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ゴルフクラブ

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アイアンのライ角を合わせたら飛距離アップ?ライ角調整の重要性とは?

アイアンのライ角とは? ライ角が合っていないアイアンを使い続けると恐ろしい影響が出ます。

ライ角が合っていないと スイング、方向性、操作性、飛距離、スピン量、ボールの高さ……すべてにおいて悪影響があることはもちろんですが、その他のクラブにも恐ろしい悪影響が出ます。

たかがライ角、されどライ角。

それではいってみましょう。

アイアンのライ角とは?

アイアンのライ角ってご存知でしょうか?

ライ角とは、アイアンをソールした時にできるシャフトと地面にできる角度のことを言います。

クラブメーカーが製造しているライ角は7番アイアンで62度前後となっています。

インパクトした時のライ角が62度ぐらいになる人が多いために、62度前後の設定になっているわけです。

インパクトライ角が62度前後であれば、無調整で普通に売っているアイアンでライ角は合っているということになります。

ライ角のズレが1度ぐらいであれば、そんなに神経質にならずにライ角が合っていると考えてOKです。

なぜなら、セカンドショットを打つライで真っ平なライはどこのゴルフ場でもほとんどないからです。

しかし3度以上のズレがあるのならば、アップライトにずれている、フラットにずれている、いずれも明らかに影響があります。

自分のアイアンのソールのキズを見て、トウ側のキズがヒール側に比べて深く、長いキズが付いていれば、ライ角がフラット側にずれている可能性があります。

またトウ側に比べヒール側のキズが長く深ければ、ライ角がアップライト側にずれている可能性があります。

ライ角があっていればキズは全体的に長さ、深さが均一に付いているはずです。

キズが均一には付いていないが、ボールは真っすぐ飛んでいるという方は危険です。

なぜならライ角が合っていないことがスイングに悪影響を与えている可能性が大きいからです。

自分のインパクトライ角は、ゴルフシヨップで無料で計測してくれるところが多いです。一度計測してもらいましょう。

ライ角が合っていないと効率が悪いインパクトになる

アイアンの設計として、ダウンスイングから緩やかにフェースは閉じていき、インパクトでスクエアになり、インパクト以降フェースが閉じて抜けていくことでボールが真っすぐ飛ぶようになっています。

ライ角が適正であれば、設計通りの動きがやりやすくなります。

ライ角が合っていないアイアンであるにもかかわらず、ボールが真っすぐに飛ぶということは、ヘッドが本来の設計とは違う動きをしているということになり、飛距離、方向性において効率の悪いインパクトになってしまっているということです。

ではどういうインパクトになっているのでしょう?

ライ角がフラットにずれている場合

ゴルフショップでインパクトライ角を計測してもらった結果が65度だったとします。

標準ライ角が62度なので65度-62度=3度。

このことを「3度フラットにズレている」と言います。

つまり、ライ角を3度アップライトに調整する必要があります。

標準ライ角62度のアイアンでショットするとトウ側の接地抵抗が多く、フェースがしっかりターンしないため、右にボールが出てしまいます(上のイラストの一番下)。

ボールを真っすぐ打とうとすれば、手をこねる、あるいは体で無理やりインに引っ張るような動きでフェースをターンさせる動きをしないと真っすぐ打てません。

右に出るアイアンで、無理やり引っかけボールを打って真っすぐ飛ばしているということになります。

毎回、タイミングを合わせて引っかけるのは難しく、方向がばらついてしまう、ボールの高さが出ない、引っかけボールのためにランが出やすくグリーンに止まらない……といった悪影響が出ます。

当然ですが、インテンショナルにボールを曲げて打つショットがやりにくいです。

左からは(スライス)回しやすいが、右(フック)は打ちにくい、ということになります。

ライ角がアップライトにズレている場合

ゴルフショップでインパクトライ角を計測してもらった結果が58度だったとします。

標準ライ角が62度なので58度-62度=-4度。

このことを「4度アップライトにズレている」と言います。

ライ角を4度フラットに調整する必要があります。

アップライトにズレているアイアンで、しっかりとフェースターンさせたスイングをすると、ヒール側の接地抵抗が大きいため、過度にフェースがターンしてしまい、ボールは引っかかります(前項のイラストの一番上)。

人間の対応能力はすごくて、体感的にしっかりしたスイングをすれば引っかかることを理解し、引っかからないようにボールを打ちます。

インパクトでフェースを開くような使い方、しっかり振り抜いていくフォローではなく、飛球線方向にフォローを出すようなスイングをして真っすぐボールを飛ばします。

当然ですが、インテンショナルにボールを曲げて打つショットがやりにくいです。

右から回す球(フック)は打ちやすいですが、左から回す球(スライス)は非常に難しいです。

ライ角がアップライトにズレているアイアンでは、インパクトの効率が悪く、真っすぐ飛ばせても飛距離は出ないボールしか打てないのです。

私の知人はライ角が適正なアイアンに買い替えて、7番アイアンで140ヤードだったのが155ヤードに伸びました。

ライ角を合わせただけで飛距離が15ヤードも伸びたのです。

ライ角を調整しよう

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アイアンのライ角が合っていないことによる悪影響は理解していただけましたか?

アイアンのモデルによってはネックを曲げて±2度ぐらいならライ角を調整できるモデルもあります。

「軟鉄鍛造」「フォージド」と呼ばれるモデルは、およそこの調整ができると思っていいでしょう(調整の可否は、念のためショップに確認してください)。

ゴルフショップにもよりますが、1本500円程度で調整してもらえます。

また新品のアイアン購入であれば、ピン、ミズノ、ブリヂストンなどライ角をオーダーできるメーカーもあります。

もしライ角がズレているなら、ぜひ調整しましょう。

ライ角が合っていないアイアンを使い続けることによるさらに恐ろしい影響

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ライ角が合っていないアイアンを使うことによる悪影響は理解していただけたでしようか?

さらにもっと恐ろしい影響があるのです。

それは……。

アイアン以外のクラブにも影響が出るということです。

アイアンのライ角がアップライトにズレている場合、本能的に引っかけないスイングをして真っすぐ打とうとすることは紹介しましたが、そのスイングがクセとなると……。

ドライバーがつかまらない、スライスすることになるのです。

私の知人が飛距離が15ヤード伸びたことは紹介しましたが、それと同時にドライバーもつかまるようになり、30ヤード近くアップ。

200ヤードだったのが230ヤードを軽く超えてくるようになりました。

飛ぶようになったのではなくて、合わないライ角のアイアンを使っていたためしっかり振り抜くスイングができていなかった、ということです。

ライ角がフラットにズレている場合は、引っかけボールで真っすぐ打っているために、そのスイングのクセがつくとドライバー、フェアウェイウッドが引っかかることになるのです。


いかがでしたか?

たかがライ角、されどライ角。

心当たりのある方は、マイクラブをもってライ角計測にゴルフショップに行きましょう。