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グリーン周り最強のゴルフクラブ!チッパーの打ち方解説
ゴルフ歴が長い人でもキャディバッグに入っていないことが多いチッパーというクラブ。このクラブはグリーン周りの寄せでは最強のゴルフクラブなんです。
なかなかチッパーを使っているゴルファーは少ないんですが、これを上手に使うことでスコアは確実に伸びていきますよ。
アプローチで大きなミスが減らせるので、アプローチでスコアを浪費している初心者ならなおさらです。さらに言えば、グリーン周りのミスが多い方ならチッパーを使うだけで、100切りが見えてくる可能性もあります。
チッパーというゴルフクラブについてちょっと見てみましょう。
目次
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- チッパーってどんな形をしているの?
- チッパーはパターの仲間?アイアンの仲間?
- チッパーは公式競技で使えるの?
- チッパーが活躍してくれるシチュエーション
- チッパーはバックスピンをかけてボールが止められない!
- チッパーの打ち方をチェック
- チッパーは打ち方を変えるとボールも変わる!
- チッパーの基本の打ち方:パターのように打つ
- チッパーの打ち方:ボールを持ち上げるように「めくる」
- チッパーの打ち方:ボールを上から打ち込む
- チッパーの距離感の出し方を動画でチェック
- チッパーを使いこなすには練習が必要
- チッパーの名器紹介
- オデッセイ:X-ACT(エグザクト)
- クリーブランド:スマートソール4 タイプC
- プロギア:R-35ウェッジ
- チッパーって普通にショットできるの!?
- チッパーを使っていると邪道なの?
チッパーってどんな形をしているの?
チッパーはアイアンとパターのちょうど中間のような形状をしています。
広いソールにアイアンのようなフェースやロフト角を持っているのが特徴的です。
チッパーの形状のメリットですが、まずロフト角が付いていることでボールが上がります。そしてパターのようなソールにはバウンスがついていないので、ベアグラウンドなどのライでも邪魔になりません。
実はチッパーはあまり使われていないだけで、メリットがたくさんあるクラブです。
振り方はハーフスイングまでのアプローチで使いやすいゴルフクラブです。一番良く使われるのが、グリーンまで10ヤード以内の短い距離を転がして狙っていくような場面です。
チッパーの扱いに慣れてくると、花道が続いていれば30ヤードくらいまでなら安定して狙えるようになってきます。
ウェッジが高いボールでアプローチするクラブなら、チッパーは低いボールでランニングアプローチをするクラブという位置付けです。
その形状からダフりやトップのミスが激減しますので、チッパーは初心者にこそ積極的に使ってもらいたいクラブなんです。
チッパーはパターの仲間?アイアンの仲間?
チッパーはパターのような見た目からパターの仲間と思われる方が多いんです。しかしルール上はアイアンの仲間として分類されています。
そのため、公式競技に使えるチッパーは、クラブの形状やグリップなどアイアンに準拠しています。
チッパーは公式競技で使えるの?
さてこのチッパーなんですが、よく「競技では使えないんじゃないか」という声も聞かれます。
結論から言えば、使えるチッパーと使えないチッパーがあります。
まず先述したとおり、チッパーはアイアンの仲間として分類されています。そのためアイアンの規格に適合していれば競技でも問題なく使えます。
プロゴルフの試合でも使っている選手がいないだけで、チッパーは使えてしまうんですね。
さてそれではまず使えないチッパーの要件を見てみましょう。
・グリップが2つある(ロングパターのようなもの)
・打面が2つある
・パターのグリップがついている
・シャフトがセンターに刺さっている
これらの条件に引っかからなければチッパーは使えます。
そのため
・グリップは通常のアイアン用を使う
・打つ面が片面のものを選ぶ
・センターシャフトではない
この3つの要件を満たせば、試合で使えるチッパーであるということなんですね。
チッパーが活躍してくれるシチュエーション
チッパーが活躍してくれるシチュエーションは、短いグリーン周りからのアプローチです。カラーやその周辺からのアプローチでは、パターで転がす方も多いでしょう。
パターで転がした時に、カラーやグリーン周りの芝で少しだけ勢いが食われることがあります。こうなると方向性や距離感も思った通りになりません。夏場のラフが元気なシーズンではなおさらですよね。
でもチッパーならば少しだけボールが浮きますので、打ち出しで芝の影響を受けず思った通りのキャリーとランが出ます。
グリーン周りから転がしてカップに寄せていくのが、チッパーの一番得意とするシチュエーションです。
逆にボールが思ったほど上がらないので、バンカー越えのショットなど、ある程度キャリーが必要な場面ではチッパーが使えなくなってしまいます。
また、冬の薄芝やベアグラウンドからのアプローチでは非常に使いやすいクラブです。
このような場所からウェッジを普通に打つと、バウンスの出っ張りが邪魔をしてしまいます。
インパクトでリーディングエッジが浮いてしまうため、バウンスを消すためにボールを右側に置いたり、フェースを立てたりしなければいけません。
チッパーならばボールがどんな状況にあろうと、プレッシャーをあまり感じませんので、気持ちに余裕を持ってアプローチができます。
チッパーはバックスピンをかけてボールが止められない!
アプローチで活躍してくれるチッパーには、バックスピンをかけられないというデメリットもあります。
ウェッジでは強く打ち込んで「キュッ!」と止めるアプローチショットが打てますが、チッパーはあくまでランニングアプローチ専用クラブ。
強いバックスピンがかけられるようなボールは打てません。
ゴルフクラブの14本という制限がある中で、ウェッジならばバックスピンもかけられますし、フェースを立てればランニングアプローチにも使えます。技術によってアプローチの打ち分けができるんですね。
反面チッパーは使い方は1つだけで、ランニングアプローチ専門。
プロゴルファーや上級者がチッパーを入れていない理由は、ウェッジでカバーできるなら他のクラブを充実させたほうが良い、という考えからです。
チッパーの打ち方をチェック
このチッパーの打ち方ですが、パターの打ち方を大きくしていけば簡単にランニングアプローチが打てます。
方向の出し方ももちろんパターと同じになります。
アドレスしたらコックやリストは使わず、肩の動きで振り子のような動きで打つのが一番距離感や方向性が合わせやすいでしょう。
こうやって打つことで方向性や距離感など、高い精度を保ってアプローチをすることができるようになります。
距離を変えるのも、振り子の幅を変えるだけで簡単に調整可能なんです。少々ライが悪いところでも、プレッシャーがかからずアプローチに入ることができますね。
チッパーを実際に打ってみると驚くのが、その方向性の良さです。
ウェッジでついついフェースがかぶり過ぎた、フェースが開いて思ったよりも右に出てしまった、という経験はゴルファーなら誰しもがあるでしょう。
その「思ったよりどちらかにズレた」というアプローチがほぼなくなります。そんなに方向性に気を遣わなくても、キャリーとランの関係を覚えてしまえばある程度狙ったところにボールを寄せられるんです。
チッパーは打ち方を変えるとボールも変わる!
チッパーはパターのように打って、ボールが転がる、スピンが入らない、という特徴のあるゴルフクラブです。
しかしチッパーの打ち方を少し変えてあげると、アプローチのボールにも多少の変化があります。
チッパーの打ち方によってどんなボールが出せるのか見てみたいと思います。
チッパーの基本の打ち方:パターのように打つ
まず、チッパーの打ち方の基本は、パターのように振り子運動でアプローチをする打ち方です。この時、アイアンのようにロフトなりの角度ではボールが上がらないことに注意しましょう。
それは短いアプローチの場面ではヘッドスピードが稼げず、ロフトよりもずい分低いボールが出るからです。
チッパーでもロフト角が数種類のラインアップがありますが、アイアンショットと同じような高さは出ないことを覚えておきましょう。
チッパーの打ち方:ボールを持ち上げるように「めくる」
ヘッドスピードが稼げず、バックスピンがかからないチッパーですが、ランが出る割合を少しだけ減らす打ち方もできます。
チッパーのリーディングエッジでアッパーにとらえて、ボールを持ち上げるように打ちます。「めくる」という表現になりますが、インパクトでロフトを増やしてあげるフリップと呼ばれるインパクトをイメージするとわかりやすいでしょう。
チッパーでめくるように打つと、キャリーが少しだけ増えて、ランの割合も減らすことができます。
チッパーの打ち方:ボールを上から打ち込む
チッパーをウェッジのように使って、ボールに楔(くさび)を打ち込むようにインパクトをする打ち方もあります。
花道が続いている場面で、強く転がしていきたいというような場面に使う打ち方です。この打ち方を選択する場面は決して多くありませんが、引き出しの1つとして持っておくのもいいでしょう。
チッパーの距離感の出し方を動画でチェック
チッパーの距離感の出し方は、ロフト角によってかなり変わりますので、手持ちのチッパーのロフト角を見ながら、ランとキャリーの比率をチェックしておくといいでしょう。
動画でも解説していますが、ボールの落としどころを決めるのがチッパーで距離感を安定させるコツです。
チッパーの場合、アプローチの距離感は振り幅で固定しやすいので、肩幅くらいの振り幅でどれくらいの距離が出るのか、また、その場合キャリーとランがどれくらいの比率になるのかをラウンド前に確認しておくとベスト。
一度振り幅と距離感のイメージをつかめてしまえば、ラウンドで同じようなシチュエーションがあった場合でも、躊躇(ちゅうちょ)なくアプローチができるようになりますよ。
バックスピンをかけよう、ボールを高く上げよう、などというような余計なことを考えなくてもいいので、距離感だけに集中してアプローチをしてみましょう。
チッパーを使いこなすには練習が必要
チッパーさえバッグに入れておけば、スコアアップ間違いなし! と思っている方はちょっと待ってください。
パターとアイアンの中間のようなチッパーですが、やはり練習が必要になります。というのも、スピンの入り方やボールの上がり方、ボールの勢いなどが普段使っているウェッジとは異なるからです。
まず基本の振り幅と打ち方をして、自分のチッパーがどれくらいのアプローチができるのか、イメージできていなければなりません。
実際のボールの強さとイメージのギャップをすり合わせておくと、チッパーを安定してカップに寄せられるようになりますよ。
チッパーの名器紹介
チッパーをバッグに入れているゴルファーはかなり少ない印象ですが、名器と呼ばれるチッパーもあります。
あなたのグリーン周りを助けてくれるチッパーの名器たちをご紹介しましょう。
オデッセイ:X-ACT(エグザクト)
オデッセイのエグザクトはマレットパターのような見た目のチッパーです。「アプローチパター」という名称で販売されています。
アプローチパターの名のとおり、パターのような使い方をすれば、自然とランニングアプローチになるという扱いやすいチッパーです。
ロフト角も2種類をラインナップしています。グリーン周りからのシチュエーションすらも、まるでパッティングをしているかのような感覚でカップに寄せられるのがメリットです。
クリーブランド:スマートソール4 タイプC
(画像はダンロップ公式サイトより)
クリーブランドのスマートソール4 タイプCを紹介したいと思います。
構えた時の見た目は、タラコ型のユーティリティを彷彿とさせるイメージです。いかにも「やさしそう」な顔をしている安心感がありますね。
アップライトなライ角と、34インチという長さで使い勝手はパターに非常に近い作りをしています。
パターと非常に近い感覚で作られているので、初めてチッパーを使うゴルファーでも非常に使いやすく感じるでしょう。
プロギア:R-35ウェッジ
プロギアのR-35ウェッジは、リーディングエッジを後方に大きく下げている(フェースプログレッションが小さい)のが特徴です。パターで言うところのクランクネックに近い感覚で、ピンまで転がしていくイメージが出しやすいチッパーです。
こちらも長さやライ角がパターに近い設計となっています。
クランクネックのパターを使っているゴルファーは、このR-35ウェッジが使い勝手が近いと言えるでしょう。
またグリップも専用設計で太目のものが採用されています。パターに近い感覚で打ちたいチッパーなので、意図的にリストが悪さをしないようにとの配慮です。
チッパーって普通にショットできるの!?
チッパーと言えどゴルフクラブ。普通にショットができるのか、またちゃんと飛ぶのか、気になっている人もいるでしょう。
そこでライターとやの私物であるチッパーを使って練習場でショットをしてみました。
普段こんな打ち方はしませんが……。
ライ角が大き目なので、アプローチウェッジやサンドウェッジを打つような感覚です。しかしライターとやの使っているウェッジのロフト角は37度。
アイアンでは8番アイアン相当のロフト角です。8番アイアンでは150ヤードくらいの飛距離なのですが、37度のチッパーではどれくらいの距離が出るのでしょうか。また方向性や使い勝手はいかに。
まず何も考えずにショットをしてみると、ものすごく左へボールが飛んでしまうためフェースをきっちり固定してパンチショットのように打たなければ正直使いものになりません。
さすがにチッパーではフルショットを前提としていないはずので、このあたりは仕方ないと言わざるを得ませんね。
方向性を気にしてきれいにインパクトした時には、飛距離は150ヤードほど飛んでいます。そのため8番アイアンの代わりに使えないこともありません。またドローやフェードも打ち分けられます。
ただやっぱり方向性は良くないので、実戦で使う気にはなれません。
またこちらのチッパーは現在生産されていないモデルなので、最新モデルになるとまた変わってくる可能性もあります。
さて、フルショットが難しいのならどれくらいの距離ならば、チッパーでコントロールしながら狙っていけるのかどうかを検証してみましょう。
ある程度コントロールショットをして、どれくらいの距離なら狙っていけるのか打ってみたいと思います。
まずは20ヤードから。
さすがに20ヤードはチッパーが生きる場面です。振り子のようにスイングしていけば、振り幅を変えるだけで方向性や距離感も安定して狙えます。
続いて30ヤード。
30ヤードでもまだまだ大丈夫。振り子を大きくするだけでコントロール性能に不安は感じません。
50ヤード。このあたりから振り子スイングでは距離が微妙に足りないかも? と感じるようになります。
そのため強めのインパクトでヘッドを走らせるように使っていきます。
キャリーとランの割合が難しいというか、ボールが前へ前へ進もうとする力が強いので、ランの計算がちょっと難しくなってきます。このあたりからアイアンやウェッジのバックスピンのありがたみがわかってくる距離です。
80ヤード。80ヤードはチッパーでも飛ばないことはありません。しかし低めのボールが出るためボールがフェアウェイに落ちたのかラフに落ちたのかによって、距離感に違いが出てしまいます。
ラインを出していくのはできますので、花道から転がしてグリーンを狙う場面ならばなんとか使っていけそうです。
その代わりランを計算して「ショートしてもOK」という感覚で使うのが大前提。
100ヤード。100ヤードともなるとさすがにウェッジやピッチングのハーフショットのほうが狙いやすいなぁ、という印象です。
インパクトでパチン! と強く当てなければならず、さらにランの計算もできないのでちょっと実用的ではないように感じます。
ただしライン出しは問題なくできますので、使い込んでいくと狙っていけるようになるかも!?
ライターとやの手持ちのチッパー(ロフト角37度)では実用的なのは50ヤードが限界かなぁ? と感じます。とはいえ、チッパーで50ヤードまである程度狙えてしまうのならば、もっと積極的にチッパーを使っていけばスコアが伸びるかもしれませんね。
チッパーを使っていると邪道なの?
「チッパーは邪道だ」
「チッパーはダサい」
「プロだってチッパー使ってないから」
チッパーはこんなマイナスイメージを耳にする機会が多いです。
それはまずプロゴルファーたちが使っていないことと、もうひとつはどのように使ったらいいかよくわからない、という2つの理由があります。
ウェッジで代用ができるチッパーは、クラブセッティングに入る余地がないのがプロが使っていない理由です。
チッパーはグリーン周りから、転がしてピンに寄せていく時にはものすごく重宝するクラブです。
またパターと同じような距離感で打つことができますので、ウェッジよりも感覚がつかみやすいというメリットがあります。さらにウェッジでトップしてグリーンオーバー、というミスがなくなりますよね。
構えた時のフェースも方向性を出しやすくデザインされているチッパーも多いので、グリーン周りからのアプローチ最強のクラブと言えそうです。
アプローチがグッと簡単になるチッパーですが、決して「邪道」ではありません。むしろスコアを伸ばしたいのならば、アマチュアゴルファーだからこそ積極的に使ったほうがスコアメイクしやすくなるのではないでしょうか。
ゴルフはいかに少ない打数でカップインさせるか、を競う競技です。
チッパーを積極的に使って、グリーン回りからのアプローチをレベルアップしちゃいましょう。