのではなく、トウ側でヒットする傾向があり、先に重りがあったほうが振りやすく感じるため、トウ側に移動させたほうが相性がいいだろうという結論に至りました。

ロフトを調整するとフェースアングルも変化する?

ところで、華丸さんに疑問が浮かんできました。

「9度のヘッドの場合、7度から11度までロフトが調整できるのに、なぜ9度だけじゃなく10.5度のロフトも用意されているのか。ロフトが変えられるのならヘッドは1種類でいいのでは?」というものです。

実はこれには理由があります。

なぜなら、ロフトを変えた時に変化するのはロフトだけではなく、フェースアングルも変わるのです。

多くのメーカーのカチャカチャでは、ロフトを立てるとフェースアングルが開く方向に動きます。

つまり、弾道を低くしようとしてロフトを立てると、球がつかまらなくなったという現象も起こりやすくなります。

ゴルファーには人それぞれ構えやすいフェースアングルがあるので、開いた顔のドライバーが欲しければ、ロフトが寝たスペックのヘッドを立てて使ったり、逆に閉じた顔が好きという人なら、ロフトが立ったスペックのヘッドを寝かして使えばいいというわけです。

ここまで理解していると、カチャカチャはかなり使いやすくなります。

新企画! 華丸の知らない世界

今月から始まった新コーナー『華丸の知らない世界』。華丸さんが気にしたことがなさそうなディープなギアの話を展開するコーナーです。

初回の今回はスリーブ・ソケットを取り上げます。

現在、各社から“カチャカチャ”可能なドライバーが発売されていますが、実は、会社ごとに仕様がバラバラなのです。

つまり、テーラーメイドのドライバーに刺さっているシャフトにはテーラーメイド専用スリーブが、ピンにはピン専用、キャロウェイにはキャロウェイ専用……という具合です。

さらに、例えばピンでも「G410用」と「G400用」で違うということもあります。

もちろん、カチャカチャのないドライバーの場合は、汎用性のあるスリーブを使用することができます。

また、アイアンにもスリーブ(ソケット)は付いています。

ヘッドとシャフトの接着部分に水や砂などが入ってしまい強度が落ちることを防ぐ、とても大切な部品なのです。

工房などで自分でオーダーしてクラブを組む場合は、自分の好きなおしゃれなスリーブを装着することもできます。

カチャカチャがない場合……鉛で弾道を調整する方法

今月はカチャカチャドライバーの弾道調整方法をご紹介していますが、番外編として、カチャカチャがない場合の方法についてもご紹介しています。

それは、鉛を使う方法です。

どこに鉛を貼ると弾道にどんな影響が出るのかは、下の写真を参考にしてください。

実際に鉛を貼って華丸さんが検証してみると……確かに球のつかまりや弾道の高さに影響がありました。

鉛で調整する時のコツは、最初は大げさに多めの鉛を貼って、徐々にはがしていって一番いい重さや場所を探す方法です。

失敗してもすぐに元に戻せるので、一番手軽な調整方法が、鉛です。ぜひ試してみてください。

番組では、引き続き「第2回ギア猿アッツい人選手権」の参加者を募集しています。9月30日(水)締め切りです。

詳細及び今月の放送予定は下記のゴルフネットワーク内『ギア猿』公式サイトまで!