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【重さ】クラブの流れを整えるとイイコトがある【硬さ】

クラブセッティングという言葉の通り、クラブは14本までをセットするものです。

英語のsetには「~を正しい位置に置く・取り付ける、整える」意味があります。

ここでいう『正しく』が、単に番手を示すものでないことに、ゴルファーはやがて気づくのです。

私がゴルフを始めたのはもう20年以上前ですが、初めてクラブを揃える際に気にしたことは、ドライバーとアイアンとパターがあること、ただそれだけでした。

当時はウェッジも含めた10本セットでアイアンが売られていたので、自然と3番~SW(サンドウェッジ)まで揃いましたし、ドライバーはよくわからないので見た目と値段で決めました。

パターに至っては100%見た目で選びました。

そんなふうに寄せ集めたクラブたちとは、残念ながら、半年もしないうちにサヨナラすることになりました。

「振れる範囲で重いクラブを選ぶ」の呪い

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ゴルフを始めてから、先輩や同僚のクラブを、そしてショップでもたくさんの試打を重ねてみて、自分のクラブ選びがいかにテキトーであったかを思い知らされ、ついに買い替えることに決めたとき、店員さんに言われたのが、

「振れる範囲で重いクラブを選んだほうがスイングは安定します」

これは今でもあちこちで目にする、耳にするセリフです。

たしかにある程度スイングができ上がっているのであれば良いとは思いますが、初心者のうちは『振れる』って言われても、「そりゃあ、振れないことはないですが?」みたいな感想になってしまいがちですし、的確さを欠くアドバイスといえます。

かくして、ゴルフ始めて半年の私は、かなり重くて硬いシャフトのクラブへ買い替えたせいで、とにかくパワーで制御する、ダメスイングやダメグリップを覚えていくことになるのでした。

クラブが軽いと小さくゆったりとしたスイングができる

例えば、いきなり木製バットと硬式ボールを使って野球を覚えようとする人はいないでしょう。

最初は軽いバットにフワフワボールで、小さなスイングや投球フォームから始めて、コツをつかんでいくものです。

「そんな経験ある!」という方もいらっしゃるかと思いますが、男性がレディースクラブで球を打つと、なんだかとても簡単で、上手に球を運べたりしませんか?

軽くて頼りなくて思いっ切り叩けないからこそ、丁寧にコンパクトにスイングするし、リズミカルになる。

柔らかすぎるシャフトがしなったまま戻ってこない感覚があるから、インパクト手前で腕にブレーキをかけてシャフトを自然と走らせてみたり、やりたかったことができてしまう。

自分に合ったクラブを探す旅の途中で、一度は軽いクラブに寄り道してみてください。

重すぎるクラブは筋トレにはなるかもしれませんが、軽いクラブには学ぶところが多いです。

自分に合う『硬さ』に揃えよう

私は「ライフル6.0」という重くて硬いシャフトを捨てて、紆余曲折の末、「島田K's-3001 105」というシャフトに落ち着きました。

軽すぎず柔らかすぎず、張りと粘りの両方を感じられるスチールシャフトです。

アイアンは全番手にこのシャフトを挿していますが、ロングアイアンからウェッジまでほぼ等間隔に重量が増していく『流れ』ができています。

ところが、重量管理はできていたのですが、硬さの管理ができていませんでした。

3番アイアンだけどうしても打てなかったので、某シャフトメーカー専属のコーチに診てもらったところ、3番アイアンを筆頭に、ロングアイアンが『柔らかすぎ』たのです。

シャフトを交換して、硬めに装着してもらったところ、驚くほど振りやすく、コースで試してみても最高の球が出るようになり、難しいはずの3番アイアンがすっかり気に入ってしまいました。

CPMを管理する

シャフトの硬さを表すものとしてL、R、S、Xなどの『フレックス』がありますが、これには基準がなく、メーカー間で統一されていません。

そこで、グリップ部分を固定してクラブを弾き揺らしたときに、1分間でどれだけ(何往復)振動するかを数値化した『CPM(Cycles Per Minute)』という指標があります。

数値が大きいほど振動数が多く、シャフトが硬いことを示しています。

ただし、同じ数値であれば先調子よりも元調子シャフトのほうが硬く感じます。

上のExcelグラフは、私のクラブセットのCPMフローを表示させたものです。

クラブが短くなるに従ってだんだんと振動数が大きく(硬く)なっています。

ドライバーからウェッジまで、ほぼ一直線に並ぶ状態が良いとされています。

愛着あるクラブなら一度はCPMチェックを

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業界関係者の談ですが、「市販のクラブセットを買ってそのまま使っている人のCPMをチェックすると、恐ろしくガチャガチャに狂っていることがあります」と言います。

「どうも6番アイアンだけ苦手なんだよなぁ」という場合、もしかしたら、そこだけCPMが柔らかすぎたり硬すぎたりしているのかもしれません。

シャフトは手元か先端か、どちらをどの程度カットして挿すかによっても硬さや特性に違いが生じます。

クラブヘッドもそうですが、重さにはある程度の誤差があります。大量生産品とはいえ、均一ではありません。

知らずに、流れの悪いセッティングでゴルフをしていて、スコアが伸びないなんて残念なことにならないように、気に入っているクラブならなおのこと、ぜひ一度は工房でチェックしてもらうことをオススメします。